タバコ問題に関連するエッセイ集
『煙草の問題を考えよう』のサイトを開設したのは2003年5月でしたが、その後、新聞記事や身のまわりの出来事などをもとに
たばこに関する問題を少しずつ書いてきました。
これらは、アーカイブからすべてを読める状態にしていますが、情勢が変わってしまったこともあるので、
膨大なエッセイのなかの一部を現状に合わせて修正したものをまとめました。
リニューアル公開後も少しずつ追加していこうと思います。
筆者本人としては、読んでほしいと思うことを集めました。
以下ご一読ください。
吸わされる不自由
元記事日付:2010年12月19日
2010年は、WHOの「たばこ規制枠組み条約」(05年発効)の期限を迎えたので、禁煙化が劇的に進むはずでした。
しかし、2010年3月1日に書いたように、やったふりで済まされてしまいました。
日本国政府の実行力の無さを国際的にもアピールしてしまったかたちです。
また、発煙者を減らす効果の期待された増税も中途半端になってしまい、効果は限定的になりました。
今だに、決して豊かには見えない発煙者が多く目に付きます。
たばこなどにカネを使わずに、別なことに使えば、もっと豊かに暮らせるのに、
そういうことが分からないからこその現状でしょう。
そうは云いながらも、民間レベルでは、多少禁煙化が進んできており、
10軒に1軒位は、禁煙の食堂を見付けられるようになってきました。
時間帯禁煙 は、筆者の基準では不合格ですが、
それでも、ランチタイムに煙草を吸わされないで済むようになってきたことは少しは喜ばしいと思います。
自分が、このサイトの運営を始めた頃には、まだまだ、分煙の飲食店さえ殆どありませんでした。
現在のように、禁煙店が目に付くようになってきたのは大きな前進と思います。
実際に、発煙者が、たばこの迷惑性を認識できる下地は、8割位できたでしょうか?
さて、表題に書いた、吸わされる不自由というのは、たばこを消費しない人のことではありません。
ここで意図しているのは、発煙者の『吸わされる不自由』のことです。
実のところ、発煙者は、常に、たばこを切らす恐怖に震えています。
寝る前には、買っておいた在庫を確認し、吸いたくなったらそのときに吸えるように備えています。
吸う、吸わないを自由意志で決められるのが本当の自由なのですが、
たばこの常習性のために、吸わないという選択ができない状態になっています。
吸うか吸わないかを自由に決められるのが、吸う自由です。
だから、正しくいえば、発煙者が思っている『吸う自由』とは、『吸わされる不自由』なのです。
こういうロジックが理解できる人ばかりであれば、たばこの問題は起きないはずですが、
理解できないために、裕福でない人がますます不裕福になってゆきます。
たばこが世の中から無くなれば、こういう人々が『吸わされる不自由』から解放されます。
子ども手当
元記事日付:2010年6月6日
この記事を編集している2013年6月現在は、自民党が政権に復帰しています。
自民党では、タバコ政策に期待は持てませんが、議員の発煙率は下がってきているように見えますね。
以下2010年の記事です。
前の週に、鳩山総理が退陣してしまいました。
民主党の問題はいろいろあると思いますが、その中で一番問題だったのは、実現性の無い公約が多かったことでしょう。
実現性の無い公約で最も悪かったものの一つが、沖縄県の基地移設問題だったと思います。
基地の主体はあくまでも米国にあるのだから、米国が同意する内容以外の提案をするのなら、日米安保を破棄し、
米軍を日本から撤収させるくらいでなければ無理な、壮大な計画なのに、話し合うだけで済んでしまうと思ったのでしょうか。
実現性の無いプランを考える位だったら、初めから金銭補償などの別の形で提案するほうが良かったと思います。
社民党にしても、独立してやっていけるだけの力が無いのに、政策の違う与党に付いて一体何を実現したかったのでしょうか。
政権発足当初から、民主党が単独で政権を維持しようとしなかった理由が理解できません。
今回民主党が非難されている理由は、社民党に蹴られたからではなく、さっさと社民党を切らなかった点にあると思います。
実現性のない公約の第一は、子ども手当でしょう。
2009年の国税の税収が36.9兆円しかないというのに、どうやって費用を捻出するつもりなのでしょうか。
ほうぼうから指摘されているように、このツケは、現在支給を受けた年代が支払うことになります。
そして、今立替えている世代にも別な形でしわ寄せがやってきます。
このような一般的な議論は別にして、本質と考えるところを書きます。
子ども手当という制度が出来ると、一番問題なのは、ほどこしを受けることに対して抵抗感が無くなることです。
子供さえいれば、何もしなくてもお小遣いを貰える。子ども手当とはそういう制度です。
人間にはみえがあると思います。みえがあるからこそ、格好をつけたり、働いて地位を上げようします。
ところが、このみえがだんだん無くなってきているように思います。
成人しても親に寄生して暮らしたり、働けるのに公的保護を受けたりすることは、かつては死ぬほど恥ずかしいことでした。
ところが、最近 はそのようなことを恥ずかしいとは思わない人が増えています。
人は、ほどこされるのを潔しとしないことで、成長していきます。
その成長を阻害するような政策が 社会にとって良い訳がありません。
子ども手当も同種のもので、楽してお小遣いを貰えるシステムです。
本当に必要なところには、既存の制度の中でも補助は可能だったはずです。
それに対して、子ども手当という名の下にお小遣いをばら撒くことによって、人口増を期待しているのでしょうか。
お小遣いを貰えるから子供を増やそうという親に、子供を大切に育てて将来の人財とすることができるでしょうか。
そうやって親が国から小遣いをもらうのを見て育った子供たちは、小遣いをもらうことに抵抗感が無くなってしまうでしょう。
これは、既得権を保護し、何もしなくてもカネが転がり込むようなタバコ屋を保護する政策とも似ています。
人間だけではない ペットも受動喫煙でがんの恐れ
元記事日付:2011年2月15日
このような記事を見つけました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110215-00000007-maiall-soci 和歌山市の石丸動物病院に昨年6月、1匹の猫(オス、6歳)が運び込まれた。 数日間エサをまったく食べないという。 体からたばこのにおいがしたため、副 院長の石丸昌子さん(56)が理由を聞くと、飼い主の自宅は美容院で、 猫は灰皿を置いている待合室によく出入りしていたらしい。 触診で腸のあたりに異物を感じたことから、石丸さんは飼い主の承諾を得て体を切開。腸に複数の腫瘍を見つけた。 大きなもので1センチ。既に手の施しようがなかった。病理検査で悪性リンパ腫と判明した。 猫は食欲が戻らないまま、数日後に衰弱死。検査では因果関係まで特定しなかったものの、石丸さんは 「受動喫煙の影響が大きかったのではないか」とみている。 飼い主は「たばこが動物にも悪いと知っていたら、待合室に入れなかったのに……」と肩を落とした。 (後略) |
後略した部分には、たばこ病の説明などが書いてあり、本当はそちらを読ませたかったのだと思いますが、
自分は上記の最後の段落を読んでレポーターと違うことを考えました。
猫が気の毒だったことはその通りですが、『たばこが動物にも悪い』と書いていることは、人間に悪いことが前提の表現です。
待合室は、人間にも悪い環境だったことに、気付いていなかったのでしょう。
この記事から推測すると、美容院の経営者は、自身も発煙者で、たばこの害には無頓着だったから美容院を禁煙にしなかったのでしょう。
そして自分の猫がガンになったことで、ようやく事態の深刻さを認識したようです。
しかし、『待合室には入れなかったのに』というくだりからは何の反省も見られません。
本来なら、『禁煙にしていたのに』というべきでしょう。
これが発煙愚者の実態です。更に困ることは、記事を書いたレポーター自身がこのことに気付いていないことです。
病院でライター
元記事日付:2011年2月11日
ニュースサイトを見て、下記のような記事を見つけました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110210/dst11021010360003-n1.htm 徳島県鳴門市撫養町立岩元地の「岩朝病院」で9日深夜に起きた火災で、重体となっていた福島喜夫さん(78)が死亡し、 同室の男性入院患者(65)が「ライターを触っていたら火がついた」と話していることが10日、鳴門署への取材で分かった。 同署と市消防本部は同日午前から実況見分を開始。 放火の可能性も あると見て、男性患者から事情を聴くとともに、詳しい出火原因や病院の防火態勢に不備がなかったか調べている。 (中略) 同署によると、出火当時は38人が入院中で2階に36人、3階に2人がいたほか、男性医師1人と女性看護師2人が当直に当たっていた。 岩朝勝院長によると、看護師らは「福島さんと同室の男性患者が、ライターでリハビリ用のゴム製ボールに火をつけた」と話しているという。 (以下省略) |
この記事を読んで『またか...』と思いました。
詳細は分からないので想像で書くと、犯人は65歳の発煙者です。
病院内は禁煙なので、発煙したかったが、発煙できない重度のたばこ依存症患者でしょう。
『ああ発煙したいなあ〜、発煙したいなあ...!!!!』と思いながらライターでパチパチ。
『火がついちゃった!やばいやばい。』としているうちに部屋は炎に包まれ関係ない入院患者が犠牲になってしまいました。
問題は、病院内に、ライターの持込を許可していることです。
ライターは火器であり、本人だけでなく周囲の全ての人に与える危険が大きいものです。
こんなものの持込を禁じないというのは法整備が出来ていないからです。
そもそも、ライターなんて、世界中のどこにあっても危険なもので、携帯用煙草点火専用器具なんて世の中には不要なものです。
ガス器具の点火する器具なら価値がありますが、タバコ用点火器具は、他には放火ぐらいにしか用を為しません。
ライターの携帯は法律で禁じなければなりません。
これが禁じられないのは、発煙場所を制限していないからです。
有料発煙場所を作り、たばこをそこで購入し、点火器具はそこの備付のものを使用する、たばこの持出は法律で禁じる、
これくらいの法整備をしなければ、こういう事故は無くなりません。
このためには、タバコ利権を無くさなければならなりません。
最速でタバコ利権を無くす方法は、たばこを麻薬に含めてしまうことですが、いままでのたばこ政策を否定することになるので、
すぐには無理でしょう。
最も早いのは、発煙者を減らす方法です。発煙者が減るとたばこを値上げせざるを得ません。
するとますます発煙者が減ります。値上げと発煙者減少を繰り返すと、最後にはたばこが事業として成り立たなくなります。
そこで上記のように、有償のタバコバーを作れば、細々とたばこ事業が続けられるし、一般の迷惑にはなりません。
こんなに簡単なことなのになぜ出来ないのでしょうか。
タバコ利権は人命より重いのです。
ほんとうの愛煙家
元記事日付:2003年-2013年6月全面書直し-
この元記事は、2003年のものです。
当時、愛煙家という用語がたばこの販売促進とタバコ問題解決妨害のためにつかわれていることを指摘しました。
しかし、本当に愛煙家と呼ぶべきNさんにお会いして、Nさんを支援しました。
こうした事情を思い起こし、全面的に修正を加えたうえで、再度書きました。
元記事は、アーカイブにあります。
まず、愛煙家という用語についてまとめます。
愛煙家
たばこの煙を多量に吸い込むと、死んでしまうので、煙は毒です。 |
愛煙家という言葉は、上に書いたようにほんとうに嫌な言葉です。
自分にとっての、というよりも、本来あるべき愛煙家の意味を書きました。
しかし、上記の意味に近い方と知り合うことができました。
インターネットの世界であるので、実際にご本人を知っているわけではありません。
その方のウェブページはお勧めリンクに載せましたが、タバコ問題解決妨害派の荒らしに遭い、結局は閉鎖されてしまいました。
その方をNさんと呼んでおきます。Nさんは、云うまでもなく喫煙習慣があります。
本来は、喫煙という用語はつかわず、発煙と書くべきですが、Nさんは、周囲に影響を与えないようタバコを嗜むので、発煙している状態は、本人しか知りません。
ですので、ここでは例外的に喫煙という用語を使いました。
しかし、習慣とは云っても、氏のページを拝読すると、中毒者という感じではありません。
かつてはヘビースモーカーだったのが、煙害によって、時には死に至る体質の方がいるのを知ってから、喫煙方法まで変えるに至ったのだそうです。
そして、喫煙者に対して正しいマ ナーを教授しようという啓蒙活動をしておられました。
この方にとっては、社会問題となっているところ構わぬ放煙や強煙などもってのほかです。
そしてそのような暴漢に胸を痛めているという様子がありありと伺えました。
だから、発煙者が全てNさんのような人であったなら、タバコによる社会問題は、健康問題だけになっていたでしょう。
それに、Nさんのように常識的に煙草を吸うことを心掛ける限り、吸い過ぎは有り得ないので、健康問題さえも無くなっ てしまうかもしれません。
筆者はどちらかというと、タバコ廃絶派であり、"社会にとってタバコは悪である"と繰返し主張しています。
しかし、Nさんのような、本当の意味での愛煙家には是非協力したいと思います。
筆者が力説しているように、タバコは絶対悪です。
よって、いつになるかは分かりませんが、いずれは淘汰されてゆくものだと予想します。
しかし、この世にタバコが合法的に流通している限り、少なくとも、完全に廃止されるまでの間は、たばこと付き合って行かなければなりません。
その為にはNさんのような指導者が必要です。
たばこに関する社会問題の殆んどは、『まずタバコありき』の社会の認識にあります。
それは禁煙を、『我慢してやっている』という発煙者と『我慢して頂いている』という非発煙者の認識につながっています。
この認識は、デフォルトでは発煙可で、禁煙表示のある部分のみ発煙不可という現在の習慣の元になっています。
しかし、この認識が誤りであることは間違いありません。
そして、喫煙者側からもNさんが協調しておられるわけです。
喫煙者の側からのこのような主張は大きな意味を持ちます。
このような方が続々と現れて、この社会を正常な方向に変えられれば、たばこはちゃんと市民権を得られるようになるでしょう。
対立の構図−煙草利害関係者の策略−
元記事日付:2006年9月26日
この元記事は、2006年のものです。
当時、単なるタバコ呑みの似非愛煙家とは違う、Nさんという本物の愛煙家の方が、『正しい喫煙マナー』というサイトを
運営しておられました。
Nさんは、たばこが他人に与える問題について強く認識し、問題解決のために、そのサイトを通じて活動していました。
しかし、タバコ利権者の手先と思われるグループの荒らしに遭い、結局そのサイトを閉鎖せざるを得ませんでした。
以下は、そのときのことについて記したものです。
正しい喫煙マナーの掲示板は、いろいろな意味で勉強になりました。
主催者のNさんも、同様に、勉強になったとのことでした。
このページも書き始め てから色々なことに気付いて書き足してきました。
それは、タバコ利権が絶滅するまで続くと思います。
タバコ利権の絶滅は、たばこの絶滅とは同じにならないかもしれません。
いずれたなこは絶滅する運命にあると予想しますが、タバコ商人があくどい販売方法を止めて、
たばこを本来の意味での嗜好品に変えてゆく戦略をとる事によって、絶滅は回避されるかもしれません。
しかし、今後も相変わらず死の商法を続けてゆくのであれば、たばこは、絶滅の道をたどるでしょう。
人々は、いつまでも阿呆ではありません。
多くの人々が、たばこの問題の本質を知ったとき、政府やタバコ会社は大きな非難を受けるでしょう。
その非難の中で、生き延びてゆくのは簡単ではありません。
そうなれば既に予告したように、たばこは絶滅状態になるでしょう。
以下は、筆者が、騙しのテクニックを書きながら考えてきたことと、
正しい喫煙マナーの掲示板を読んで教わったこととを含めています。
正しい喫煙マナーの掲示板の過去ログは、アーカイブの中にもあるので、そこも合わせてお読み頂ください。
その中のハマリ王さんの意見はいつも参考になり、啓蒙されています。
今回議論するのは、対立の構図です。
タバコ利害関係者にとって、『喫煙者』対『嫌煙者』という構図を作ることは、たばこの販売に有利です。
"喫煙者"及 び"嫌煙者"という用語は、既に否定済みであるので、ここでは使用したくありませんが、この記事を書くのに必要なので、
そのまま使用しました。
実際にタバコ利害関係者にそのように利用されています。
実際には、たばこの問題は、このような単純な構図はありません。
本当の構図は、『タバコ利害関係者』対『タバコ問題を解決したい人』です。
これらのグループのどちらにも、発煙者と非発煙者が含まれるでしょう。
そして、これらのグループ外側には、『タバコ問題に無関心な人』というグループがあります。
現在は、この3つ目のグループの人が多数派であると思います。
このグループにも同様に発煙者と非発煙者の両方が含まれています。
タバコ利害関係者が、上記のような、『喫煙者』対『嫌煙者』という構図を作るのは、議論の本質を隠すことを意図しています。
このような構図を作ると、タバコ利害関係者という本質を隠すことができます。
そして、たばこの本質についての議論ではなく、好き嫌いの問題に転化できます。
この好き嫌いというのが、タバコ利害関係者の意図する方向です。
たばこの本質の議論になると、利害関係者は非常に困ります。
なぜなら、たばこに害のあることは既に常識になっているし、臭くて不快ということも、社会的に認知されている常識だからです。
臭くて不快でしかも害のあるものを崇める人々がいるということです。こんなことは、通常有得ないことでしょう。
ところが、発煙者を薬物中毒にしてしまえば、臭くても、不快でも、害があっても、それが快感であるかのように思考を狂わすことができます。
こんな野蛮な薬物を正々堂々と販売していること自体、常識では考えられないことです。
しかし、逆に、たばこに関しては、非常識が常識になっています。
この『非常識が常識』であることを人々に悟られたら、たばこ販売の未来はありません。
このような構図を崩すのはどのような人かというと、それは、筆者のような非発煙者ではなく、むしろ"愛煙家"のNさんのような人です。
依存症になってはいけない、他人に害を与えず節度を守って嗜むこと、従って、公共の場所で発煙してはいけない、
と"愛煙家"が主張すると、利害関係者はものすごく困ります。
こんなことをされたら売上が激減してしまいます。
全ての発煙者がNさんのように嗜んだら、売上は1/10以下になってしまうでしょう。
逆に言えば、煙草の売上の殆どは、無秩序に発煙する人々によって得られているものなのです。
Nさんのような主張が、人々に浸透すれば、タバコ会社が社会の迷惑と引換に利益を得ていることがバレてしまいます。
では、煙草会社にとってどのような人が最も有難いのでしょうか。
それは、タバコユーザではなく、タバコ問題に関心のない非発煙者です。
このような人々が,"自分は煙草を吸わないが、別に嫌ではない"とか"たばこくらいで目くじらを立てるなんて大人気ない"
などと発言してくれると、たばこの問題に関心のある非発煙者は"我侭嫌煙者"だ,というイメージを作ることができます。
このようなイメージが広がれば、たばこの問題の本質は議論されずに、好き嫌いの問題に転化できます。
すでに何十年の間にわたって、この方法でタバコ会社は販売(消費)を伸ばすことに成功していています。
本当であれば、タバコ問題の第一次被害者である発煙者本人が、こういった嘘に気付かなければならないのですが、
タバコ利害関係者の巧みな戦術で騙され続けてきているのが実態です。
同じような分類で、タバコ擁護派という人々がいます。
タバコ利害関係者は、当然積極的タバコ擁護派に含まれますが、同時に上記のような、タバコ煙草問題に関心のない非発煙者は、
消極的タバコ擁護派になります。
積極的には推進しないが、否定しないことによって、結果的に煙草擁護派に含まれてしまいます。
また、この他に、たばこに洗脳された発煙者も積極的煙草擁護派になります。
Nさんは、愛煙家でありながら、タバコ擁護派に攻撃されるという皮肉な結果になってしまいました。
このような問題とは別に、タバコ利害関係者は、時限爆弾を抱えています。
それは、発煙者と非発煙者とのタバコ病疾病率の有為な差の現れでです。
今まで何十年にもわたって、たばこの問題が放置されてきたために、強煙被害なしで生活してきた人はいませんでした。
家庭でも職場でも学校でも食堂でも、どこででも煙を浴びせられてきました。
このために、発煙者と非発煙者との間の疾病率の差は小さかったわけです。
しかし、分煙化が進み、職場などでは禁煙のところが増えてきました。
また、家庭でも、家族の前では発煙できないという人が増えてきています。
この傾向は、今後、さらに続くと見込まれるので、非発煙者のタバコ病疾病率は、今後数十年で顕著に差が付くようになります。
今回の議論は、Nさんのような正しい愛煙家を応援するために書いたものです。
頑張れ、真の愛煙家達!
たばことダイオキシン
元記事日付:2004年3月13日
たばこの煙にはダイオキシンが含まれています。それもただならぬ量のようです。
しかし、そうした事実が隠蔽されています。
最初に、"隠蔽"と書いた理由は、環境省のページにある煙草により発生するダイオキシンの量が、
当初の報告と全く入れ替わってしまったためです。では、どのような数字になっているのか、これから紹介します。
ここで紹介する内容の情報源は、日本国の環境省の公式ページでです。
但し、内容に意義を申し立てるのは読者の自由であり、 政府が全て正しいと決めつける必要はありません。
調べてみて分かったことは、ダイオキシンについては、未だに良く分かっていないということです。
情報源
情報源として、環境省のページから次の2つの文書を使用しました。(1) http://www.env.go.jp/air/report/h15-06/index.html
平成14年度 臭素系ダイオキシン類排出実態等調査結果報告書
(2) http://www.env.go.jp/chemi/dioxin/kento/dioxex0.html
ダイオキシン排出抑制対策検討会報告の要約
上記文書から煙草に関する記述を以下に抜き出しました。
文書(1) |
文書(2) |
|
煙草によるダイオキシンの年間発生量(日本国内の煙草からの大気への排出量) |
0.1-0.2[g-TEQ/年] (1997-2002) |
16[g-TEQ/年] (1996年注1) |
大気中へのダイオキシンの放出量(日本全体での総排出量) |
944-970[g-TEQ/年] (2002年) 7,680-7,135[g-TEQ/年] (1997年) |
5,140-5,300 [gTEQ/年] (1996年注1) |
注1:文書中に明記されていないため、文書の公開年度の前年のデータであると仮定しました。
全体的にダイオキシンの排出量が削減されているのは、好ましい傾向であるとして、さて、
上記の煙草によるダイオキシンの年間発生量の差は一体どこから来たのでしょうか?
得られた情報の範囲内でわかったことについて書きます。
文書(2)は、平岡正勝氏(京都大学名誉教授)が取りまとめた資料に基いた数字ですが、
文書(1)は、根拠のはっきりしない数字でした。
この間に何があったかについては、別途推定し、文書の範囲内でわかるものを下記に示します。
文書(1)の元になっているたばこによるダイオキシンの年間発生量は、下記の前提に基いて示されたものです。
たばこのダイオキシン類含有量についてはMatsueda注2らの報告を使用した。
Matsuedaらは1992年に市販されている各国の紙巻きたばこについてダイオキシン類の含有量を調査したが、
日本銘柄のたばこのダイオキシン類含有量を用い、たばこの灰化する部分の重さを0.6g/本と仮定、また、
たばこの燃焼により新たなダイオキシン類の生成や異性体プロフィールの変化が起こらず注3
全てのダイオキシン類がたばこから環境中に放出されると仮定した場合、0.293pg- TEQ/本という排出原単位が求められた。
これらに当該年のたばこ消費量を乗じることによって、排出量を推計した注4。
注2:Matsueda et al.: Concentration of PCDDs, PCDFs and Coplanar PCBs in Cigare-ttes
From Various Countries, ORGANOHALOGEN COMPOUNDS Vol.20,(1994)
Smoke Stinks補足説明:
松枝氏は、タバコ会社とは関係ないものと思います。
また、研究の目的は、あくまでも、本体に含まれるダイオキシンの含有量を調査することにあり、 燃焼排ガス中のダイオキシンを調べるためのものではないようです。
このように、違う目的のためデータに利用されてしまったようです。
注3:この部分を赤字にし、傍線を引いたのは、Smoke Stinksです。
注4(Smoke Stinks注):
この推計を行ったのはあくまでも環境省なので、Matsuedaらの報告に、 煙中のダイオキシンの量について記述があったとは書いていないことに気付く必要があります。
さらに、文書(1)の中には、下記のような記述があります。
なお、活動量(たばこ消費量)に関するデータの信頼性は高いが、排出量原単位推計における仮定の要素が大きいため、 排出量全体としての信頼性はかなり低いと考えられる。 |
さて、以下は、Smoke Stinksが、環境省のページから深読みした推論です。
ダイオキシン問題について検討委員会を始めたときには、平岡座長が煙草の ダイオキシンに関する影響について、
衝撃的な数字を与えた。 |
たばこの問題について調査するときは、書かれていない部分を読むことが必要です。
わき見運転の報道に見る各社の態度
元記事日付:2007年7月14日
2007年5月8日に、山陽道でマイクロバスの横転事故がありました。
それに対する報道で気になることがあったので、ここに内容を紹介します。
読売新聞を少し持ち上げる内容になっています。
しかし、少し間をおいていた間に、多くの記事が失効してしまっていました。
このニュースが気になったのは、5月9日の朝だったと記憶しています。
NHKのニュースを見ていたら、”たばこを取ろうとして”という見出しがありました。
内容を聞いていたら、それは、上記の横転事故の原因のことでした。
その後、フジテレビを見たら、その見出しは、”ものを取ろうとして”に変えられていました。
フジテレビはどうしてもたばこが原因であることにしたくなかったようです。
それで、気になって、ウェブでいくつかのサイトを調べてみました。
すると、”たばこ”と明言していた新聞社と、それを隠していた新聞社があり、大勢は原因がたばこにあることを隠していました。
大手の新聞社で、たばこと明言していたのは、読売新聞でした。
下記に、アウトラインの紹介します。
冒頭に述べたように、既に多くの記事が 失効しているため、全部を紹介することはできませんが、読売と朝日は、同じ時に集めた記事です。
たばこ取ろうと脇見…広島のバス横転でトラック運転手広島県三原市の山陽自動車道のマイクロバス横転事故で、バスに追突した大型トラックを運転し、逮捕された鈴木和孝容疑者(61) (宮崎県都城市)が広島 県警高速隊の調べに対し、「たばこを小物入れから取ろうとして、前をよく見ていなかった」と供述していることがわかった。 -以下省略- (2007年5月9日13時41分 読売新聞) |
山陽道でバス横転 乗客1人死亡、20人重軽傷 広島8日午前9時25分ごろ、広島県三原市八幡町の山陽自動車道上り線の三原久井インターチェンジ(IC)付近で、 21人乗りのマイクロバスが大型トラックに追突されて横転した。 県警と市消防本部によると、バスに乗っていた男性1人が死亡、1人が重体、19人が重軽傷を負った。 県警はトラックを運転していた 運送会社「湯浅運送」都城支店(宮崎県都城市)の運転手、鈴木和孝容疑者(61) =同市=を業務上過失致傷の疑いで現行犯逮捕し、容疑を業務上過失致死傷 に切り替えて調べている。 調べに対し、「わき見をしていた」と供述しているという。 -以下省略- (2007年05月08日21時47分 朝日新聞) |
「物を取ろうと脇見」 追突トラックの運転手が供述 | エキサイトニュース... 1人が死亡した事故で、逮捕されたトラック運転手鈴木和孝容疑者(61)が県警高速隊の調べに 「物を取ろうとして脇見をした」と供述していることが8日、分かった。... [5月8日] <山陽道事故>バス横転で1人死亡、 ... http://excite.co.jp/ |
ヘッドラインをみてすぐに分かることは、この事故の原因は、運転中のたばこにあることです。
このことを、読売新聞は明確に書いていますが、その他は意図的に隠しています。
もしも、容疑者が、『たばこを取ろうとして』ではなく、『ものを取ろうとして』と証言していたのであれば、読売新聞は、
記事をでっち上げていることになります。そのようなことは考えづらいので、容疑者は、『たばこを取ろうとして』と証言したと考えられます。
この例は、多くの報道機関がタバコ問題の隠蔽工作を手助けしている証拠であることが分かります。
まさに『マスゴミ』といわれるゆえんです。
なぜか読売だけが、隠蔽工作に加担していないのは、 同社がたばこの問題解決に取組んでいるのか、
あるいは、タバコ会社がスポンサーにならなくなっているのか良く分かりませんが評価できます。
当たり前の記事を書いただけのことなのに、この中で一番良心的であると感じます。
たばこによるわき見運転の要因には、何があるのでしょうか?思いつくものを下記に挙げてみました。
以前、運転中の携帯電話が危険だということで、明示的に禁止されましたが、”なぜか”発煙行為だけは、禁止されずに残っています。
わざわざ”なぜか”とダブルクォートで括ったのは、理由が 明確に推定できるからです。
もしも、すべての報道機関が、読売新聞やNHKのように、交通事故の原因をたばこであることを明確に報道したら、
世論が”運転中の発煙を禁止しろ”、となることは明らかです。
さらには、たばこの排除運動までに発展するかもしれません。
すくなくとも良識ある人は、タバコの問題をこころよく思わないでしょう。
わき見運転の中に、たばこ関連のものが、どれくらいの割合で含まれているかを知りたいのですが、
このような、タバコ販売にとって都合の悪い事実は、公表されません。
こうしたタバコ問題の隠蔽工作は、警察ぐるみ、行政ぐるみ、立法ぐるみでしょう。あるいは司法ぐるみにもなるのかもしれませんが、
司法は具体的事例についてしか裁くことができないので、積極的な隠蔽工作は難しいかもしれません。
しかし、司法であっても、たばこが原因のものを他の一般物に置き換えることによって、消極的な隠蔽工作を実施することは可能です。
最近、読売新聞は進化が見られますが、その他はまだまだです。
タバコ問題の隠蔽工作に加わっている報道機関は、事故を防止することを妨げ、また、人々がタバコ病で死にゆくのを容認しているという事実を受け止めなければならりません。
飲酒運転の問題
元記事日付:2006年10月2日
先日、福岡での公務員の飲酒運転による死亡事故が大きく取り上げられて、飲酒運転という犯罪に焦点が当たりだしました。
なぜこのことが大きく取り上げられたか考えてみました。
飲酒運転による事故は、今に始まったことではありません。
ずっと以前から問題だったのに、取締りが恣意的で、実効を上げていなかっただけの話です。
こういった恣意的な取締の問題は、たばこの問題と良く似ています。
歩行発煙を禁止する条例があっても、警察が取締らないので、この問題はなくなりません。
飲酒運転も同種の問題です。
以前から不思議に思っていたことがあります。
それは、人里離れたスナックバーの存在です。
最近は自動車を運転することが稀なので確認していませんが、地方に住んでいた頃は、夜中に車で走ると、市街地から離れた国道沿いにスナックバーをよく見ました。
どう考えても酒を飲みに行くところでしたが、徒歩で行くには不便な場所だし、公共の交通機関もありませんでした。
酒を提供するには不適切な立地条件のところにスナックバーが点在していました。
しかもどれも随分と古くから営業してるようでした。
このようなスナックバーに自家用車以外の交通機関で出かけることは難しそうでした。
客のほぼ100%は、飲酒運転していたものと推定できます。
こういうところの飲酒運転者を全て摘発すれば、今までに相当な数の飲酒運転を無くすことができたはずです。
しかし、それが放置されてきたのが実情です。
飲酒運転がいけないことは当然のことだが、もっと大きな問題は、それを恣意的に放置してきたことでしょう。
恣意的に放置した理由のひとつとして、警察官の中にも飲酒運転者が相当数いたのではないかと想像できるし、実際にそのような噂は良く耳にしました。
噂を信じてはいけませんが、取締りの前にこっそり通知されたのだと聞いたことがあります。
確かに、飲酒運転者を一網打尽にしていれば、このようなスナックバーは壊滅的打撃を受けたでしょう。
このように、飲酒運転を前提としたスナックバーが存在できたこと自体が驚きです。
この問題もたばこの問題と似ています。
たばこという商品それ自体が、人々の健康を犠牲にし、なおかつ社会の迷惑行為を誘発するものであることは常識であるのに、
いまだに放置され、それを商売にする人がいます。
たばこの問題の根本はそこにあります。
飲酒運転客の存在を前提にした飲み屋の経営というのも、たばこ販売に似ています。
すなわち、
飲酒運転客目的の飲み屋の場合:
飲酒運転するヤツが悪い。
法律で駄目と云っているのだから、自主性にまかすべきだし、警察だって態々取締らずに適当にやっておけばいい。
問題が起きたらそのときは"車で来ているとは知らなかった"と云えばいいのさ。
客個人の問題には責任が持てないし、酒類の提供は合法的にやってるからね。
煙草販売者の場合:
不法発煙や迷惑たばこ行為などするやつが悪い。当然のことながら、現実には不法者など幾らでもいるのであって、これらの不法者の犠牲者はなくなりません。
法令やマナーを守らないヤツが悪いのであって販売者には責任はない。
問題が起きたらそのときは"それぞれのユーザの行為には責任が持てない"と云えばいいさ。
たばこ販売は合法的にやってるからね。
飲酒運転の問題に戻ると、発端になった事件は、容疑者が公務員であったことで面白おかしく報道しているだけのように見えます。
飲酒運転を放置してきた問題に言及せず、不況が原因では絶対に失職しない職業にあるものを羨み、その失敗を楽しむ、そんな姿勢が見え隠れしています。
大手新聞社の報道サイトを見ても、公務員の不祥事の記事が目につきます。
本当に飲酒運転を追放しようと思ったら、警察当局の恣意的な取締により事件を防止できなかったことを追及するのが先でしょう。
飲酒運転も、たばこの問題も、取締りを厳しくすれば、違反者など殆どゼロに近くすることができるはずです。
飲酒運転の場合、免許を持っていてもこの有様なので、たばこの問題の場合は免許が不要なためさらに厄介です
しかし、どのよう場合も、取締りで違反防止実効性は上がるものと考えられます。
不法たばこの場合、取締らないので、条例の実効性が上がらないことは度々書いています。
飲酒運転の場合も根は同じです。
『飲酒運転したら3 回に1回は必ず捕まる。また、捕まったら10年の懲役だ。』とでもなればいかに愚か者でもは飲酒運転などしないでしょう。
残念ながら、大人にも精神年齢の低い者がこんなにたくさんいるというのが本質的な問題です。
ついでに飲酒運転常習者のプロファイルを想像してみました。
Smoke Stinksが想像した飲酒運転常習者のプロファイル(性格,思考) 後先考えないお気楽な性格。今がよければ先のことはどうでも いいよ。 (職業) 酒ばっかり飲んでいられるのだから、難しいことは考えなくても良い職業に就いている(特には書かないが)。 (煙草について) 煙草の煙なんか気にならない。煙なんか気にしてたら飲み屋になんか行けないよ。 |
筆者は今まで酒飲みの場で、自分と自分のグループを除くグループの発煙者率を数えていたことがありました。
どこでも概ね80%が発煙者でした。どこに行ってもたばこくさいはずです。
それより、80%が発煙者ということは、それだけ多くの潜在顧客を失っていることを意味しています。
発煙率を考えれば分かりますよね。
そういうあたりまえの思考ができないこともたばこの問題のひとつでしょう。
たばこによるエネルギーの浪費について
元記事日付:2003年7月22日
2011年には、地震と津波による大惨事が起きてしまいました。
そして、福島第1原発は、放射性物質を大量に発散する事故を起こし、その結果、2013年6月時点では、ほとんどの原子力発電所が稼働していません。
いまは、省エネルギーが声高に叫ばれています。
このような問題が発生するより9年前に、たばこがいかにエネルギーを浪費させているのか指摘していました。
今回は、たばこによる社会問題のひとつ、エネルギーの浪費についての記事を紹介します。
喫煙所(正しくは排煙場というべきなので、以後は排煙場と記載します)の排気によるエネルギーロス等については、
厚生労働省のガイドラインの講評の際に、一部を記しました。
ここでは、もう少しまとめて書きます。
たばこによるエネルギー損失の大部分は、排気による熱(または冷気)の損失です。
折角温めたり冷やしたりした空気をエネルギーもろとも捨ててしまわなければならないからです。
この点をもう 少し研究するために、東京電力に、電力消費の内訳をウェブ上に載せるように要請しました。
目的は節電に取組む目標の明確化のためであって、たばこ対策のためとは書きませんでした。
さすがに東京電力様は、こうした要望は無視していますが、そこで分かっている部分だけ先行して記述しました。
たばこによるエネルギーの浪費は、あまり強調されることはありませんが、2003年7月に我家に送られてきた、
大手不動産会社のパンフレットのような雑誌のようなものに、面白い記事を発見しました。
その記事の内容とは以下の通りです。
喫煙が室内の空気を汚す最大の原因(三井不動産のパンフレットから一部引用)
室内では、喫煙が最大の汚染源です。煙草を吸う人は吸わない人の2倍近い換気量(50m3/時)が必要だといわれています。 |
この記事は、住宅販売をする会社から見た意見の一部で、会社を代表する意見かどうかは分かりませんが、
家庭での煙草は望ましくないとの認識が示されており、注目に値します。
この記事の元になる情報源はどこのものかは分かりませんが、そう大きく外れているわけではないでしょう。
但し、"これらの汚染を防ぐには、強制的に換気を行う必要があります"とあるように、煙草会社等 に相当気を使った表現になっていることに注意を払う必要があります。
なぜなら、換気をしても、汚染は薄まるだけで防ぐことができないからです。
こういった表現の端々に、煙草族の圧力を感じてしまいますね。
たばこの毒性についての記述はさておいて、筆者は換気量の部分に注目しました。
この"2倍近い"というのが信頼性のある意見とは思わない注が、信頼のある大企業筋の情報として、2倍という数字を元に計算してみました。
注: この記述の前提として、換気扇の傍で吸う、たばこの消費量が相当に少ない、室内の汚染物質の濃度は深く追求しない、室内でストーブを焚いている場合を含む、 などの前提があると思いますが、ここでは、たばこの影響を最小に評価するため、電気空調に限るものと仮定しています。
必要な換気量というのは、空調が電気だけという場合は、人間の酸素消費によって酸素濃度が低下することにたいする補償量と、 人間の二酸化炭素放出による二酸化炭素の濃度増加の補償量によって決定されます。
人体は、基本的には毒物を放散しているわけではないので煙草を吸わない人間のための換気量というのはこれだけのことです。
これに対してたばこを吸う人間の場合は、たばこによる毒物と二酸化炭素の放散と酸素消費を考慮して換気量を決定すべきです。
また、本人の吸い込む煙は、巻き込む空気によって、燃焼が促進されて、一酸化炭素の発生は抑えられますが、吸引していないときの煙(副流煙)は、 不完全燃焼によって、更に毒性が強いものとされています。
従って、この副流煙を積極的に排気しなければなりません。
以上を考慮した場合の喫煙者の必要換気量がたったの二倍弱というのは、とても信じられる数字ではありませんが、これを元に大雑把な試算を行いました。
上記のパンフレットの情報を正として、喫煙者のための換気量と非喫煙者のための換気量の差を1人あたり25m3/hとすると、
これは、
ここで、 空気の密度を1.2kg/m3、空気の比熱を1000J/kgKとし、室内外の気温差を15度(冬季)とすると、
日本全国に喫煙者が存在する家庭がどの程度あるかわからないが、電力を暖房にしている世帯の喫煙者が大雑把に仮定して、1000万人いるとすると、
大雑把に見積もって、たばこによってこの程度の浪費電力が発生するということになります。
この電力浪費をどの程度に感じるかは各人の意見によりますが、実際に計算してみると相当な大きさでになります。
政府ではこのような計算はしていないのでしょうか?
していないはずはないので、もっと精度の高いものが、どこかに極秘資料として存在するはずです。
日本国政府は、原子力発電所の運転を再開する前に、こういった簡単に削減できるエネルギー消費を抑えるべきではないのでしょうか。
下記に、大手電力会社の発電機の能力を下記に示します。1000万人の発煙者によるエネルギ浪費率(一般家庭だけで1,250MW)と比較してみてください。
1,250MWには、外からたばこの煙が入ってくるのでやむを得ず窓を閉めて空調のスイッチを入れるという浪費は考慮されていません。
入れればさらにすごいことになりますね。
平成13年東京電力(http://www.tepco.co.jp) |
||
項目 |
発電機能力 |
単位 |
水力発電 |
33,752 |
MW |
火力発電 |
120,121 |
MW |
原子力発電 |
43,125 |
MW |
風力発電 |
1 |
MW |
東京電力合計 |
196,999 |
MW |
平成14年中部電力(http://www.chuden.co.jp) |
||
項目 |
発電機能力 |
単位 |
火力発電 |
23,901 |
MW |
水力発電 |
5,216 |
MW |
原子力発電 |
3,617 |
MW |
中部電力合計 |
32,734 |
MW |
喫煙者を採用しない企業の増加
記事:2013年6月
弁護士ドットコムというサイトに興味深い記事を見付けました。
「喫煙者は採用しない」という会社の「方針」 法的に問題ないのか?
リンク先:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130624-00000503-bengocom-soci(すぐに削除されると思います)
内容を要約すると:
星野リゾートグループの採用の際に、発煙癖の有無を質問し、YESを選択すると、「喫煙者は採用いたしておりません」 というメッセージを出すという。
同社が発煙者を採用しない理由は、
作業効率の低下 排煙場のコスト増 発煙者の休憩に対する不公平感 であるという。
山田長正弁護士は、このような発煙癖に対する採用制限は違法ではないと説明する。
その理由は、最高裁判決で、企業には経済活動の自由(憲法22条および29条)が認められているとして採用の自由を認めた判例 (三菱樹脂事件・昭和48年12月12日)にあるという。
個別には違法になるケースもあるかもしれないが、星野リゾートのケースでは、発煙者を採用しない理由が合理的な目的であり、 かつ、社会的に許される限度を超えていないと考えられる。
また、発煙癖の有無の質問は、厚生労働省で禁止された質問には該当しないことから、発煙者を採用しないことは違法ではないという。
これと関連する内容として、2011年1月に『発煙癖は就職に影響?』
という記事を書いています。
その内容は、アーカイブされているリンクにある通りで、発煙者に好感を持たない採用担当者が約半数いたというアンケート結果が
あるといいます。
上に紹介した記事には、星野リゾートの例しかありませんが、現実は、発煙者を採用しない企業が増えているそうです。
実際に、発煙者を採用しない理由には、以下のものもあるでしょう。
仕事の場に、発煙を持ち込んでほしくないというのは、管理者とすれば当然のことです。
このような企業がどんどん増えて、たばこを止める人が増えれば、たばこによる社会問題は減少してゆくでしょう。