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教育・文化論

いままでも折々書いてきましたが、たばこの問題を考えるうえで、教育・文化の問題は欠かせません。
たばこの問題を見ると、その裏には、騙しの文化があり、さらに、利権の文化が見えます。
そこで、ここでは、教育と文化に焦点を当ててすこしずつ書いていきたいと思います。

英語を使わない英語講座(序論)

新記事:2014年12月23日

『小学校から英語教育』とか、『社会人の英会話』とか、なんとも不自然な教育に思えます。
こうした、英語教育論法が蔓延する裏には何か理由があると考えて間違いないでしょう。

そもそも、英語が必要な理由は何か。

  • 英語ができないと仕事がない
  • 就職に有利だから
  • 英語が使えると格好いい
  • 有名大学に進学するため
  • 海外旅行で使いたい
  • 英語でなければ入らない情報が多い
  • 英語が使えると交際範囲が広がる
いろいろ理由はあるでしょうが、こんなところでしょうか?
以上のうち、3番目はさておいて、1番目と2番目は、誘導された価値観に思えます。
そもそも、本当に仕事で英語を使うのか。
経営陣の言語が英語の場合は、已むをえないでしょう。
これは大抵外資の会社の場合です。
では、日本の会社ではどうなのか。
同僚が日本語不自由な人ばっかりだったら、まあしょうがないでしょう。
果たしてそんな会社はあるのでしょうか?
海外との取引が多い場合には英語が必要です。
これは、国内資本の会社であっても同様でしょう。
有名大学に進学するには、確かに英語が得意なほうが有利です。
ただし、会話が必要な場合は限られるでしょう。

海外旅行で使う、というのはどうでしょうか?
ここで自分がそういう人に聞きたいのは、
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど、英語圏にばかり行くのですか?
ということです。
海外旅行の行き先はそればかりではありません。
イタリアやフランスに行くのだったら、イタリア語やフランス語を覚えたほうがよいでしょう。
自分はできない、と決め付けているだけではないでしょうか。
イタリアの田舎とかにいくと、街の人に英語が通じないことは普通にあります。
『どうだ。俺は英語ができるんだぞ!』
なんて思っていたら、それは、相手に対して失礼というものです。
英語ができなくても、現地の人は困らないからできないのです。

その他の、英語で得られる情報については、本当に必要です。
いままでに折々書いてきましたが、例えば石油化学のプロセスについて調べるとか、 そういう場合には、日本語で得られる情報よりも、英語で得られる情報のほうが、 圧倒的に多いです。
そして、英語で得られる情報を使わなければ仕事にならないこともあります。

さらに、英語ができることによって交際範囲は広がります。
自分の例では、たばこの問題とは全く別の趣味を扱うページには、英語の読者もいるので、 そういう人たちとは英語でコミュニケーションをします。

それでも、英語がネイティブではない、ヨーロッパのイギリスでない地域の人では、 そんなに英語が得意でない人もいます。
少しだけできるイタリア語やドイツ語でメールのやりとりをすることもありますが、 不自由なイタリア語でも相手は歓迎してくれます。
このほうがもっとグローバルだよね、と思うのは自分だけでなのでしょうか?

英語が得意ではないイタリアの田舎の例を書きましたが、日本でも同じことは多いでしょう。
それがいけないのでしょうか?

英語ができるほうがよいことに異論はありません。
しかし、英語ができるからといって自慢するようなこととは思えません。
国際化するというのであれば、言語よりもむしろ文化を学ぶべきだと思います。

こうした文化は、英会話学校で教わることもあるのかもしれませんが、 日本語で学ぶことも可能なはずです。

ひとつ、名言を紹介します。
これは、あるドイツ語の先生がおっしゃったことです。

その先生が、これからドイツに留学する学生から、ドイツ語の勉強方法について質問されたときに、 『ドイツ語なんか勉強しなくていいから、これから勉強するものを、 日本語でしっかり勉強しておきなさい

この言葉にすべてが集約されていると思います。

これから、英語を使わずに英語を使ってゆく方法を提案してゆきたいと思います。

英語を使わない英語講座(その2)

新記事:2015年1月31日

英語を使う前に
英語の勉強をして、外国人相手にバリバリ仕事をしたい。
そんな気持ちをお持ちの方も多いでしょう。
私は、英語が得意な訳ではありませんが、英語で仕事をすることもできます。
実際の人々を観察してみると、英語ができても仕事ができない人は見るし、
英語が得意でなくても英語で仕事をやってしまう人も見ます。

では、何が違うのか。

まず、重要なのは中身であるという真実があることです。

例えば、営業の会議をするのであれば、

  • 売上や受注目標が英語側と共有されていること
  • 共通の戦略が共有されていること
  • 英語側と自分側の役割の分担を考えていること
  • 英語側の知らない、自分側の地域の情報を整理してあること
  • 英語側を納得させるだけの地域戦略を持っていること

  • など、こんな内容を理解し、準備して望むことが重要なのであって、
    英語が上手いかどうかは重要ではありません。
    言語表現を最小にした、図やグラフなどを中心としたプレゼンテーション資料を 準備しておくことが重要です。

    大抵の場合、プレゼンテーションを見て、聴いているだけでは、十分な理解はできないので、 英語側はいろいろな質問や提案をしてきます。
    地域固有の情報などは、あまり持っていないのが普通ですから、
    その地域固有の情報や、それに基く戦略を提示できなければ、押付けられて終わります。
    残念ながら、自分側が英語側より強い立場にあることは稀ですから、
    十分に説得できなければ、納得しようができまいが、結論だけを押付けられます。
    逆に、説得できるだけの情報を教えてあげられれば、尊敬の眼差しで見られます。
    自分が当然と思っていることも相手は結構知りません。
    ですから、
    相手と違う自分の戦略を提示する
    その戦略の背景を説明する
    →(英語側)ナルホド!
    というのが、理想的な流れです。

    では、質問を受けたらどうするか。

    続きます。

    英語を使わない英語講座(その3)

    新記事:2015年2月6日

    質問を受けたら
    英語での会議で、外国人から質問を受けたらどのようにするか。
    英語が得意であれば良いでしょうが実際にはそういう人は少ないでしょう。
    外国人の質問に対し、不用意に"YES"などと答えてはいけません。
    まず、何を聞かれたかを理解することが必要です。
    日本語での会議も同じことですが、人によって理解が違うので、 考える前提が違うのが普通です。
    ですから、相手が自分と同じ理解の訳はありません。
    従って、最初にすべきことは、
    『あなたは....が知りたいのですね』
    というように切り返すことが必要です。
    相手の質問意図と違っていてもかまいません。
    通じていなければ、相手も自分の聞き方が悪かったのかと思い、
    別な表現で質問をしなおしてきます。
    理解できれば、
    『...ということですね』
    と確認しましょう。
    そして、相手の表情を窺いながら、少しずつ答えていきます。
    『...ということでよろしいですか』
    と確認しながら進めます。
    まごまごしていても、何を云わんとしているかがわかれば、
    むこうから、補足してくれます。
    『そう。それが云いたかったんだよ!』
    と、感謝の意を示しましょう。
    すごく頭の悪い人が、わざわざ日本にビジネスに来ることは、
    ないでしょうから、相手は大抵知的な人です。
    知的な人は、こちらの表情を見ながら、先読みして自分から言ってくれます。
    こうした、呼吸の妙を体得できれば、英語が苦手でも怖くありません。
    まずは、日本語でちゃんと説明できるだけのスキルを身に付けることのほうが、
    英会話学校にカネを注ぎ込むよりずっと大切なことです。

    役立たぬ、会話のための、英会話...

    くだらない川柳ですが、目的を見失っている人は結構いるのではないでしょうか。

    グローバルスタンダードとは、アメリカ人のまねをすることではないのです。
    目的本位の志向こそがグローバルスタンダードだと考えましょう。

    続きます。


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