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アーカイブ:その他の主張集(1)

このページは、古い記事のアーカイブです。
記事は古くても、普遍的内容もあり、そのまま残します。
オリジナル時点では、HTMLソースの意図しないところに改行が入り、 改行が空白となって見にくくなっていました。
アーカイブとして修正するのに際して、現在と同じCSSファイルを使用して外見を共通にしました。
読みやすさも増したと思います。
一度読まれた方も是非ともお読みください。

このサイトの公開を始めてからいつの間にか10年以上が経過してしまった。
最初は何とか読者を増やそうと頑張っていたのだが、最近は、あまり気にしないようになってしまった。 何故なら他にある立派な主張のサイトのカウンタを見てもこのサイトと大差ないことに気付いたからだ。 しかし、大したことない(といっては失礼だが)サイトでも妙にアクセス数が多いものもある。

このサイトもできるだけ多くの方に読んで頂きたいので、できるだけ頑張って続けたいと思います。

掲示板運営の課題

2004/02/14

昨年の後半に復活した"歩きたばこについて一言云いたい"の掲示板が、再び閉鎖されてしまった。 この掲示板は、筆者にとって、煙草の問題をより強く認識するようになるきっかけとなった掲示板だ。 いろいろなことを教えて頂き感謝している。 ハンドル名を固定する前には、何度か書き込んだことがある。 この記事を読んで頂いている読者の方の中には、思い当たる書き込みもあったかもしれないが、 以前のことなので、よく覚えていないし、ここではその点については言及しないことにする。

"歩きたばこについて一言云いたい"の掲示板は、様々な話題と議論を提供してくれたが、 注目されるようになると、群がる煙草賊に荒されてしまった。 その結果、一旦長期閉鎖に入ることになってしまった。やはり荒し対策にはものすごい量の仕事が必要なのだろう。 こうした成行きを見てきた感想をまとめて書いたのが、下の
荒し行為についてである。

"歩きたばこについて一言云いたい"の掲示板の問題は何だったのだろうか?
一番問題だったのは、注目され過ぎたことだと思う。マスコミなどが注目した結果、読者が多くなり、 煙草の問題の重要さに多くの人が気づいてしまったため、利権者である煙草賊が必死に防戦したのだと思う。 このページ等は全然注目を浴びていないので気楽ではあるが、できれば多くの人に読んで頂き、 一緒に問題を解決していきたいと思う。 既に書いたように本式の掲示板を設けていないのは、荒し対策に自信がないためだ。 このページの伝言板は、あくまでも、読者から筆者、筆者から読者への伝言メッセージの発信が原因であり、 込み入った話は、メールで行ないたいと思う。

電子掲示板は、読者参加型の会議室でもあり、自動的に議事録が作成でき、また、スリルがあって楽しいのだが、 参加者が多ければ、妨害を防ぐのも難しくなってしまう。 例えば、株主総会に総会屋が参加して荒したり、日教組の大会には右翼が押しかける、というのと似ていると思う。

それに対してウェブページ型は、旧来の、出版という形式を、紙の書籍から、電子媒体に移して公開するもので、 読者はじっくり読んで考えることができる。

ところが、電子掲示板では、読者はよく読んで考えるという過程をとばして、すぐに発言してしまいがちになる。 実は、本当に大切なのは、このよく読んで考えるという部分なのだと思う。 他人の発言を読み、それについて、肯定すべき部分と否定すべき部分を考える、 また、その内容が、事実なのか、意見なのか分けて考える、 更には、自分の意見を、まとめて、論説する、といった手法は、古今東西、最も効率の良い学習法なのではないかと思う。

電子掲示板は、コミュニケーションを助ける反面、考えるという過程を無くしているのかもしれない。 だから、筆者は、電子掲示板よりもウェブページの本文を重視してゆきたいと考える。

ここでお知らせです。
読者の方々にもなるべく煙草の問題を提起するウェブページを開かれることをお勧めしたいので、 次のウェブ講座には、"ウェブページを開設しよう(仮題)"をアップロードする予定です。


煙草販売の問題を再考する

2004/02/07

煙草販売の問題についてはいろいろとある。 その中での最重要の問題は、未成年への販売と、ルールを守れない者に対する販売の2点だろう。 前者は、法律的にも禁止されているものであり、れっきとした犯罪行為である。 それなのに、警察当局が取り締まる姿勢を見せないので、実態は、完全な野放しである。 今回はこのような実態を解消する方法について問題点を整理して対策を考えてゆきたい。

まず、最重要な問題として、未成年への煙草販売が野放しになっている点について考える。
実態はどうなっているか分からないが、対面販売の場合、販売店に対して未成年に販売しないよう指導を行っている らしい。 コンビニにでは、"年齢を確認する場合があります"といった但し書きがある。 これが本当に守られているのかはわからない。 実際には自動販売機を併設してあることも多いので、販売店としての問題点を認識しているとは思えない。 そもそも、24時間営業の対面販売の店舗で、自動販売機を設置しているというのは、 未成年に違法に販売しようという以外の目的はないだろう。
いずれにしても、現在のところ、煙草を購入するためには、店頭での現金購入、自動販売機での現金購入が主な手段なので、 これらの問題点と対策を考えれば良いのではないかと思う。

(対面販売での問題)
未成年に対する違法な販売を防止するためには、販売店に対して指導するだけでは効果がない。 これは、煙草のマナー広告が全く役に立っていないのと同じだ。 やはり、違反した場合には、違反して販売した個人の刑事責任を問うとか販売免許を取り消すといった 厳しい罰則が求められるだろう。

(自動販売機で販売する場合の問題)
現在の自動販売機では、年齢の確認はできない。従って、公共の場所にある販売機は、 全て撤去する以外に方法はないだろう。
しかし、全て撤去という、完全で効果的である反面、煙草賊の反発が大きく実施が難しい方法以外に良い方法を思いついた。 これは、景気対策にもなる方法である。

筆者の考え付いた方法は、未成年への煙草の販売を根絶し、自動販売機も有効に活用し、 なおかつ景気対策も併せて行おうというものである。 この方法では自動販売機そのものは規制しないが、現金での煙草販売を禁止し、電子マネーによる決済のみにする。 これは、対面販売でも同様とする。
電子マネーは、JRのスイカのようなカードを使用して、事前に入金しておき、その範囲内でのみ使用できるようにする。
電子マネーへの入金は、役所が代行する。 代行費用は、煙草税を充てるか、または、煙草会社から徴収する。 役所に代行させるのは、未成年がこの電子マネーを購入するのを防止するためである。
また、この電子マネーの譲渡は禁止し、譲渡した側、された側双方に対して罰則を設ける。
実施費用については、全額煙草税を充てる。煙草税で不足する場合は、煙草税の臨時増税を行えば良い。

実は、こういった対策を行うと、未成年への販売が防止できるだけでなく、下記のような効果を期待できる。

  • 電子マネーを決済する装置が必要になるので、IT業界をはじめとして、工業界や商業会に資金が流動する。 煙草販売のように、資金の流れが滞るのではなく、本来の意味での経済効果がある。
  • IT化を促進できる。また、公的な実験として電子マネー化には弾みがつくだろう。
  • 煙草税を事前に徴収できる。つまり、入金時点で徴税しておき、購入時には、 税を含まない額で購入するという方法である。税の取りはぐれが起きない。 また、購入量に応じて累進税率を決めるなど、柔軟な課税ができる。
  • 所得を誤魔化して、課税を逃れている者を発見できる。
  • 各個人の煙草税の納税額を把握できる。 また、よく云われるような"喫煙者は高額納税者だ"という主張の真偽について検証できる。
  • 自動販売機を規制する必要がなくなる。
  • 煙草の消費量を規制できる。すなわち、使用額に上限を設けることで、簡単に消費量をコントロールできるようになる。
  • 不法入国者や不法滞在者を発見できる。但し、喫煙習慣のない不法入国者には効果はない。
  • 煙草のルール違反の罰則に、煙草購入禁止を充てることができる。即ち、暴煙者壊滅のための切り札になる。
  • 喫煙免許制への発展が容易になる。実は、喫煙免許制を実施しておかないと、 将来訴訟によって国や煙草会社が打撃を喰うことになりかねないのである。結局、こうした打撃は全員で負担することになる。
  • 喫煙者の健康状態の監視が可能になる。即ち、健康保険と連動させれば、 自己申告でない正確な喫煙習慣の情報が医療機関に伝わるし、健康被害の証明も簡単になる。 また、健康被害との関連が明らかになれば、臨時で健康保険の不当支出費用を徴収できる。
  • ユーザにとって煙草への無駄な支出を抑えられる。自分の子供の食事代より自分の煙草代が優先する という馬鹿親には効果があるだろう。
このように考えると、煙草の問題点を潰すということは、他にも大きな効果を齎す可能性が出来ることになる。 これをチャンスと見ることができるかどうかでこの国の発展性も決まるかと云っても良いもしれない。

たばこ広告の禁止でどう変わる?

2004/02/01

2004年1月30日に煙草広告規制の報道があった。筆者が"目覚ましテレビ"という番組を見ていたときに報道されたもので、 慌てて読売新聞のサイトを見たら、目立たない記事があった。以下にの記事の概要を示す。


(概要)

  1. 財務省は1/29に、たばこ広告を規制する財務省指針を3月中に改正し、 電車やバスの車内、繁華街の屋外看板など公共性が高い場所でのたばこの広告を全面的に禁止する方針を固めた。
  2. 現在の指針は未成年者を対象としたたばこ広告を禁じているだけだが、これを改正し、場所を特定して広告禁止する。
  3. 業界は電車や地下鉄、バス、タクシーなどの公共交通機関について、車内の中づり広告、駅頭広告、 車体広告などをすべて取りやめる。新聞・雑誌広告も掲載面や掲載量を規制する。
  4. たばこの箱の注意書きについては、2005年7月から、健康への危険性を具体的に示すことが決まっている。
  5. 業界はすでにテレビ、インターネット、少年・女性向け雑誌などへの広告掲載や、街頭での試供品配布を自粛しており、 たばこの広告・宣伝は極めて限られた場所だけになる。
  6. 表示や規制の強化によって、消費者のたばこ離れが進みそうだ。
  7. 今回の決定は、たばこ規制枠組み条約(公衆衛生分野での初の国際条約として、 昨年5月のWHO年次総会で全会一致で採択された。健康の害をたばこに明示することや、 発効から5年以内にたばこの広告を原則として禁じることなどを求めている。)に基くものである。
  8. 電車やバスなどでの広告を今年10月から全面禁止することに加え、自動車レースF1やコンサートなど、 テレビで放映されるイベントから、2006年12月以降、たばこの広告を締め出すことが盛り込まれた。 テレビ中継されるサッカーなどのスポーツイベントでは、ユニホームなどにたばこの広告を付けることもできなくなる。
  9. 財務省は30日、たばこ広告を規制する財務省指針を3月中に改正し、電車やバスの車内、繁華街の屋外看板など 公共性が高い場所 でのたばこの広告を全面的に禁止することを決めた。 これを受けて、たばこ業界は来年度から段階的に公共交通機関での広告を取りやめる。
  10. 指針改正を受け、業界は電車や地下鉄、バス、タクシーなどの公共交通機関について、車内の中づり広告、 駅頭広告、車体広告などをすべて取りやめる。 新聞・雑誌広告も掲載面や掲載量を規制する。
筆者注:
以上の概要は元の記事を纏めたものであり、筆者が勝手にでっち上げた内容ではない。 内容に重複があるのは見苦しく、読者の方から、纏めたほうが良いとの指摘を受けたのだが、 元の記事の趣旨を尊重してなるべく同じ順序で纏めたものである。 1.と9.で日付が違うという指摘を受けているが、これは、1.は方針を固めたのに対し、 9.は、決めたとあり、内容が異っている (MSIMEでは、"異なって"と変換されるが、本来は、"異って"と表記すべきでありそのようにした。 送り仮名は、活用語尾とするのが原則なので、MSIMEの愚かな変換を修正し忘れた場合等を除き、この原則としている。)。 他の部分も、方針を固めたときの説明から、決めた後の説明になっているので、内容は重複しているのだが、微妙には異っている。 読者の方からのご指摘の通り、見にくいのであるが、ニュアンスが変わるのがいやなので、上記は修正しないことにした(2006/09/10)。


(2004/1/30 読売新聞から)


本当は記事をそのまま掲載したかったのであるが、無断転載禁止となっているので、箇条書きに纏めたものである。 WHOの勧告に従ってようやく煙草の広告規制を実施するというものらしい。
財務省の腰は重いようだ。この程度の決定をするのに6ヶ月を要しているのである。 こんなことくらい、WHOの決定を翻訳して部分的に修正すれば終わりのはずである。 しかし、利権者の反発に対して説得していたのだろう。
また、項目の4番目は、何と、WHOの決定から3年2ヶ月先にようやく実施するものである 普通だったら、遅くても翌年から実施だろう。財務省にとっては、国民の健康より、利権者のカネのほうが重要なのである。

因みに、報道によると、雑誌への広告掲載や街頭での試供品配布を自粛しているとのことだが、 筆者が煙草の広告に関する批判文を書いたときに参照した雑誌は、未成年が普通に読むものだし、 街頭での試供品配布も先日どこかで見たばかりだ。 どうも業界の自粛というのは胡散臭い。 また、筆者が、赤色で印をつけた表現からすると、抜け穴が相当あるらしい。実効性の程は怪しいものだ。

では、本論に入る。既に、
煙草広告の謎というコラムで書いたように、 煙草広告には、いろいろな形態があるらしい。 要するに、テレビドラマの中で、俳優に吸わせたり、また、煙草に都合の悪い報道をさせなかったりというといった、 裏の広告等である。 こうした裏の広告は益々増え続けるだろう。
マナー広告と題する、煙草広告が残るとすれば、広告代理店への打撃は少ないかもしれない。 しかし、いずれにしても表の広告から裏の広告へと主流が移ると、煙草マネーは、電通や博報堂などの広告代理店から、 テレビ番組の製作会社へと移動してゆくだろう。 実際にこれがどの程度の変化をもたらすかは分からないが、次のような変化は起こるだろう。

  • 広告代理店は、煙草関係の仕事が減るので、顧客としての煙草会社の重要性が小さくなる。 従って、ニュースなどでの煙草に都合の悪い報道は増えようとする。
  • 煙草会社は、上記に歯止めを掛けるため、広告代理店向けの単価を上昇させる。 煙草の仕事は数が少なくても儲かるという図式ができる。
  • それでも以前のようにマスコミを自在に操るというまでの支出は不自然なのでできなくなる。 従って、番組プロデューサ、アナウンサや番組製作会社を買収するようになる。 テレビ局の重役になっている喫煙者はVIP待遇になる。 テレビ番組や映画での喫煙シーンは増え続ける。
  • 同様に新聞や雑誌の編集者らも買収されるようになる。
  • インターネット上の工作人は益々増える。読売新聞の大手小町のような掲示板では、煙草問題の議論が不可能になる。
  • 結局、広告の禁止だけではあまり効果が無いということになり、米国並みに喫煙シーンを規制するようになる。 しかし、米国の煙草会社の圧力も強いので、これには相当な時間がかかりそうだ。
結局、正しい情報はネットでしか得られないという状態が続くだろう。

問題を感じている方は、是非、自身のウェブページを開いて訴えましょう。

煙草会社のリストラ

2004/01/17

日記に書いたように、JTは、昨年従業員の削減を含む構造改革計画を発表した。そのところで私は、喫煙者の減少などの状況を含めて"良いニュースなので歓 迎したい"と書いたところ、ある読者の方から、伝言板に、このことは、従業員や家族にとって深刻な問題なのに怪しからん、という内容の指摘を頂いた。私に とっ ては、その中の、喫煙率の減少の部分について"良いニュース"だと書いたつもりだったが、文章表現が稚拙だったので、"従業員がクビになってざまあみろ" というように受け取られたのだと思う。
伝言板では、その部分を説明させて頂いたのだが、今後予想され、しかも多くの人に望まれている煙草販売の減少による、(煙草利権者の)社会問題ついては、 本文のところで、既に
提 案を 行っている。この内容を纏めると、

(1) 煙草会社に物理的ダメージを与えて潰すのは良くないので、煙草会社の転業を支援することから始めるべきである。
(2) 煙草の販売数量の縮小計画については、政府と煙草会社についての合意が必要である。また、煙草税によって 煙草会社やその他の利権者のの転業を支援すべきである。
(3)一般消費者は煙草会社の煙草以外の商品については、不買運動をすべきではない。

以上は、煙草の害に苦しみ、現に被害を受けている人から見れば、心情的には甘すぎるのではないかと思われる内容だと思う。

ところで読者の指摘に戻って考えてみる。実は、その指摘について心の中にはずっと何か引っかかりを感じていたのである。 その引っかかった部分とは何かとい うと、煙草会社のリストラと一般の会社のリストラとは何が違うかという疑問である。

1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル景気が去った後は、リストラという言葉が流行語になった。 リストラという用語も実に日本的で、本来は、"restruction=構造改革"なのであるが、人員削減と支出削減だけに焦点をあててしまって、 "リストラ=クビ"という図式が出来上がってしまった。
そしてこの本来の意味ではないリストラが横行し、多くの企業が従業員の削減に走った。 また、同時にバブル期の過剰投資のツケで多くの企業が倒産し、多くの人が職を失った。これが平成大不況である。 例えば、中小企業の他にも、大手証券、銀行、商社、百貨店、建設会社等多数の大企業が倒産したり廃業したりした。 また、これとは別に多くの企業が退職勧告や退職推奨などの形で従業員を解雇(レイオフ)した。 私もリストラブームで会社を去ったうちの一人である。
しかし、銀行が倒産した場合は、不思議と、従業員や家族に同上する声は小さく、 むしろ、当然の報いだとして非難する声が多かったように思う。 また、大手百貨店が経営破綻し、銀行などの債権放棄という更生案が出たときには、その百貨店の不買運動まで起きてしまった (実はこの不買運動の根拠は勘違いだった。 あたかも公的資金を百貨店に注入するかと誤信させるような報道だったので、多くの消費者が怒ってしまったのである)。
このような社会情勢のなかで、煙草会社が従業員を削減することが大問題なのであろうか?これが第一の疑問である。

第2の疑問は、自己責任の問題である。
既述のような倒産や従業員の解雇の際は何れの場合も、結局は自己責任として対処するしかなかった。 そのような会社に就職してしまった責任である。 他に会社は幾らでもあったのに、何の因果でそのような会社に入ったのか、運命として甘受し、自力で切り抜けるしかなかった。 だから煙草会社の人員削減について大きく騒ぎ立てるのは、バランスが悪い。
更に、煙草会社の従業員の自己責任は、他の会社の従業員の自己責任よりも強いはずではないのかという疑問もある。 何故なら、煙草の害について騒がれ、また、煙草の迷惑性について問題視されたのは決してここ数年のことではない。 煙草会社の従業員であるならば、煙草という商品がどれだけ人に苦痛を与え現実に被害を与えていたかは、 入社前から認識していたはずである。 だから、現状で、煙草を"合法的に"製造・販売していたからと云って、それが、社会に強く非難されたり、 売り上げが激減したり、更には、販売できなくなる日が来るであろうことは予見できたはずなのである。 そこを敢えて煙草会社に就職し、その会社の商品によって、他人に苦痛を与えることをよしとする人の責任は 大きいのではないだろうか? こうした自己責任のことを考慮せずに、解雇されて可哀相だと、一般の会社を解雇された従業員と同様に扱ってよいのだろうか?

こんなことを書くと無慈悲だとか非人道的だとか云われるのは分かっている。 しかし、この疑問について敢えて、読者の方のご意見を伺ってみたいと思う。


これを読まれ、思うところのある方は、是非、伝 言板メールにてご意見ください。お待ちしています。

あるレストラン経営者の決断

2003/12/25

禁煙スポットを応援しよう! という新しいコーナーを儲けるようになったきっかけが、 福岡のJANJANさんから頂いたメールだった。
実は、JANJANさんも相当に悩まれた結果、ある事件をきっかけに全面禁煙という決断に踏み切ったのだと云う。 その事件とは、よくありそうな事件だった。 実際に飲食店を経営していて、積極的に客に煙草を吸わせようという意思はないが、 止む無く吸うことを許可しているという方は、経験があるのではないかというものだろう。 また、このページの読者の方は大なり小なりこのような事件を目撃しているのではないかと思う。 頂いたメールの内容は、飲食店の現場から見た煙草の問題がよくわかるものなので、 ご本人の許可を頂いたうえで、このページに掲載することにした。

それでは、以下に実際の文面を読んでみましょう。

(前略)

実は、先日開店5周年を迎えたのですが、
禁煙にしたのは1年半くらい前からです。

私は脱サラでレストランをはじめました。
夢を叶える夢のレストランを開く覚悟で会社を辞め、
やったことのない料理の道へ入ったのですが、
一番の問題は禁煙にするか否かでした。
当初は、どんなお客ものがすまいと喫煙可としていたのですが、
自分自身が大嫌いなタバコをビジネスのために他のお客にも吸わす、
という2面性にとても悩みました。

しかし、妻もお客の吸うタバコで自分の店がいやになり、
また体も壊し、
入店して来たお客がタバコを吸うのか否かが、
本来集中すべき料理やサービスよりも優先課題となってしまいました。

ある日のランチタイム、
若い女性が混雑する店内で「灰皿」というので、
少しためらいましたが、
混雑中であり、隣のお客様は既に食事中なので、
禁煙に協力できないかとお願いしましたが、
昨日までは禁煙ではなかったはずだと断られ、
しかたなく灰皿を渡し、厨房でくやしさをかみ殺していました。
彼女らが帰ったあと、その隣で食事をしていた男性から、
「自分も喫煙者だが、場所をわきまえるのがマナー。
あなたの言ったことは間違っていない。
この店の態度は立派で、気にしないほうがいい。」
どうやら私がいない所で、ずいぶん悪口を言われていたようです。
私はこの男性の言葉に助けられ、
また、喫煙者に「ご協力」とは望むべくも無いと学習し、
その日の夜の営業から全面禁煙にしました。

禁煙店が増えないのにはいろんな理由があります。
それは掲示板に少しずつ書かせていただきます。
それを見て、
日本全国にいる、私のようなタバコの嫌いなレストランオーナーが見て、
また意見を言い、アイデアを出し合う、
ということが、禁煙に踏み切る勇気を与えることとなると確信しています。

(後略)

以上、JANJANさんのメールを読まれた方の感想はいかがでしょうか?
この文章を読まれて、自分も自分の店を禁煙にしよう、 という気持ちになられる方がいらっしゃったら大変嬉しく思います。

煙草会社もやっと気付いた?煙草はやっぱりクサイ‐2

2003/12/9
前回のコラムの更新である。JTがとうとう出してきた。臭くないという煙草である。 この広告を見るために雑誌を1冊買ってしまった。前回と同じ雑誌である。 やはりちょうど真中の見開きのページに例の広告が載っている。


今日も、前回と同じく新幹線の中でこのコラム書いている。 先程通路を挟んだ隣の人が、煙草を吸ってから席に戻ってきた。匂いだけで直ぐに分かる。 大変な悪臭である。すぐ隣でなかったのが幸いだ。

さて、今回の広告は、明らかに前回の続きで、煙草はクサイという世紀の大発見をした煙草会社が、 今度はクサくない煙草を発売したという、その煙草の広告である。 見開きの左側が青色、右側がピンク色で、真中に、左側を向いた顔のイラストがあり、口から、 "もう、たばこくさいなんて、言わせない。"と書いてある。 そしてその台詞の下に、小さい字で、"新開発のフレーバー(特許出願済)がたばこの気になるにおいを抑えます※1" と書いてある。 その※1を読むと、"たばこのにおいの強弱をプライムは当社は85mmレギュラーとルーシアは当社100mmメンソールと比較。"と、 書いてある。 老眼の人はとても読めない位小さな字である。 さて、上記の※1の説明が理解できた方はいらっしゃるだろうか? 筆者は、何のことかさっぱり理解できなかった。 そもそも日本語になっているのだろうか? しかし、良く読むと、どうやらプライムというのは、東京都限定発売の、マイルドセブン・プライムという製品であるらしい。 そして、ルーシアは、ルーシア・シトラスフレッシュ・メンソールという製品らしい。 但し、これらを何とどんな基準で比較したのかは書いていない。 だから、冒頭の、"もうたばこくさいなんて言わせない(85mmレギュラーとかで分かる人は居るのだろうか? 比較用の標準煙草があるのだろうか?)。"ということに対する説明にはなっていないのだ。 単なるイメージ戦略だろう。

もう少し詳細に説明すると、ページの右側には、2つの商品が載っている。 1つは、東京都限定発売のマイルドセブン・プライム スーパーライト・ボックス6mg/300円というもので、 もう1つは、シトラスメンソール※2 ルーシア シトラスフレッシュ メンソール5mg/300円というものである。 そして、大きな字で、"NEW SMOKINGにおいを気にせず、楽しめる。新しいスタイルのたばこ、JTから新登場 WAY"と書いてある。 また、虫眼鏡が無いと読めないような小さな字で、"※2 柑橘系果実に含まれる香り成分を合成調合して使用 (天然果汁・天然香料入りではありません)。"と書いてある。 また、これよりは大きいが小さな字で、マイルドセブン・プライム・スーパーライト・ボックス  タール6mg ニコチン 0.4mg ルーシア・シトラスフラッシュ・メンソール タール 5mgニコチン 0.3mgと書いてある。
そして、ご多分に漏れず、"あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう  未成年の喫煙は禁じられています"と、一番下の白地に書いてある。

この広告には、JTの戦略分かりやすく書いてある。 まず、第一に、においを抑えたというのは、吸っている(即ち発煙させている)本人だけのためだったのである。 それは、前記の、"においを気にせず、楽しめる。 新しいスタイルのたばこ、"という部分から明らかである。 前回の広告で、"煙草はクサイので皆様にご迷惑をお掛けしています" という誤解を抱いたのは全くの見当違いだったのである。 他人の迷惑など顧みず、売れればいいのだというこの会社の姿勢がこの広告にはっきりと現れている。

つまり、これは、単なるイメージ戦略であったのである。これは、幼稚でずるいやり方である。 何故なら、煙草がくさいかどうかの見解を避けている。前回の予告広告で煙草がクサイと言っておきながら、 それに対して、今回販売した製品について、どうしてそれが臭くないと云えるのかについては全く言及していない。 それが臭くないというなら、根拠を示すのが当然であるし、従来の、クサイ煙草の販売の有無を論じるべきである。 その会社の製品を、自称臭くない製品に統一すれば、臭くないかどうかが分かる。はっきり書いていないことから想像すると、 従来煙草と五十歩百歩のレベルなのだろう。
ユーザーから、"クサイじゃないか"と抗議されれば、"人の感覚には個人差がありますので..."等と、 言い逃れすることはできる。 それにしても、煙草ユーザーは、この会社に不信感を抱かないのだろうか?

そもそも、煙草ユーザーは、ごみ焼却場のダイオキシンで大騒ぎするくせに、 それよりはるかに高濃度のダイオキシンを発している煙草の使用を中止しない不思議な人々である。 知らないのかもしれないが、もうちょっと何とかならないものか? こうした、消費者への情報が隠蔽されているのは、行政の不作為による不法行為であろう。

悪を演出する煙草

2003/11/02
最近、悪を演出するのに煙草を用いている例を幾つか見た。 改めて、煙草の悪いイメージを感じたのでその旨書いてみたい。

まず、最初は、演出という訳ではないが、先月末に、広島県で、米兵が狙撃された事件である。 テレビのニュースを見ていたら、現場の映像が、道路上の何かを映していた。 最初は拳銃の薬莢かなと思っていたが、よく見たらそれは煙草の吸殻だった。 多分犯人が吸っていたものなのだろうが、その映像についてはなにも説明が無かった。 何も説明しないところが、犯罪者の喫煙率が高いであろうことをにおわせるものだと感じた。

次は、テレビの番組で、行列のできる法律事務所というようなものだった。 内容は、妻が浮気したので離婚する調停の際に、子供の親権を取りたいが、 妻が泣いて演技をしたために、皆騙されて親権を妻に取られたというものだった。 夫が気付いたのは、調停の成立後に、妻が男に煙草をふかしながら電話していたのを目撃したためだった。 (相談内容は調停をやり直せるかというものだったが、結論は不可能ということであった。)
その例で妻が喫煙者であったかどうかは不明だが、その妻に煙草を吸わせたのは、 テレビの視聴者に憎たらしさを演出するためだったことは想像に難くない。

そしてこれもテレビの報道番組の特集で、外国人犯罪組織の活動を紹介するものであった。 取り上げられたのは中国人の窃盗団で、通帳を盗み出し、それを引きおろす手口を紹介していた。 その中で、別の犯行に加わったという中国人は、インタビューの際にご多分に漏れず煙草を吸っていた。 また、番組のイメージビデオでもやはり全員が煙草を吸っていた。

こうやって改めて見ていると、喫煙者は気付かないであろうが (煙草を吸うということが彼らにとって特別な行為ではないので)、 煙草というのは常にアングラな雰囲気を演出している。 マスコミも、煙草の害や、禁煙に関する国際条約など煙草販売に影響を与える事実は殆ど報道しないのに、 犯罪の報道をするときは、いつも煙草を吸わせている。 やはり喫煙者は鈍感で気付かないのだろうか?どうも不思議な気がする。

自分が考えるには、窃盗犯にとって煙草を吸うというのは、"職業"上不利だということだ。 喫煙者は、煙草の分だけ現場に証拠を残しやすく、ばれやすいと云える。例えば 非喫煙者の宅に喫煙者の窃盗犯が入れば匂いで分かってしまう。だから、 "真面目"な泥棒は煙草等吸わないに決まっているのである。 それなのに、テレビ番組で演出する悪者は必ずと言っていいほど煙草を吸う。

余談だが、ゴルゴ13という漫画の主人公はいつも煙草を吸っている。 健康には細心の注意を払い現場には証拠を残さないことを要求される暗殺者なのに煙草を吸うとはちょっと考えられない。 煙草を吸えばそれだけ無駄な動きが増え隙が増えるのでそんなに用心深い人物が煙草など吸うわけがない。 ちなみに、ゴルゴ13は、典型的な迷惑喫煙者で、どこでもかしこでも禁煙のタクシー内でも煙草を吸うのである。 多分作者も相当な中毒者なのだろう。

やはり煙草は矛盾だらけだ。 人々がそれに気付かないとすれば、世の七不思議の一つに入れられるだろう。

有楽町の国際フォーラムはひどかった

2003/10/11
昨日、東京有楽町にある国際フォーラムの催し物に行ってきた。 催し物は、インターナショナルオーディオショーであった。 自分はオーディオマニアというわけではないのだが、 テレビでおなじみの小倉智昭氏ががオーディオ評論家の菅野沖彦氏と対談するトークショーがあったので 何となく興味がそそられたのである。 小倉氏は、何ヶ月か前にテレビで禁煙宣言をしたので、ちょっと気になる存在であった。 禁煙宣言する前はちょっとアクが強くてあまり好きになれないタイプだった。 フジテレビのとくダネのスタッフから見てもちょっと煙たい存在だったようで、彼が風邪で休んだときは、 他のスタッフが生きいきとしている様子がよく分かった。 その後禁煙宣言し、その後は何となくクセがとれてきたように感じる。 彼が禁煙を破ったかどうかは分からないが、今でも禁煙していると信じたい。
肝心の対談のほうは、結局、話上手の菅野氏の一人舞台で、小倉氏は自分の無力さを感じていたようだ。 話の内容は面白かったが、ここでの話題とは関係ないので省略する。

このオーディオショーで参ったのは煙害である。国際フォーラムは相当な容積があり、 小さくないビル1個分位の吹き抜けがある。 そこが全面ガラス張りになっていてちょっと凝った構造である。流石にバブル期に大金を投じて作っただけのことはある。 そんな大きな空間なのだが、そこに煙草の煙が充満してしまったのである。
この建物は、公共的なものなので、1階には目立つ喫煙所はなく、ところどころに"健康増進法"の名称も表示されている。 ところが、会議室のある上階には、排気のある喫煙所がなく、各階の廊下の両端に灰皿が置かれている。 問題はたったこれだけの喫煙所から出る煙である。 会議室は2階から6階までのフロアにあるので、問題の部分の喫煙所はたったの10箇所である。 このたったの10箇所の喫煙所から出る煙だけで、この広い空間がこんなにも汚染されてしまうのかというのは改めて驚きだった。 下の主張で紹介した、交通量の多い高速道路の6倍というのは相当に控えめな数字なのだと思う。

昔から、"馬鹿と煙は高いところがすき"というように煙は高いところに昇る。 ところが、出てゆくところがないと、高いところから順に煙が充満してしまうのである。 正確には多少の排気は行っているのだろうが、たったこれだけの喫煙所から出る煙の排気でも追いついていかないのである。 信じられない方は一度、同フォーラムに行ってG会議室の前の廊下に出てみて欲しい。 煙草による汚染のひどさが分かると思う。 煙草の存在自体が社会にとって害悪であるという証拠なのだということが理解して頂けるだろう。

また、各オーディオメーカーが展示している会議室に入ると、空調自体に煙草のニオイが染み込んでいたりした。 こんなところで国際フォーラムを行うのは、まさに日本の恥を国際的にさらしていることである。 同ウェブサイトから抗議の意見を送ったのは言うまでもない。

煙草の害について‐外国のページから

2003/10/05
煙草の問題については、やはり基本に返らなければいけないのだと、常々思っている。 基本は何かというと、やはりそれが害毒であるというとだ。 害毒があるからこそ問題なのであって、不快だとか臭いというのは、その次の問題なのだと思う。 下に記したJTのコマーシャルは、煙草の害毒について何も言及せずに、煙草が臭いことを発見したという、 それが世紀の大発見であるかのような御目出度いCMを平気で流し続けている。 そして、そういう愚かな会社の製品に疑問を持たずに商品を購入し、支持をしてきている人がたくさんいるのが現実だ。 何か社会全体が愚かな感じがしてしょうがない。煙草という商品に対して第一被害者で あるユーザ自身は何か言うことはないのだろうか?

さて、今回紹介するのは、受動喫煙の害についてまとめてある、米国コロラド州のボウルダカウンティ (日本語の表記はよく分かりません)の公共団体の情報である。 The Alliance of Boulder County on Tobacco and Healthという団体のページであり、 この団体はコロラド州にあるCountyという行政区画にある組織らしい。 Countyというのは、日本では聞きなれない行政区画で、郡と訳されたりもするが、 日本の郡は、行政区画になっていないのに対して、Countyは行政区画になっているので、誤訳だと思う。 筆者はあまり詳しくはないが、経験からすると、Countyは、cityやtownのまとまりであるが、 city等を監督する省庁でもないようだ。 また、cityの中にcountyの境界線があったりするところもあって、どうもよく分からない。 因みに日本の県も、prefectureとか訳されたりするが、米国では全く通じないので注意が必要だ。 米国にはprefecture等という行政区画はないので知らなくて当然のことだろう。
話が逸れたが、ここで紹介するのは、そこの公的な情報である。 受動喫煙の害について上手に纏めてあるので、資料としては素晴らしいと思う。 以下に重点を纏める。

http://bcn.boulder.co.us/community/abct/abcttmgt.htm
The Alliance of Boulder County on Tobacco and Health
Tobacco Management Information Messagesから
(原文は英語です)

"Secondhand Smoke Stinks!"『受動喫煙は怪しからん!』

  • 喫煙している室内の汚染は、 交通量の多い高速道路の6倍にまで汚染されている。
  • 喫煙している環境で働いている従業員は、 8時間の就労中に受動喫煙によって、 煙草2箱分の煙を吸う
  • コロラド州では大人の77%は煙草を吸わない
  • 受動喫煙に晒されている人はstroke(発作、脳卒中等)を煩う危険性が82%増大する。
  • 禁煙席では、受動喫煙を防止することができない。 煙は、喫煙席だけに留まるものではない。
  • 非喫煙者の受動喫煙は肺癌と心臓発作を引き起こし得る。
  • 受動喫煙環境の空気が引き起こす肺癌の危険は、法令で許容されている程度の汚染の空気の 30倍である。
  • 受動する煙草の煙に含まれる4,000以上の化学物質には、 塗料の溶剤や便所洗剤に含まれる化学物質も含まれる。
  • 受動する煙草の煙に含まれる4,000以上の化学物質には、 鼠駆除用の化学物質 やライターの燃料になる化学物質も含まれる。
  • 受動喫煙によって、コロラドでは毎年500人が殺されていると見積もられている。
  • 受動喫煙は癌の原因であることが知られている。 この暴露には安全という水準はない
  • 受動喫煙による死はUSにおいては、予防できる死亡原因3番目のものであり、 毎年53,000人の非喫煙者を殺している。
  • 喫煙環境は、呼吸障害者のアクセスを否定している
  • 喫煙を許容している職場では常習欠勤が多い


注:赤色はもとからあったものではなく、 Smoke Stinksが付けた強調印です。

筆者が何故このページを見つけたかは、説明する必要がないと思う。 しかし、このページはよく纏まっている。 米国の一つの州のまたその下部組織のものであっても、公的な情報として注目に値する。 喫煙率がたった23%の州で毎年500人が受動喫煙で殺されているという。 コロラド州の人口はおよそ4,500,000人なので、9,000人につき年間1人が受動喫煙で殺されていることになる。 喫煙率が高く、人口密度が高く、しかも喫煙が野放しになっている日本ではどの程度の人が殺されているのだろうか? 日本の交通事故死者が年間1万数千人だから、これをはるかに上回っていることは容易に想像できる。 年間たったの2,000人(桁は間違っていません)程度の殺人事件で大騒ぎするのに、 どうして、組織的に人を殺している政府や煙草会社には甘いのだろうか? 殺された人々は、何の責任もなくただ殺されているのだ。
能動喫煙者の死亡を含めると政府と煙草会社は一体何人殺しているのか、腹立たしい限りである。

今回紹介した枠中の情報で、注目したのが最後の部分だ。簡単に云うと、喫煙者はサボリが多いのである。 これも煙草の非経済効果についての公的な証言であることは間違いない。

煙草は、人を殺し、生産性を下げるという事実がここにも公示されている。

煙草会社もやっと気付いた?煙草はやっぱりクサイ

2003/09/27
煙草会社が最近妙なコマーシャルを始めた。テレビでも目にするし、電車の吊り広告や雑誌にも良く出ている。非常に違和感のある広告なのだ。い ま、ここに雑誌が1冊ある。その中の調度真中のページの見開きがその広告である。

その広告は、先ず、
        "たばこを愉しむ、あなたのために。
        たばこを吸わない、あなたのために。"
と始まっている。見開きの左側は、ピノキオばりの鼻をした男性が、グラスのなかの煙を嗅いでいる写真である。そして、その鼻からの吹き出しの中に、

発見。
たばこの煙は
よい香りといやなニオイで
できていた。
と書いてある。このページを読んでいる方は、"今ごろいやなニオイを発見したのか?アホか?"と
思うに違いない。私など、自分のハンドル名が、"Smoke Stinks=たばこはクサイ"である。 しかし、良く見ると結構巧妙な感じもする。 巧妙なのは、"よい香り"という部分だ。 あまりの悪臭にマスクされていて感知できないが、"ひょっとしたら、良い香りもあるのだろうか?" と興味を抱かせる狙いもあるのだろうか。

本文を要約すると、上記の枠の中の記述は新しい発見で、これは凄い成果であり、 今後は、その嫌なニオイを抑えるのが目標だということである。
そして最後は、"ニオイをサイエンスする"と締めくくってある。

あまりに幼稚な"発見なので、"この内容を論評するのは簡単であるが、それでは意味が無いので、 このような手に撃って出た煙草会社の本音を探ってみたい。

このような作戦をとった経緯はなんだったのだろうか?随分捨て身な印象も受ける。 なぜなら、このような広告を出すと、"なんだ、煙草がクサイって知ってたんじゃないのか"とか、 "とうとう煙草会社も自らの商品の迷惑性を認めたのか"マイナスの印象を与える可能性が高い。 それを敢えてこのような手段に出たのには、止むに止まれぬ事情があったのではないか、と考えられる。 止むに止まれぬ事情というのは、消費者の煙草のニオイにたいする拒否反応が増加してきたということである。 その裏付としては、JT自身が公表した、年間500億本の販売減という営業見込みがある。 500億本というのは、25億箱に相当し、喫煙者の平均消費本数を20本/日とすると、 1年間に約685万人の喫煙者が死ぬか止めるか(或いは他社の商品に切り替えるかという可能性もあるが、 よく分からない)に相当する。 これは、煙草離れが進んできたことを意味する。 煙草会社は、それが、たとえ社会的な利益に反するとしても、自らの利益のために、販売促進をしたいのである。 だから、顧客が減ってしまうことに歯止めをかけたいのだと想像する。
では、煙草離れが進んでいる原因は何なのか?いろいろあるとは思うが、一番は臭いだろう。 自分の場合は、煙草の毒煙に暴露すると胸が苦しくなるが、非喫煙者であっても、 煙草の煙を我慢できる人は多いのだという。 こうした、耐毒煙性の強い非喫煙者で、喫煙者に対して甘い人々の存在が、 煙草問題の解決を遅らせているのだが、それは、さておいて、そのような人でも、やはり煙草はクサイのだと思う。 それに、喫煙者でも煙草がクサイので、旅をするときには禁煙車両に乗るという人が結構居る。 こういう喫煙者は、煙草会社にとっては、いつ顧客でなくなってもおかしくない人々だ。 だから、煙草会社は、先ずこのような顧客と耐毒煙性の強い非喫煙者をターゲットにしたのだと思う。 

しかし、このような戦略が成功するには、煙草会社には、未だ、重要な課題が残っている。 それは、そのイヤなニオイを無くすことである。これができないと、作戦そのものが失敗に終わる。
では、そこまでできたとして、それならば、彼らの作戦は成功するのだろうか?筆者はそれには懐疑的である。 何故なら、彼らの言う良い香りが、本当にそうなのかどうかが疑問だからである。 例えば、香水は良い香りのはずである。しかし、きつい香りは多くの人々にとってそれは悪臭でもある。 だから、香水をきつく付けている人はそう多くは無い。 同様に、煙草の"良い香り"も多くの人々にとって悪臭である可能性が強い。 従って、いずれにしても、"タバコはクサイ"という事実は変わらないのではないかと思っている。

また、彼らが未だに手をつけていないのが、煙草の毒性除去対策である。 かれらが、将来に亘って煙草の販売を続けられるようにするためには、まだ、以下のことを克服しなければならない。
(1) 毒性を無くすこと
(2) 煙を無くすこと
(3) ニオイを無くすこと
(4) 火を無くすこと
(5) ポイ捨てするものを無くすこと

これを全部克服したらもうそれは煙草ではない?
まあ、こういう商品だったら敢えて否定する必用もなくなり、目出度くこのページも閉鎖できる。

都合の悪いことを隠す煙草会社

2003/09/19記
2003/09/21追記
何の気なしに改めて日本たばこ産業のウェブサイトにあるページを読んでみた。 この会社のページは、資料として使ってきたのだが、今日は、中にある主張の部分を読んでみた。 読んでみると、よくこれだけ中身のないことを書けるなと変に感心させられる内容だった。 必ずしも嘘と断言できるものではないが、喫煙者を誤解させるものであり、なおかつ、 騙されたと文句を云われたときの言い訳も埋め込んであるものなのである。 これと良く似たものといえば詐欺商法や、高利貸しの広告類だろう。

具体例を幾つか挙げてみる。

たとえば、下記に"喫煙の社会コスト"という主張がある。
http://www.jti.co.jp/JTI/tobacco/positions/social_costs.html
こんなくだらない主張にリンクを貼るために許可を得るのも馬鹿らしいし、 リンク元を探られるのも嫌なので、上記にはリンクは付けていない。 興味のある方は、上記のURLをコピー&ペイストしてお読みください。
では、この主張のどこがおかしいのか、筆者の考えを述べる。
以下は、一部抜粋である。

http://www.jti.co.jp/JTI/tobacco/positions/social_costs.html からの引用

喫煙の社会コストを推計した研究報告は日本・海外を含め多数あります。 それらはそれぞれ異なった計算前提や仮定に基づいており、したがって推計結果もまちまちです。 明らかに非合理的だと思われる仮定にもとづいた推計も見られます。

喫煙者について非喫煙者よりも多くの一人当たり医療費がかかっているかどうかについては、 客観的な裏付けがあり広く合意された結論は未だ無いものと考えています。 喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告も複数あります。

この部分を読んだ読者はどう思うだろうか?
"それなら、あんたたち煙草会社の試算はどうなんだ?" と考えるに違いない。
しかし、どこを読んでもその答えは出ていない。 そして最後に、

"たばこにのみ責を帰したり、あるいはたばこの寄与度を過大に評価したりすることがあれば、 不適当であるものと考えています。"

と締めくくっている。賢明な読者は、最後の結論の部分に、実は、本音が込められていることに気付いただろう。 それは、"ことがあれ"という部分である。 すなわち、そのような過大な表現があることは言い切っていないのである。 このことは、煙草会社自らが、煙草の責任を認識していながら、 いかにも各種報告が誤っていると云っているように、読者に誤解させているのである。 この煙草会社の主張は、煙草に否定的な各種の報告が誤りとは言えないということを 表現を変えて云っているのに過ぎない。
各種の煙草による社会コストの試算を本当に否定することができるのであれば、 まず、自らの正しい試算を示すことができる訳であるし、また、最後の結論は、 "各種の試算は誤っています"と断言すれば良いのである。

また、"喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告も複数あります。 "ということを、この会社の主張としたいのであれば、その内容についても書かなければならない。
このページの読者はもう気付いておられるであろうが、"医療費に差は無いという報告"は、 煙草病によって早死した人を含めると、死人にかからない医療費の分が浮くというものであろう。 外国の煙草会社だったと思うが、煙草は高齢化を食い止め、社会保障コストを削減しているという主張を読んだことがある。 JTのページに医療費に差がないという報告の詳細が出ていないということは、このような理由によるものだろう。 まさか、"煙草によって、早死にする人が増えると、医療費の支出が減る" などという本当のことは書けないだろう。 このような理由以外での"喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告"があれば是非読んでみたい。

ある程度常識的に物事を考えられる人間は、こういった、騙しには気付くであろうが、既に述べたように、 多くの喫煙者は全て自分に都合の良い方向に解釈する癖があるので、騙されてしまうのである。


次に、動物実験についての騙しについて述べる。
以下も同じ会社のページからの引用である。

http://www.jti.co.jp/JTI/tobacco/positions/smoking_and_health.html から

動物実験において、たばこのタール(数千本〜数万本相当)をマウスの皮膚に直接塗布すると、 がんが発生することが確認されていますが、たばこ煙のみを吸入させる方法により、 がんを発生させることは困難です。

この引用の中の最後の部分に注目して欲しい。 "たばこ煙のみを吸入させる方法により、がんを発生させることは困難です。"と書いてあるのだが、 この会社の研究者は、マウスの寿命をご存知ないのだろうか? そんな実験したところで、癌が発生する前に死ぬことは明らかなのである。 煙の濃度を上げて加速試験を行おうものなら、窒息や一酸化炭素中毒など別な要因で死んでしまう。 こうして別な要因で殺しておけば、癌を発生させないことができるので、"たばこ煙のみを吸入させる方法により、 がんを発生させることは困難です"という表現は嘘ではない。 同社のページには何も書いていないが、恐らく実験では何匹も殺したのだろう。

また、前半の部分は、如何にも、常識ではあり得ないような多量のタールによってしか、 癌は発生しないと誤解される書き方をしているが、これも、都合の悪い部分を隠して書いているものである。 どのような点が隠されているかというと、先ず、第一に、 通常の量のタールでは、発癌しないとは書いていない ことである。上記のように 普通の分量では問題が無いかのような誤解を誘発する書き方をしているのである。

また、(数千本〜数万本相当)という書き方も、真相を闇に隠す書き方である。 これを読んだ人は、数千本の煙草のタールを抽出して、それを全てマウスの皮膚から吸収するまで擦り込んだ と解釈するだろう。このように解釈させるのが書き手の狙いである。
しかし、筆者はこの(数千本〜数万本相当)という表記を読んで次のように想像した。
  • 煙草1本あたりのタール量は、この煙草会社が採用している測定方式で、 表示している量であり、現実の値よりずっと少ない値である。 しかも、主流煙の中に含まれるタールだけを使用するので、 実際に煙草に含まれるタールの数十分の一から数百分の1だろう。
  • マウスの体重を人間の体重と比較して場合の等価本数を定義して使用している。 マウスの体重が50グラムだとすると、人間の体重の1000分の1以下だから、 数千本というのは、数本ということになる。 数千というのは1千を含むと解釈できるから多分1本だろう。 上記の解釈と併せると、実際には、100分の1本位だろう。
このように読むと、JTの記述は、通常有り得ないような多量のタールではなく、 普通に消費している程度の煙草の量でマウスには発ガンが見られたというように読むことも可能なのである。 また既に記述したように、JTのページには、 通常の量のタールでは、発癌しないとは書いていないことからも、この理解には妥当性があると言って良い。 このような解釈は十分可能なのだが、 実際のことは同社のページ中に書いていないので分からない。 そもそも、マウスの寿命の中で発癌したというのは、相当な速度で発癌したことになる。 このスピードが人体と比較するとどのくらいなのかは情報として与えるべきなのである。 必用な情報を与えずに、 あたかも害が無いかのような誤解を誘発しているだけなのである。


興味のある方は、同社の主張を詳しく読んで頂ければ分かるが、全てこの調子である。 面白いのは、肺癌のリスクについての主張が、
統計情報の評価-1 データに基いた数式モデルの最後のところに書いたコラムで指摘した 幼稚な騙しのテクニックがそのまま書いてあったところである。

こういったことが、もっと広く伝えられるようになり、だまされた人が煙草会社を訴えるようになると、 煙草会社はこう言うだろう。『 煙草に害が無いとはどこにも書いていない。勘違いするほうが悪い。』と。

このページを読んでいる方には、こういった騙しは通用しない方々だろう。 しかし、騙される人なら殺して構わないなどということは、絶対にあってはならない。

日本医師会の今度のCMは最高!

2003/09/01記
日本医師会では以前より煙草を止めましょうというコマーシャルをしている。 今度の新しいコマーシャルはテレビでは見たことはないが、同会のウェブサイトで見ることができた。 これは、傑作である。 どのように素晴らしいかは、一言では言い表せないので、以下に実際のCMの内容と筆者のコメントを示す。

日本医師会のCM内容
Smoke Stinksの意見
(情景)
2人の女性がレストランらしきところに一緒に居る。
そこで、一人が"あ、たばこ吸ってもいい?"と当然のように聞く。
するともう一人は、困った顔をしてためらいながら、"う、うん、どうぞどうぞ"と答える。
聞いたほうは、もう煙草を咥えている。

そこに、アコーディオンを弾きながら、テディベアが登場し、次のように言う。

<セリフ>
"ほんとうはね、..."
<歌>
"あなたのけむりはすいたくな〜い
あなたのすうのもみたくはない"

そこで、さらに追い討ちをかける。

<セリフ>
"だってたばこはまわりのみんなの体にも悪いってお医者様が言ってたもん。"
<歌>
"だ〜から〜、吸ってもいいよといえません!"

このように言いながら、テディベアが灰皿に足を突っ込む。煙草を咥えた女性の表情が面白い。

(アナウンス)
最後に男の人の声で、
"煙草を止めましょう。日本医師会"
と言って締めくくる。

煙草を吸おうとした女性は吸い掛けたのを止めて、 煙草をテーブルにどさっと置く。
この情景はよくある構図だ。喫煙者が混じっていると、 大抵は、このように、煙草を吸おうとする。

吸ってもいいかと聞かれても、お付き合い上ばっさり断ることはしにくい。 そんな非喫煙者の心情がよく表れている。 だから、ためらいながら、どもったりして答えるのである。
しかし、喫煙者は、聞いたときには既に、煙草を吸う体制に入っているのである。 (このあたりの喫煙者の心情は、このページにある"正しい愛煙家は嫌われる" というコラムに書いているのと全く同じなので参照してください。)

ここで、可愛いテディベアが登場。このテディベアは、子供を代弁しているものと思う。 本当の子供を出してしまったらこんなにインパクトはないだろう。

そして、煙草が悪いという理由として"お医者様"を登場させる。 日本医師会だからお医者様を出しただけかもしれないが、このインパクトも大きい。 何故なら、医者は健康管理の最高の権威だからだ。これが、弁護士や学校の先生だったら説得力が減ってしまう。

そして、"吸ってもいいよと言えません!"とぴしゃりと締めくくる。 空気は喫煙者のものではないのだから。このように、健康管理の最高権威が言い切ってしまうのだ。 これ以上のインパクトはない。

そして、駄目押しに、テディベアが可愛い足を灰皿に突っ込んで塞ぐ。 これは、勝手に灰皿など置くな、と施設管理者に警告を発しているものなのだ。

言いたくても、なかなか言えないそんな気持ちを短時間に表現してしまった。 しかも、インパクトが強い。

筆者は残念ながら未だ、このCMをテレビでは見たことがない。 是非、夕食時にも、夜間のニュース時にも放送してほしいものだ。

さすが日本医師会。だてに難しい勉強をやってきたわけではない。

秋葉原禁煙事情

2003/08/30記

2002年の秋から千代田区の生活環境条例が施行されたお蔭で、奇麗な街に変わりつつあるのが秋葉原だ。 以前は新宿、池袋や上野と同じく汚らしい街だった。 通過するだけで身体中に嫌な臭いが染み着いてしまう程だった。 それが、現在は見事に変わりつつあるのだ。この変わりようには筆者も驚いている。

秋葉原と云えば世界に名を轟かせる電気街だ。子供のころは、町中に溢れるテレビや冷蔵庫等を見て、 買い占めてみたいと思ったものだ。 1990年代半ば頃から、家電製品の主流がパソコンに変わってきた。 今でもテレビや冷蔵庫などはたくさんあるが、やはり主流はパソコンで、 特にその中の主流はパソコン部品である。"
HTML文書を書こう" というウェブ講座を読んで頂いた方はご存知の通り、筆者はパソコンが趣味のようなものである。 かつてはコンピュータが大嫌いだったが、苦手を克服するために、秋葉原でパーツ買いを繰り返してゆくうちに、 本当に趣味になってしまった。 前置きが長いのだが、実は、秋葉原の主流がパソコンパーツになったことが、 秋葉原のクリーン化に貢献していると考えているのである。

読者の方は、"煙草が無くなる日" に続いてとんでもない発想だと呆れられているのではないかと思う。しかし、これにも根拠がある。

先ずは、ユーザー側の変化について考察する。
パソコンをパーツで買い、それを組み合わせるには結構な知識が必要である。 今はオペレーティングシステムが進化したので以前よりは随分簡単になったが、 その代わりに規格がやたらと多くなり、もうついて行けないという人も多いのではないだろうか。 このように、パソコンパーツと格闘するには忍耐も必要である。 パソコンは正直なもので、正しく組み立て、正しく設定してやらないと意図通りに動かない。 だから、基板のジャンパーを何度もチェックしたり、メモリーの接触面を確認して掃除したり、 これだけでも結構な作業である。 更に、オペレーティングシステムのセットアップは尚大変で、 設定を少しずつ変更しながら何度も再起動なんていうことは、しばしばある。 くわえたばこで、腕組しながらのんびりやるなどということはあまり考えられない。 また、余程広い家に住んでいる人は別として、パソコンの組み立てには結構なスペースを使うので、 そこに更に灰皿を置くというのも危険極まりない。 それに、もともとパソコンは煙草が苦手であり、場合によってはハードディスクが 煙草の煙一発で逝ってしまうこともあるそうだ。 だから、パソコンを趣味とする人の多くは喫煙者ではないと考えるのである。

次に、販売者側について考える。
パーツの販売は、決して楽ではない。 客は様々な質問をぶつけてくるし、短時間でたくさん捌かなければ、店の利益が全く上がらない 薄利多売の商品なのである。 特に、パーツを余らせると、ジャンク値段でダンピングしなければ、不良在庫の山になってしまう。 だから、お客に短時間で購入意欲を抱かせ、また、間違いのないものを売らなければ、クレームの波が返ってくる。 パソコンショップの販売員は、阿呆ではできない難しい仕事なのである。
だから、販売員には、煙草を吸っている暇などない。 多分採用面接の段階で、喫煙者は跳ねられているのではないかと思う。 実際に、煙草臭い販売員には滅多にお目にかからないのである。 そして大抵の販売員は、ちょっとしたことでも嫌な顔をせず、てきぱきと処理してくれる。 いろいろなお店には顔を出すのだが、煙草臭い販売員に出会った記憶は1回だけである。 彼は、だらだらと仕事をしており、私の質問にも嫌そうに答えていた。 しかも、その答えは全く役に立たないものであった。

更に、秋葉原の販売点の特徴は、喫煙所が少ないということである。 パソコンパーツを販売しているお店には、殆んど喫煙所がない。 煙草会社のために費用をかけて煙草対策するような無駄金はないのだろう。 具体例を上げると、LAOXでは、コンピューター館、アキバシティのどちらにも喫煙所を設置していない。 見事なコスト管理である。中は整理されており非常に買いやすいし、店員の対応も丁寧だ。 恐らく従業員の喫煙率は、ゼロに近いと思う。 このような状況で喫煙常習者が勤務するのは無理だからである。 アキバシティの中に軽食をするコーナーがあるが、ここも当然禁煙なので、 秋葉原のLAOXのどこに行っても清潔である。 (2006/09/30注:現在は、ディスカウントショップに変わってしまいました。残念です。)

パソコンパーツ以外の、腐った装置の部品を外して売っているような、 怪しげな店のおっさんらは大抵煙草を吸っている。 彼らは、目を見ただけで既に堅気でない様相を漂わせているので、 私もよほどのことがない限りそのような店には近寄らない。 また、洗濯機や冷蔵庫のような、専門知識がなくても売れるような商品の販売員は、 気は悪くないのだが、煙草臭い人が多い。このような店は概して活気がない。

以上のような、筆者の観察がどの程度合っているのかは、調査が必要だが、誰でもすぐに実感できることなので、 興味のある方は一度足を運ばれると良いと思う。

街について記すと、やはり、今でも路上で煙草を吸っている無法者は居るのだが、数は多くない。 日が暮れてからも一斉に煙草を吸い始めるということもない。 目につく無法者は、大抵、冴えないサラリーマン風のオジサンか、ガラの悪い青年や中年である。

生活環境条例によって、秋葉原は確実に変身したと思う。今後も、街の健全な発展が為されるよう、 ネットで応援してゆきたい。

煙草が無くなる日

2003/08/27記

"煙草が無くなる日"等と書くと、煙草会社からは睨まれそうだし、嫌煙派からも訝られそうである。 しかし、何事も良いイメージを持たないとそのようにはならない。
筆者は、煙草が先進諸国から抹消されるのは、あと20年以内だと予想している。 一応、先進諸国で煙草が絶滅状態になるのは、2020年であると予言しておく。 コテコテの嫌煙派でさえ、このような大胆な予測をする人は少ないだろう。 しかし、筆者が煙草の実質的な絶滅を予測する根拠は下記の通りである。

(1) やはり煙草は臭い

住宅の密閉度が上がり快適さを指向する現代のライフスタイルには煙草は似合わない。 昔と違って各家庭は昔よりも互い独立性が 高まり、住宅の密閉性は益々良くなる。すると、煙草は生活を不快にするのだという認識をもつ人が増える。
(2) 禁煙場所が増えている
吸う場所が減ってくるということは、吸う機会が減ってくるということだ。 それだけ消費量が減ってくることになる。すると、だんだんと、煙草を吸うのはみっともないという感覚に変わってくる。
また、禁煙に慣れた人は、たとえ喫煙者であっても、喫煙場所の空気の悪さを実感できるようになり、 また、煙草が臭いという正常な感覚を取り戻すようになる。
また、現在無料の喫煙所も、煙草会社が設置したもの以外は有料になってゆく。 煙草会社の利益のためのコストをボランティアで負担してやる理由は管理者には元々ないので、 当然のことだろう。

注:
喫煙所は、喫煙者のためのサービスだと思っている人が多いだろうが、実は、煙草会社のためのサービスなのである。 あたかも喫煙者のためのサービスだと誤解させられているのだ。
(3) 国家が煙草の損失に気付いてきた
医療財政も赤字が増えてきたし、厚生労働省にも煙草に関する苦情が後を絶たなくなる。 政府は煙草に関する苦情処理や、煙草対策にかける時間やコストの莫大さに気付いてくる。 国家には、煙草対策に費やす予算などもはやなくなってきている。 一時的な対策として、煙草対策費用として目的税としての課税を行うだろう。 現在の煙草税ごときではとうてい賄いきれない額なので、税金は大幅アップ、予想としては、 2015年までには1本30円位の税額になるだろう。しかし、煙草対策にかける税金と云えば喫煙者も抵抗できなくなる。 この増税に対して反対の大合唱もなく、不買運動に切り替わってゆくだろう。
筆者が主張している煙草によるエネルギの浪費についても真剣に討論されて行くようになるだろう。
(4) 煙草の価格を上げざるを得ない
上記の理由による増税も手伝って、煙草価格は大幅に上昇する。 煙草会社は、余りに売上が減ると困るので、少しでも安く見せかけるために、 先ずは、現在の1箱20本から1箱1ダース(12本)にパッケージを変える。 それでも価格は500円位になる。次は6本だ。価格は300円位だろう。 更に、これが3本になる。今の1箱20本という販売単位が大きすぎるだけのことなので、 正常な方向に戻るだけのことだ。
販売数量が減るため当然単価が上昇し、更に、販売数量が減るという好循環になる。 こうなると、多売によって儲けてきた作戦が不能になるため、次は、高級路線に転換する。 立派な箱に入れて、おまけを付けて売るようになる。 商品が高額になると自動販売機荒しが増えるので、店頭販売だけになる。
筆者の予想では、1本100円位というのが落ち着くところになる。 こうなるともはや紙巻煙草として、手軽に歩きながら吸うということもできないし、 吸いもしないで火だけつけておくという無駄もできないので、紙巻煙草の販売は激減、 代わって葉巻とパイプ煙草が中心になる。 葉巻は、1本単位で立派な箱に入れて売られるようになり、価格は1本500円から1000円位の間になるだろう。 パイプ煙草は、今の紅茶のように量り売りされるようになり、オリジナルブレンドが増え、 愛好者は自分だけの特別な味(?)を自慢するようなる。 要は、今のような使い捨てから、特別な感慨なしで、消費することのできなくなるような商品に転換してゆくということで、 本当の意味での嗜好品に変ってゆくだけだ。 筆者の予想が外れ、煙草が絶滅しないとすれば、煙草会社が、このような路線転換を早めに大胆に行った場合だろう。

現在の煙草消費を下支えしている大衆層は、高価な煙草や葉巻には手が出なくなるので、結局止めざるを得ない。 また、ここで離煙した元喫煙者から見れば、金持ちが葉巻を吸う姿が、とてつもなく嫌味に見えるので、 僻みも手伝って、嫌煙運動は、益々の盛り上がりを見せる。
(5) 正しい情報が得られやすくなってきた
かつては、まがい物の商品を購入して損をしてきた消費者だが、 今は、インターネットの普及で、怪しい商品の情報が自宅に居ながらにして分かるようになってきた。 現在は過渡期にあるので、インターネットによる騙しもあるが、こういった騙しに大しては、 学校でちゃんと教育するようになり、巧妙な騙ししか残らなくなる。 インターネット社会での生き方は、全ての人に定着するようになる。 あと10年もすれば、コンピュータ文盲の人は10%以下にまでなるだろうし、 20年もすれば、1%以下になると予想する。

こういったインターネットの恩恵によって、正しい知識をもつ人が増え、煙草に関するイメージ戦略は通用しなくなる。 当然、煙草に手を出す人は減ってくるし、止める人も増えてくるだろう。
(6) 禁煙教育がすすむ
教育者は学校で煙草を吸えなくなるので、児童・生徒が喫煙行為を目撃する機会が減少する。 また、先生が、禁煙教育をするので、生徒も親に止めるように説得するようになる。 暴力親以外の喫煙者は激減するので、子供も煙草に走りにくくなる。
(7) そろそろ嫌煙スターの出番だ
煙草会社の広告塔のような芸能人も、上記のように正しい情報が得られるようになってくると、 だんだん煙草の矛盾に気付くようになってくる。 一旦止めると、徹底的な嫌煙者に変身する。 かつての広告塔も"煙草を吸ってるやつはみっともない"とか"臭い"とか"自分勝手だ"とか、 メディアで発言するようになり、煙草ユーザーは一気に減少する。
以上は、煙草の煙草自身による絶滅ストーリーでもある。 細々と普及していればあまり問題視されなかったものが、お手軽な大衆課税源として、 あまりにも普及させ過ぎてしまったため、問題が巨大化してしまったのだ。 このため、喫煙率をコントロールすることができなくなり、後は減らす方向でしか操作できなくなる。

他にもいろいろと思いつくことはあるのだが、以上のように考えると、相乗効果が大きくなり、 10年後には、日本でも喫煙率は、現在の米国の喫煙率以下に減るだろう。 また、今の煙草利権者の声が小さくなる20年後には、先進諸国ではほぼ煙草が絶滅した状態になるだろう。

マナーって何だろう?

2003/08/26記

"本物の愛煙家登場"というコラムで紹介させて頂いたNさんのページの名称が"愛煙家の権利を守る会"から "正しい喫煙マナー"に変わった。 前者は暴煙者のページのような印象を受けたが、名称を変更して良い雰囲気になったと思う。 私も、注文を付けたうちの一人である。

マナーという言葉を読んで"マナーとは一体何だろう?"という疑問が湧いてきた。 改めて考えてみるとマナーという言葉は良く分からない。 手元にある旺文社のComprehensive English-Japanese Dictionaryで"manner"という単語を調べてみると、いろいろな意味が載っているが、 日本語でマナーとして認識されているであろう意味は、"行儀"、"作法"、という意味のようだ。 また三省堂の新明解国語辞典第二版では、"マナー"を、"[礼儀作法にかなっているかどうかという観点から見た]態度" と定義してある。

以上の常識的な定義からすると、マナーを守らないというのは、単に格好が悪いとかみっともないというだけであって、 マナーを守らない本人が気にしなければそれでしょうがないということだ。 だから、マナー違反だとして、他人に是正させることはできなそうである。 せいぜい助言することぐらいの効果しかないのが、このマナーというものである。 だから、喫煙行為をマナー問題として解決することは不可能だ。 このことに気付いたのは千代田区であって、2002年から生活環境条例が施行されて、 路上での禁煙が一部禁止されている。 また、女優の菊川怜が映っているポスターには"マナーからルールへ"とはっきり謳ってある。 これに対して、健康増進法や、厚生労働省の"職場における喫煙対策のためのガイドライン"では、 罰則規定がないため、結局はマナーで解決するのと大差ない結果になっている。 前置きはここまでとして、以下に、この問題について考察してみたい。

迷惑喫煙行為というのは、マナー違反なのであろうか?上記の定義から考えると、 マナー違反というのは単にみっともないとかの、人々の主観的な考え方に依存するので、迷惑喫煙行為を、 単にマナー違反として扱うことには疑問が生じる。 何故なら、迷惑喫煙行為というのは他人に損害を与えているからだ。 毒物への暴露による被害を与え、拭い去ることのできない臭気を付着させ、 清掃費用等の金銭的損害を発生させていることは、既に常識となっているので、 これはマナー違反として片付ける内容ではない。 民法上の不法行為であり、なおかつ、憲法上の生存権を侵害する行為でもあるのだ。 だから、この不法状態を放置しているのは、国家の不作為による違法状態が継続していることであって、 我々の生存権を確保するために断固戦わなければならないのだ。

迷惑喫煙行為は、マナー違反なのではなく、不法行為なのである。

正しい愛煙家は嫌われる

2003/08/25記

本物の愛煙家登場と云う素晴らしい内容を記事にさせて頂いた。 しかし、その後よく分かったことは、正しい愛煙家は暴煙家に嫌われるということだ。 インターネットには様々な掲示板があるので、楽しみにしている。しかし、愛煙家 は、暴煙家の目の敵にされるということが分かってきた。
掲示板に書かれる議論は暴煙家だけでなく自称マナーを守っている喫煙家の考え方は次のように概括される。

(喫煙権)

  • 煙草をどこでも吸いたい。好きなときに好きな場所で煙草を吸えるのが喫煙権だ。 禁煙場所は喫煙権を侵害している。

(マナー)
  • 禁煙と明示されているところでは、一応我慢しようかと思うときもある。
  • しかし、そこから一歩でも出ると、煙が禁煙地区に行こうが知ったことか。 ここは禁煙じゃないぞ。
  • 健康増進法なんか罰則規定が無いから守る必要なし。
  • 禁煙場所でも、罰則を喰らう心配が無ければ関係ない。万一注意されても謝れば済むからね。
  • 禁煙と明示されていないところでは、注意するほうが悪い。
  • "吸ってもいいですか?"と一言云えば物凄い配慮だ。相手には断る権利なんてないからね。
  • 灰皿があればそこは喫煙場所だ。携帯灰皿持ってればどこでも喫煙場所だよ。 ぽい捨てしなきゃいいいんだよ。

(思考)
  • 法律違反はしたくないが、罰則喰らわなければ別に構わない。 禁煙違反なんて法律違反なんてほどのもんじゃないよ。
  • 人に迷惑をかけるとか、そんなことはどうでもいい。自分が罰せられなければそれでいい。 禁煙地区で吸わないのは人に迷惑を掛けるからじゃな くって罰則喰らうのが嫌だからだよ。
  • だいたい煙草は合法的に売られてるのに何で文句言うんだよ。
  • 文句言うやつは嫌煙者だ。嫌煙者は人じゃない。 苦しもうが死のうが知ったこっ ちゃない。だいたい煙草ぐらいで死ぬわけないだろ。
  • ポイ捨てなんて何が悪いんだよ。だいたいポイ捨てなんて煙草に限ったことじゃないだろ。
  • 喫煙者は優良の税者なんだよ。税金払ってないやつらが何いってんだよ。
書いていて気分が悪くなってきた。正しい愛煙家に同情しちゃう。 愛煙家さんには悪いが煙草の販売が合法じゃなくなるのもそう遠いことじゃないかも。

本物の愛煙家登場 - 喫煙者は是非お読みください

2003/08/21記

愛煙家という言葉は、用語の項で書いたように本当に嫌な言葉であった。 その文中に、自分にとっての愛煙家の意味を書いておいたのだが、 その意味に近い方とお会いすることができた。 会うと云っても、インターネットの世界であるので、実際にご本人を存じているわけではない。 その方のウェブページはお勧めリンクに載せてあり、ここでは、Nさんと呼んでおく。 Nさんのページの中には、ハンドル名か或は本名が記載してあるが、 今後もその名称を使い続けられるかどうかはご本人の決められることなので、 ここでは、そのようにお呼びすることにした。

Nさんは、云うまでもなく喫煙習慣がある。しかし、習慣とは云っても、氏のページを拝読すると、 中毒者という感じではない。 かつてはヘビースモーカーだったのが、煙害によって、時には死に至る体質の方がいるのを知ってから、 喫煙方法まで変えるに至ったのだという。 そして、現在は、喫煙者に対して正しいマ ナーを教授しようという啓蒙活動をしておられる。 この方にとっては、社会問題となっている所構わぬ我儘喫煙などもっての他なのである。 そしてそのような乱暴な輩には胸を痛めているという様子がありありと伺えるのだ。 だから、喫煙者が全てNさんのような人であったなら現在のような煙草による社会問題は、 健康問題だけになってしまうだろう。 それに、Nさんのように常識的に煙草を吸うことを心掛ける限り、煙草の吸い過ぎは有り得ないので、 健康問題さえも無くなってしまうかもしれない。

筆者はどちらかというと、煙草廃絶派であり、"社会にとって煙草は悪である"と繰返し主張している。 しかし、Nさんのような、本当の意味での愛煙家には是非協力したいと思う。
筆者が力説しているように、煙草は絶対悪である。よって、いつになるかは分からないが、 いずれは淘汰されてゆくものだと予想する。 しかし、この世に煙草が合法的に流通してしまている限り、少なくとも、完全に廃止されるまでの間は、 煙草とは付き合って行かなければならない。その為にはNさんのような喫煙に対する指導者が必要である。

煙草に関する現在の社会問題の殆んどは、煙草中心になってしまっている社会の認識にある。 それは禁煙を、"我慢してやっている"という喫煙者と"我慢して頂いている"という非喫煙者の認識なのである。 この認識は、デフォルトでは喫煙可で、禁煙表示のある部分のみ喫煙不可という現在の習慣の元になっている。 しかし、この認識が誤りであることは筆者のページの中でも何度も主張しているし、 その他の、煙草問題に取り組む論者も至る所で主張しているものである。 そして、今回、喫煙者側からもNさんが協調しておられるわけである。 喫煙者の側からのこのような主張は大きな意味を持つ。 このような方が続々と現れて、この社会を正常な方向に変えていかれれば、 煙草ももう少し市民権を得られるようになるだろう。

何はともあれ、Nさんの頑張りには期待し、応援して行きたい。

厚生労働省の"職場における喫煙対策のためのガイドライン"の講評

2003/07/17記

職場における喫煙対策のためのガイドラインを読ん で考えた点を纏めてみた。
評価できる点もあるが、全体として、責任逃れの時間延ばしといった印象が強い。 読者の方々にも是非考えて頂きたい。

本文
記号と赤字は、Smoke Stinksが解説のために付けた目印です)
Smoke Stinksの評価

 基本的考え方
 喫煙による健康への影響に関する社会的関心が高まる中で、自らの意思とは関係なく、 環境中のたばこの煙を吸入すること(以下「受動喫煙」という。)a) による非喫煙者の健康への影響が報告され、また、非喫煙者に対して不快感、 ストレス等も与えていることが指摘されておりb)、 職場における労働者の健康の確保や快適な職場環境の形成の促進の観点から、 受動喫煙を防止するための労働衛生上の対策が一層求められている。
 職場における喫煙対策を実効あるものとするためには、 事業者が労働衛生管理の一環として組織的に取り組む必要があることから、 その進め方について衛生委員会等で検討し、喫煙対策のための施設、設備等を整備するとともに、 喫煙者等が守るべき行動基準(以下「喫煙行動基準」という。)を定め、全員の参加の下 で喫煙対策を確実に推進する必要がある。
 本ガイドラインは、事業場において関係者が講ずべき原則的な措置を示したものであり、 事業者は、本ガイドラインに沿いつつ、 事業場の実態に即して職場における喫煙対策に積極的に取り組むことが望ましい。
 なお、適切な喫煙対策の方法としては、事業場全体を常に禁煙とする方法(全面禁煙) 及び一定の要件を満たす喫煙室又は喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という。) でのみ喫煙を認めそれ以外の場所を禁煙とすることにより受動喫煙を防止する方法(空間分煙)があるが、 本ガイドラインは空間分煙を中心に対策を講ずる場合を想定したものである。

a)受動喫煙について定義したことは、評価できる。
常識では考えられないが、休止中の"歩き煙草について一言言いたい"の掲示板では、 "自分で吸ってるんだろう"という意見を随分見た。 このような不届きな輩を牽制する効果はあるだろう。

b)"指摘されており"というような、曖昧な表現でなく、責任ある省庁としては、 はっきりと言い切るべきだろう。そうしなければ規範としての意味が薄れてしまう。

(この節の一般評価)
利害関係者に遠慮しながら、全てを婉曲して表現するものに留まっている。 煙草の被害は既に何十年も前から明らかになっているものであり、 これに根本的な解決を施さずに、強制力の無いガイドラインに留めているのは、 責任省庁の不作為による不法行為として断罪すべきであろう。
このように、適切な処置を行わないことによる、故意の不作為による不法行為は、薬害エイズや、 狂牛病問題とも共通のことであり、省庁の構造的問題を浮き彫りにしているといって良いだろう。

責任省庁としては、一刻も早く、労働安全衛生法の改正案として、罰則付きの法案を作成し、 与党から提出させなければならない。
 経営首脳者、管理者及び労働者の果たすべき役割
 職場における喫煙対策は組織の中で実施すべきものであることから、 喫煙対策についての経営首脳である者(以下「経営首脳者」という。)、管理職にある者 (以下「管理者」という。)及び労働者が協力して取り組むことが重要であり、 それぞれ次の役割を果たすよう努めること。

これも、"..ること"では意味が無い。
(1)  経営首脳者
 経営首脳者の基本方針と姿勢は、職場における喫煙対策の成否に大きな影響を与える。 このため、経営首脳者は、喫煙対策に強い関心をもって、適切な喫煙対策が労働者の健康の確保と 快適な職場環境の形成を進めるために重要であることを、 機会のあるごとに全員に周知するとともに、対策の円滑な推進のために率先して行動すること。
 また、経営首脳者は、衛生委員会等の場を通じて、労働者の喫煙対策についての意見を十分に把握すること。

同上。
(2)  管理者
 管理者の喫煙対策に関する考え方がその職場の喫煙対策の推進に大きな影響を与えることから、 管理者は経営首脳者の基本方針の下に対策の円滑な推進のために積極的に取り組むこと。
 また、管理者は、喫煙行動基準に従っていない者に対しては適切な指導を行うこと。

"2 経営首脳者、管理者及び労働者の果たすべき役割"で言及された 「管理者」には、定義が無く、実効性は極めて疑わしい。 はっきりと定義したうえで、義務を明示すべきであろう。

これも、法制化しないことの問題である。
(3)  労働者
 喫煙対策は、職場の労働者自らが推進することが特に重要であることから、 労働者は、喫煙対策について衛生委員会等の代表者を通じる等により、積極的に意見を述べるようにすること。
 また、労働組合は、経営首脳者に対する喫煙対策の推進の働きかけ、労働者の喫煙に関する要望等の集約、 労働者に対する分煙や健康管理等に関する喫煙教育への参加勧奨等を行うことにより、 事業者が行う喫煙対策が円滑に推進されるよう支援することが望ましいこと。

意味不明である。何が云いたいのであろうか?

労働者側からの法的強制力のある救済申し立ての方法について示すべきである。

労働者と経営者は利害が対立するものであり、かつ、労働者が経営者より弱い立場に置かれていることを考慮し、 実効性のある異議申し立ての方法が無ければ、何も無いに等しい。
 喫煙対策の推進計画
 喫煙対策を推進するに当たっては、職場における喫煙の実態、職場の空気環境の測定結果、 喫煙に関する労働者の意見等の把握により、喫煙についての現状とその問題点を明確にするとともに、 その問題点を解決する具体的な方法等について、当面の計画及び中長期的な計画を策定すること。
 なお、これらの計画については、経営首脳者の指導の下に、労働者の積極的な協力を得て衛生委員会等で十分に検討し、 確実に実施できるものとすること。

測定については、役所が強制的に行うのが当然であって、 各職場に委ねるべきではない。
また、このような計画を事業者に対する罰則の無い責任として委ねたところで、嫌煙の意志を持つ事業者以外には効果はない。
 喫煙対策の推進体制
 喫煙問題を喫煙者と非喫煙者の個人間の問題として、当事者にその解決を委ねることは、 喫煙者と非喫煙者の人間関係の悪化を招くなど、問題の解決を困難にする可能性があるd)
 このような事態が生ずることを避け、喫煙対策を効果的に進めるには、事業者の責任の下に労働衛生管理の一環として、  次のとおり喫煙対策の推進体制を整備すること。
(1)
 喫煙対策委員会
 喫煙対策を円滑に実施するため、衛生委員会等の下に衛生担当者、喫煙者、非喫煙者の代表者等で構成する 「喫煙対策委員会」を設置し、喫煙対策を推進するための合意形成を行う方法を検討するとともに、 喫煙対策の具体的な進め方、喫煙行動基準等を検討し、衛生委員会等に報告すること。
(2)
 喫煙対策の担当部課等
 事業者は、喫煙対策の担当部課やその担当者を定め、喫煙対策委員会の運営、喫煙対策に関する相談、 苦情処理等を行わせるとともに、各職場における喫煙対策の推進状況を定期的に把握し、 問題がある職場について改善のための指導を行わせるなど、喫煙対策全般についての事務を所掌させること。

d) このようなことが自明であるからこそ、法律で明示しなければならないのであって、 事業者に委ねてどうするつもりなのか?事業者相手では、減給、転勤、更には、 解雇など更に大きな問題が起こる蓋然性が強いのであって、 この甘さは、責任省庁が責任を放棄したことを公言したものである。

(1)、(2)については、3 で表現している概要を超える内容が全く無く無意味である。
 施設・設備
 施設・設備面の対策として、喫煙室等の設置等を行うこと。
 設置に当たっては、可能な限り、喫煙室を設置することとし、 喫煙室の設置が困難である場合には、喫煙コーナーを設置することe)
 事業場における建築物の新設や増改築の場合は設計段階から空間分煙を前提とした喫煙室等の設置を計画し、 既存の建築物については創意工夫f)によって喫煙室等の設置を図ること。 この場合、喫煙室等は、喫煙者の利用しやすさを考慮して、就業する場所の近くに設けることが望ましいこと。
 喫煙室等には、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策機器を設置し、 これを適切に稼働させるg)とともに、その点検等を行い、適切に維持管理すること。
 やむを得ない措置として、たばこの煙を除去して屋内に排気する方式である空気清浄装置を設置する場合には、 これを適切に稼働させ、その点検等を行い、適切に維持管理するとともに、喫煙室等の換気に特段の配慮を行うこと。
 なお、たばこのにおいについての対策についても配慮することが望ましいこと。


e) "喫煙室の設置が困難である場合は、禁煙にすること"というのが正しい解決策であろう。 これでは、事業者が煙草呑みの場合は喫煙所を設置するわけがない。

f) 正気で書いているのだろうか?小学校の工作の授業ではないのである。

g) これは、換気扇を回せという以上の意味はない。
 職場の空気環境
 たばこの煙が職場の空気環境に及ぼしている影響を把握するため、 事務所衛生基準規則(昭和47年労働省令第43号)に準じて、職場の空気環境の測定を行い、 浮遊粉じんの濃度を0.15mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度を10ppm以下 h)とするように必要な措置を講じること。 また、喫煙室等から非喫煙場所へのたばこの煙やにおいの漏れを防止するため、非喫煙場所と喫煙室等との境界において 喫煙室等へ向かう気流の風速を0.2m/s以上i)とするように 必要な措置を講じること。
 なお、測定方法等については、別紙「職場の空気環境の測定方法等」を参考とすること。

h) どうせなら、"浮遊粉じんの濃度を0.15mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度を10ppm以下" というのがどのような意味があるのか、関連条文等を示すべきであろう。

事務所で一酸化炭素が測定されること自体がおかしいと思うのは筆者だけではないだろう。

i) 吸込み風速0.2mというのは、有毒物質を拡散させないようにするための一般的な基準なので、 この数字を記したことは評価できるだろう。
因みに、喫煙所の出入口が二重化されておらず、また、エアシャワー(クリーンルームに入る前に埃を除去する装置) 等が設置されていない場合(普通はそんなものはない)は、 扉を開けた場合の風速として明示しなければならない。 扉の大きさを0.6m×1.9mとした場合、吸込みの風量は、
0.6m×1.9m×0.2m/s = 0.228m3/s= 821m3/h

であり、少し大きめの台所用換気扇(20W)が2台必要である。12W程度のものなら3台必要になる。


(脱線‐煙草によるエネルギの浪費試算)

因みに、これだけの空気を捨てるにはどれだけの無駄をしているか試算してみる。
空気の密度を1.2kg/m3、空気の比熱を1000J/kgKとし、室内外の気温差を15度(冬季)とすると、 喫煙所1ヶ所当りのエネルギ浪費率は、
821m3/h×1.2kg/m3×15K×1000J/kgK÷3600s/h=4,105W=4.105kW
となる。よって、

喫煙所1箇所当りのエネルギ浪費率=4.1kW

となる。換気扇の消費電力と併せてざっと4,145W相当の電力消費率と等価なエネルギ(正確に云えば仕事率) の無駄使いをしている訳である。例えば東京に屋内喫煙所が1000箇所(少なくともこれ位はあるだろう)とすると、 無駄使いしているエネルギ(正しくは仕事率)は、4.15MW(メガワット)相当の電力消費率と等価であることになる。 実際は、喫煙所の扉を閉めている時間が90%程度あるとすると、この1/10強の電力消費率になるが、 それでも、莫大な数字である。
また、爽やかな季節に窓の外から入ってくる煙草の煙に絶えられずに空調を付けている世帯が、 少なめに見積もって、東京23区で1000世帯あったとすると、空調機の消費電力は1kW程度あるので、 これも1MWの電力浪費率となる。

(Smoke Stinksの結論)
喫煙所は屋内に設置すべきではない。屋内に設置すると、膨大なエネルギ浪費になる。
 喫煙に関する教育等
 事業者は、管理者や労働者に対して、受動喫煙による健康への影響、喫煙対策の内容、 喫煙行動基準等に関する教育や相談を行い、喫煙対策に対する意識の高揚を図ること。
 また、事業者は、喫煙者に対して、適切な吸い殻処分の指導や、 定期健康診断等の機会に喫煙による健康への影響等に関して医師、保健師等による個別の相談、 助言及び指導が行われるようにすることが望ましいこと。
これも訓示規定だけで実行力が無い。
 喫煙対策の評価
 喫煙対策の担当部課等が定期的に喫煙対策の推進状況及び効果を評価すること。
 なお、喫煙対策の評価については、その結果を経営首脳者や衛生委員会等に報告し、 必要に応じて喫煙対策の改善のための提言を行うことが望ましいこと。
同上
 その他喫煙対策を進める上での留意事項

(1)  喫煙者と非喫煙者の相互理解
 喫煙対策を円滑に推進するためには、 喫煙者と非喫煙者の双方が相互の立場を十分に理解することが必要であるj)こと。
 喫煙者は、非喫煙者の受動喫煙の防止に十分な配慮をする一方、非喫煙者は、 喫煙者が喫煙室等で喫煙することに対して理解することが望まれること。
(2)  妊婦等への配慮
 妊婦及び呼吸器・循環器等に疾患を持つ労働者については、 受動喫煙による健康への影響を一層受けやすい懸念があることから、 空間分煙の徹底を行う等により、これらの者への受動喫煙を防止するため格別の配慮を行うこと。
(3)  喫煙対策の周知
 喫煙対策の周知を図るため、ポスターの掲示、パンフレットの配布、禁煙場所の表示等を行うこと。 また、これらにより外来者に対しても喫煙対策への理解と協力を求めること。
(4)  情報の提供等
 喫煙対策の担当部課等は、各職場における喫煙対策の推進状況、他の事業場の喫煙対策の事例、 喫煙と職場の空気環境に関する資料、受動喫煙による健康への影響に関する調査研究等の情報を収集し、 これらの情報を衛生委員会等に適宜提供すること。
 また、効果のあった職場における喫煙対策の事例等の情報は、 積極的に外部に公表することが望ましいこと。
j) ここがそもそも間違っている。
厚生労働省の立場としては、煙草を止めさせるべきである。 それが、国民の健康を預かる為に税金を消費している省庁として然るべき義務である。

本文で何度も書いているように、煙草は経済にとっても害しかない。 害しかないものを保護しようとするところに無理が生じているのである。

全般的なことを書くと、読者の方は費用負担について言及を避けていることに気付くだろう。 このような費用は全て、受益者(本当は受害+加害者)負担とすべきである。 一番望ましいのは、喫煙者本人の給与から天引きすることであり、 妥協案としては煙草税を充当するものである。
本人から徴収すれば、煙草を止める者が続出するだろう。それが理想的な費用負担である。

用語

2003/07/16初回アップロード
2003/07/22更新(煙草教とお互い様を追加)
2003/09/20更新(煙草を止めるという用語を追加)

喫煙

煙草を吸うこと。と、普通は思われているだろうが、これは実は大きな間違いである。 喫煙という行為は、宇宙全体の中で、今そこで吸っている本人ただ一人だけの主観的定義であって、 他の全てのものから見た場合の客観的定義は、"排煙"行為である。
別な例で例えると、どこかの宗教団体が、ポアと称して殺人を正当化しようとしていたのに似ている。 彼らの主観的定義では、ポアは、世界全体の幸福のために行った行為なのかもしれないが、 他の人から見れば、人殺しである。
煙草も別な見方をすれば、自殺のための薬であって、尚且つ他人も道連れにする殺人の道具でもある。 それを売っている会社も、公認している国も、自殺・他殺の教唆犯であるという見方もできる。

嫌煙

かつては煙草に文句を付けるような習慣はなかったが、段々その迷惑性が認識されるようになり、 新しい権利として嫌煙権という概念が生まれた。 最初はその概念が斬新だったため嫌煙という言葉が一般的に使われるようになった。
その後、煙草擁護派の陰謀で、我儘なイメージをでっちあげるのに利用される ようになってしまった。 人が嫌がるのに吸うのと、排出されたばい煙を嫌うのとどちらが我儘なのか、 子供でも分かることである。 本来は生存本能の一種として扱うべきものだろう。
そもそも生物は本来、煙を吸い込むと死に至ることもあり、焼死の殆んどは煙にまかれることによるという。 嫌煙というのは、生物本来の性質だと思うのだが、 何故煙草だけが特別扱いされるのだろう?

愛煙家

普通は煙を多量に吸い込むと死んでしまうので、煙は基本的に毒である。 しかし、煙草を特別扱いするためにつくられたキャッチコピーである。 キャッチコピーでは、愛煙家とは、タバコ呑みのことを指す。 しかし、やはりこの言葉は変だ。タバコ愛好者を愛煙家というならば、タバコ文化を愛し、 その正しい愛好方法を広める人々のはずである。 だから、歩きタバコを禁止されて"愛煙家の肩身が狭い"というのは明らかにおかしいのである。 肩身が狭いのは、単なるタバコ呑みである。 愛煙家を自称する人が、 自分の趣向のために公に煙をぶちまけて他人に害を与えるわけがないではないか。 登山愛好者等は、山を愛し、迷惑登山者の捨てたゴミを拾っているのである。 我儘のために他人を犠牲にしておいて、 ところ構わず吸殻を捨てておいて愛煙家なんてちゃんちゃらおかしいのである。

暴煙

迷惑喫煙のことを指すが、迷惑喫煙というのはれっきとした暴力行為なので、暴煙というほうが、正しい表現である。

哀煙家

云うまでもないが、国やタバコ会社にはめられて、タバコを吸わなければならなくなってしまった 哀れな喫煙者のことを指す。下記の煙草教信者と同義である。

煙草教(煙草狂)

煙草は見方を変えれば邪教みたいなものである。 毒にしかならない化学物質を崇め、その普及に力を注ぐ信者を育成している。 入信すると、毒性なんてなんのその。 煙草は毒ではなく、迷惑でもないという、空想の世界で作られた不文律の教義を信仰するようになり、 果ては、小学生である自分の子供にまで勧めたりするようになる。 お布施の一部が税金に使われているので、煙草教信者は自分たちが世の為に尽くしていると信じて疑わない。 煙草教信者の為に掛かっている社会全体のコストが自分たちの納めた煙草税を上回っていることなど知らないか、 或いは嘘であると頑なに信じている。 また、煙草のための消費は経済のためになっているという空想も、不文律の教義である。
尚、教祖のほうは、自らは信者であるかどうか分からないが、金儲けのための道具としてせっせと布教に力を入れる。 結局はどこの邪教もビジネスなのだろう。
煙草教が、他の邪教と違うところは、国教となっているところと、お布施が小額なところだ。 マインドコントロールの仕方も巧みで、マスメディアの媒体を上手く使って、 あたかも自発的に吸っているように錯覚させている。 更には、信者のことを"愛煙家(上記参照)" などといういかにも人格者のようなキャッチコピーを使って正当化しようとしている。

お互い様

これは、喫煙行為の迷惑行為を正当化するために使われるキャッチフレーズ である。
「お互い様」というのは、何らかの形で、相互に迷惑を掛け合っていることであるが、 片側が一方的に迷惑を掛けている場合にそうは云わない。
このようなことを書くと、必ず「人は他人に迷惑を掛けずには生きられない。 非喫煙者だって、魚を焼いたり、車に乗ったりして空気を汚すだろ。」と、 言いがかりをつける人が出てくる。 こうした思考は、実際に調査した訳でもないのに、他人が自分と同様煙草以外の汚染物を撒いている と思い込むことによって生まれる自分勝手な妄想によるものだ。 非喫煙者は、煙草の汚染物を撒かないので、たとえ、自動車に乗ろうとも、秋刀魚を焼こうとも、 煙草の分だけは少なく迷惑を掛けており、全体としての迷惑度が同等ということは、絶対にない。
また、非喫煙者は臭いに敏感なので、家庭で焼肉や秋刀魚を焼くということを嫌う傾向があると想像できる。 また、大気汚染に敏感な非喫煙者は、自家用車だってなるべく使わないようにする。 また、喫煙によって、エネルギを浪費すると、煙草による汚染だけでなく、 発電所からの二酸化炭素や放射性廃棄物をそれだけ多く排出することになる (
喫煙によるエネルギ浪費について‐1を参照のこと)。
以上から、喫煙者の言う 「お互い様」は、全く根拠の無いものであって、全て拒絶しなければならない。

では、「お互い様」と云われたらどのようにすれば良いのだろうか。以下の質問をしてみよう。
「非喫煙者のどのような行為に対してのお互い様ですか?」
「非喫煙者のほうが大きく掛けている迷惑とは何ですか?」
「その迷惑はどのようにして調査したのですか?」
「非喫煙者は少なくとも煙草の分だけは少なく迷惑を掛けているとは思いませんか?」
「喫煙により多く浪費しているエネルギはどの位かご存知ですか? (少なくとも1人あたり125Wの空調用エネルギの浪費があることは覚えておこう)」
誠に馬鹿馬鹿しいお話なのだが、喫煙者にお互い様と言われたときは、以上のことを教えてあげよう。

煙草を止めるという用語

(2003/09/20)
煙草を止めたということを表現するのに 断煙卒煙 などいろいろな用語がある。 どれも古来からある日本語というわけではなく、造語である。 同じように使用されているが、人によって感じ方が違うらしい。 断煙と卒煙を比べると、筆者は後者のほうが好きである。 もう煙草なんか卒業して次の新しいことを始めるんだという感じが表現されているからである。 しかし、この言葉を嫌う人は、喫煙が誰でも通る道というように、 一時的な必需品を連想させれれるからだという。
いっぽう断煙という言葉からは、断酒という言葉を連想する。断酒というのは、酒を止めるのではなく、 一時的に酒をひかえ控えているというイメージが強い。 だから、断煙と聞くと、そのうちまた始めるのではないかという印象を持ってしまう。

では、どうしたらいいのかということで筆者なりに造語を考えてみた。 調べ尽くしたうえでこれがオリジナルであると言っている訳ではないので、 既に使用されている例をご存知でしたらご連絡ください。

離煙

離縁を連想する。 いままでいろいろあって付き合ってきたけど、もうこれ以上のお付き合いはできないと、 三行半を突きつけた言い方である。

絶煙

絶縁を連想する。 もうこれっきりで縁を切りましたということだが、絶縁状態という言葉もあるので、 断煙と同様将来の復縁を予定した言葉になっているのかもしれない。

辞煙

単に煙草を止めました。 辞表を書いてさようなら。という意味である。 一度受理されるともうこれっきり元の世界に戻ることは出来ません。

脱煙

暴力団が組から脱会するように用いる。これも、もう元の世界には戻れません。

疑問点

2003/07/03記

このページもだんだん長くなってきた。 殆どがテキストなので、サイズは大したことはないが、もう既に薄い文庫本1冊程度の分量はあると思う。 自分で読み返しても結構時間がかかる。しかし、あまりに長いと読むのが疲れるので、 今まで散々書いてきた煙草への恨み言をまとめてみたいと思う。

まとめてみました!煙草に関する疑問

疑問
Smoke Stinksの回答
どうして煙草がいけないのか?
煙草の消費の際に他人に迷惑(というより危害)を与えるからです。
また、本人の健康も害しています。
煙草にいいことは何も無いの?
ひとつもありません。良いことが一つでもあったら教えてください。 メールアドレスは、index2.htmlにあります。 そのご意見をこのページに載せる事を約束します。
また、"現在の科学知識だけで、良いことが一つも無いとは断言できない"という詭弁を使う人がいますが、 これは間違いです。これは、"現在の社会常識では、殺人は悪いことしかないが、 将来常識が変われば、殺人は良い面も発見されるかもしれないから、殺人を咎めるのは止めよう" と云っているのと同じです。
現在の科学知識では、煙草の害しか明らかになっていないので、煙草の害を主張すべきなのです。 その後、煙草の欠点を全て克服することができ、なおかつ利点を付加することができるようになれば、 そのときに初めて煙草の必要性を訴えるべきなのです。
煙草の経済効果は考えなくていいの?
煙草の経済効果と云われているものは、 煙草の消費に使われた金額です。煙草が無い場合に比べて、 煙草がある場合は、この位経済的に得をしているという値ではありません煙草がある場合と、 無かった場合との経済の比較が真の経済効果と呼べるものです。 この試算結果をご存知の方は、上記メールアドレスまでご連絡下さい。

むしろ、人々が煙草に消費することで、お金の流れが煙草利権者に吸寄せられ、 景気を悪化させていると考えたほうが自然です。 煙草に無駄金を使ってしまった結果、必要なものの消費が落ち込んでしまっている のです。
煙草に消費される金額を、 経済対策に使ったらどうなるか想像してみてください。
煙草の非経済効果ってどういうことなの?
最も悪いのは、本来別のところに流れるべきお金が、 煙草利権者にだけ吸収されてしまうことです。 このお金は、個人的に使われるまでの間は、殆どが他所に出て行きません。
また、煙草が嫌なので外食を控えたり、タクシーに乗らなかったり、旅行に消極的になったりする人が大勢居ます。 外に出ないことにはお金を消費しにくいですが、煙草の被害を浴びずに外出することは難しいのが実情です。
詳細は本文をご参照ください。

例えば酒場では、客の多くが喫煙者であることにお気付きのことと思います。 非喫煙者のほうが人数が多いのに、このようになっている理由は、 非喫煙者が、無意識のうちに煙を避けているためです。 従って、煙草を全廃すれば、非喫煙者も安心して酒場等を利用するようになり、 営業の機会が増えます。これは一部の例ですが、 煙草を廃止すれば景気が向上することは間違いないでしょう。
煙草はストレスを解消するっていうけど?
煙草を吸う人は、ニコチンが切れるとイライラします。 このイライラを解消するために、煙草を吸います。 即ち、煙草が原因となったストレスを多少緩和しているのですが、 常にマイナス側(ストレスがある側)にあります。
また、仮に煙草を吸う本人が、(自らの喫煙が原因の)ストレスを和らげたとしても、 周囲の人は、その何百倍もストレスを増大させています。 人にストレスを与えておいて、自分のストレスがやわらいだなんて、自分勝手にも程があります。
喫煙者を差別的に扱わないで!
喫煙者を、喫煙者というだけで、差別的に扱うことはありません。

国家が喫煙者を増加させる政策を長年続けてきた結果、自分勝手な人が増えました。
そもそも、煙草のパッケージにある警告表示が、"健康のため吸いすぎに注意しましょう"から" あなたの健康のために吸いすぎに注意しましょう"となったのは、 自分勝手に吸えということです。 これは、"アンタの煙草で他人の健康がどうなっても良いが、 自分の健康にだけは気をつけろ"と云っているのと同じです。 国家がワガママな人材を育成しているのです。 こんな教育をしておきながら、今更、迷惑喫煙を止めさせようとしても、 既に我侭人間に成長してしまった人はどうにもなりません。

喫煙者の7割は煙草を止めたいと思っているそうですが、止められないのは意志が弱い証拠です。 意志の弱い人が、能力的に劣っていると見られても仕方がありません。 現に、某テレビ局の、貧乏脱出を応援する番組の出演者の多くは、金も無いくせに煙草を吸っていました。 こういう人を、自己管理能力が無いと評価することが間違っているのでしょうか?
煙草を吸うと悪いことって何?
煙草を吸うと、嗅覚と味覚が鈍ります。嗅覚が鈍ると、 不潔に対して鈍感になります。 不潔な人が電車に乗ったりすると、周囲の人は迷惑ですよね?
また、味覚が鈍ると濃い味付けでないと満足できなくなります。こうして、 塩分の採りすぎになり、健康を害する要素が増えます
グルメサイトのコメントを読むと、その人の喫煙習慣があるかどうか分かってしまうことが多く、 味に対する評価も随分違っていることに気づくと思います。 カップ麺の味付けが丁度良いと思っている人は、要注意でしょう。
そもそも、他人が居るところで、 煙草を吸うこと自体、我侭になってしまった証拠です。 我侭人間のほうが得をするような社会ですがこれで良いのでしょうか?

その他にも煙草を吸うと損することがたくさんあります。
- 臭い/汚い/嫌われる
- 思いやりがなくなる(本文を参照してください「)
- 煙草が切れると吸いたくてイライラする(煙草を吸わなければ、初めからイライラすることはありません)
- カネがかかる(煙草代だけではありません。空調費用やクリーニング代など数えればきりがありません。当然医療費も。)
煙草販売は悪いことなの?
煙草を合法的に販売すれば、犯罪にはなりません。 しかし、自動販売機を設置して、そこから未成年が煙草を購入した場合は、 買った側、売った側とも犯罪行為を行ったことになります。 特に売った側には罰則規定もあります。 ただ単に取り締まっていないだけなのです。 捜査権限のある人が、張り込みをすれば、現行犯逮捕が可能なので、法律の運用の仕方次第で、 自動販売機商法を壊滅させることが可能です。
未成年者に煙草を販売することを禁じる法律がありながら、 未成年に煙草を購入させないことができない自動販売機の設置を認めているのは、 行過ぎた行政裁量であり、行政府による違法行為です。
自動販売機は、未成年に販売するための違法な目的をもって設置した装置 なので、未成年の立ち入り禁止区域以外にあるものは、全て警察当局が没収すべきでしょう。
煙草が無くなると得をするのは誰なの?
多分、煙草ユーザーである、現喫煙者でしょう。
ストレスから開放され、無駄な出費が減り、清潔な生活を手に入れ、 更に、健康障害も食い止めることができます。
巷の食堂では、喫煙者向けの濃い味付けがなくなり、インスタント食品の味付けも正常になるでしょう。 こうして、健康を害する要素が確実に減ってゆきます。
換気の必要性が減るため、冷暖房コストも削減され( 喫煙によるエネルギ浪費について‐1)、地球の温暖化に対しても有効でしょう。
更に、火事や放火も減少し、 児童虐待や交通事故も減るでしょう。
煙草のポイ捨てが無くなることにより、その他のゴミ捨ても減り、社会がきれいになり、 人々の道徳心が向上します。
結局、煙草によって損をしている社会全体に利益がもたらされる事になります。
では一体煙草はどんないいことがあるのでしょうか?
煙草は、社会に巣食うウィルスです。 ウィルスは、社会の健康を蝕みます。 恐ろしいことに、煙草のウィルスに汚染されると、その病気を治療することを拒むようになります。 それが煙草の正体なのです。この件は、
用語 の項にある煙草教も参照してください。

喫煙によるエネルギの浪費について‐1

2003/07/22記

喫煙所の排気によるエネルギロス等については
厚生労働省のガイドラインの講評の際に、既に一部を記したが、ここでは、もう少し纏めてみたい。 煙草によるエネルギ損失の大部分は、排気による熱(または冷気)の損失である。 この点をもう少し研究するために、東京電力に、電力消費の内訳をウェブ上に載せるように要請した (目的は節電に取組む目標の明確化のためであって、煙草対策のためとは書いていない)が、 音沙汰が無い。そこで分かっている部分だけ先行して記述し、更に詳細が判明したら更新することにする。

煙草によるエネルギの浪費は、あまり強調されることはないが、 2003年7月に我家に送られてきた大手不動産会社のパンフレットのような雑誌のようなものに、 面白い記事を発見した。その記事の内容とは以下の通りである。

喫煙が室内の空気を汚す最大の原因<
(三井不動産のパンフレットから一部引用)

室内では、喫煙が最大の汚染源です。 煙草を吸う人は吸わない人の2倍近い換気量(50m3/時)が必要だといわれています。 喫煙から生じる汚染物質としては、一酸化炭素、二酸化炭素のほか、空気中を浮遊する粉塵(煙の粒子)があります。 この粉塵は、平均0.25µ(ミクロン:1ミクロンは1mmの1000分の1)と小さく、 フィルターで完全に除去するのは難しいので、室内を長く浮遊します。 この粉塵にニコチン、カドミウム、ベゾンなど、発ガン性物質が含まれているのは、よく知られていることです。 これらの汚染を防ぐには、強制的に換気を行う必要があります。 また、ニコチンは壁紙を黄色く変色させる原因にもなります。 たばこは、人の健康だけでなく、住まいの健康にも害を及ぼすのです。 できれば、住まいでは禁煙にしたいものですね。

この記事は、住宅販売をする会社から見た意見の一部で、会社を代表する意見かどうかは分からないが、 家庭での煙草は望ましくないとの認識が示されており、注目に値する。 この記事の元になる情報源はどこのものかは分からないが、そう大きく外れているわけではないだろう。 但し、"これらの汚染を防ぐには、強制的に換気を行う必要があります" とあるように、煙草会社等に相当気を使った表現になっていることに注意を払う必要がある。 何故なら、換気をしても、汚染は薄まるだけで防ぐことができないからだ。 こういった表現の端々に、煙草族の圧力を感じてしまう。
煙草の毒性についての記述はさておいて、筆者は換気量の部分に注目した。 この"2倍近い"というのが信頼性のある意見とは思わないが、信頼のある大企業筋の情報として、 2倍という数字を元に計算してみる。
注: 
換気扇の傍で吸う、煙草の消費量が相当に少ない、室内の汚染物質の濃度は深く追求していない、 室内でストーブを焚いている場合を含む、などの前提があると思うが、 ここでは、喫煙の影響を最小に評価するため、 電気空調に限るものと仮定する
必要な換気量というのは、空調が電気だけという場合は、 人間の酸素消費によって酸素濃度が低下することにたいす る補償量と、人間の二酸化炭素放出による二酸化炭素の濃度増加の補償量によって決定される。 人体は、基本的には毒物を放散しているわけではないので、 煙草を吸わない人間のための換気量というのはこれだけである。
これに対して煙草を吸う人間の場合は、 煙草による毒物と二酸化炭素の放散と酸素消費を考慮して換気量を決定すべきである。 また、本人の吸い込む煙は、巻き込む空気によって、燃焼が促進されて、一酸化炭素の発生は抑えられるが、 吸引していないときの煙(副流煙)は、不完全燃焼によって、更に毒性が強いものとされている。 従って、この副流煙を積極的に排気しなければならない。
以上を考慮した場合の喫煙者の必要換気量がたったの二倍弱というのは、とても信じられる数字ではないが、 一応の試算として、これを元に大雑把な試算を行 う。

上記のパンフレットの情報を正として、喫煙者のための換気量と非喫煙者のための換気量の差を 1人あたり25m3/hとすると、これは、
25m3/h = 25/(60×60)m3/s=0.07m3/s
の余分な換気量となる。
ここで、 空気の密度を1.2kg/m3、空気の比熱を1000J/kgKとし、室内外の気温差を15度(冬季)とすると、

喫煙による1人あたりのエネルギ浪費率= 25m3/h×1.2kg/m3×15K×1000J/kgK÷3600s/h=125W

となる。

日本全国に喫煙者が存在する家庭がどの程度あるかわからないが、 電力を暖房にしている世帯の喫煙者が大雑把に仮定して、1000万人いるとすると、

1000万人の喫煙者によるエネルギ浪費率 = 125W/人×10,000,000人 = 1,250MW=1.25GW

大雑把に見積もって、喫煙によってこの程度の浪費電力が発生するということになる。
この電力浪費をどの程度に感じるかは各人の判断で異なるところだが、実際に計算してみると相当な大きさである。 政府ではこのような計算はしていないのだろうか? していないはずはないので、もっと精度の高いものが、どこかに極秘資料として存在するはずである。 日本国政府は、原子力発電所の運転を再開する前に、 こういった簡単に削減できるエネルギ消費を抑えるべきではないのだろうか。

今回は、喫煙によるエネルギ浪費についての超概算を行ったが、 次回は、喫煙によるエネルギ問題や大気汚染問題について、もう少し踏み込んで考えてみたい。

下記に、大手電力会社の発電機の能力を下記に示す。 1000万人の喫煙者によるエネルギ浪費率(一般家庭だけで1,250MW)と比較して頂きたい。

(参考)大手電力会社の発電機能力 (各社のウェブサイトの資料による)

平成13年東京電力(http://www.tepco.co.jp)
項目
発電機能力
単位
水力発電
33,752
MW
火力発電
120,121
MW
原子力発電
43,125
MW
風力発電
1
MW
東京電力合計
196,999
MW

平成14年中部電力
(http://www.chuden.co.jp)
項目
発電機能力
単位
火力発電
23,901
MW
水力発電
5,216
MW
原子力発電
3,617
MW
中部電力合計
32,734
MW

家族に喫煙者が居る場合

2003/08/23記

家族の中に喫煙者が居てその煙害に悩んでいる人は多いらしい。 インターネットの掲示版でもそのような話題を良く見かける。 自分の同居家族には喫煙者が居ないので、もしここに喫煙者が同居していたらどれだけ辛いだろうかと想像する。 外出するだけで、周囲に喫煙者が見えなくとも煙草の匂いがし、その匂いが身体に付着するので、 外出後には必ずシャワーを浴びなければ気持ちが悪い自分には、 その悪臭が自宅内で発生することを考えただけでぞっとする。

自宅煙害の被害者の多くは妻であるという。 子どもが居る場合は子供が一番の被害者だ。 また、妻は被害者のつもりでも子供を守ってやることができないということは、加害に加担していることになる。 子供の居る家庭内の喫煙というのは、立派なDV(家庭内暴力)であって、それを止めさせる責任は両親共にある。 自分が被害者であると言っても何も解決しない。

"煙草を止めるのが結婚の条件"といって結婚はしたが、結局煙草を止めてくれないという悩みが結構あるらしい。 これは、喫煙者心理を全く理解していなかったための問題である。
"煙草を止めるのが結婚の条件"といって婚約するのは間違っている。 何故なら、本当に止めるつもりなら、その時点で止めているはずだからだ。 結婚までに止めるといいながら吸っているのは、初めから止めるつもりなどない証拠だ。 本文でも書いた通り、喫煙者は常に自分に都合の良い解釈をする傾向がある。 自分の煙による加害性を過小評価し、"これくらいいいだろう"と思わなければ人前で煙草など吸えないのだ。 だから、"煙草を止めるのが結婚の条件"という契約を交わしても、心の中では"結婚してしまえばこっちのもの"と思っている。 初めからそんな約束を守る気などないのだ。だから、喫煙者との結婚を考える場合には、 目前で手持ちの煙草と喫煙用具を廃棄させ、"再度吸ったらお別れ"という位の通告をしたほうが良い。 さらに、喫煙を再開したら慰謝料を支払った上での離婚に同意させる念書を書かせたら尚良い。 それで破談になるならそのほうが良いと思う。 何度も書いているように、嫌がる他人の前で煙草を吸うということは、利己的である証拠だからである。 家庭に煙草を持ち込まれるのは地獄だし、 ベランダ煙草などで近隣に迷惑をかけると近所付き合いにも支障をきたすからだ。

それに、よく"釣った魚に餌はやらない"とうそぶく人がいる。 筆者の知る限りこの言葉を発したのは全員喫煙者だった。 "煙草を止める"というのもここでいう餌のひとつである。 結婚は始まりであるはずなのに、それが終りだと思っているからこんな勝手なことが言えるのだ。 こんな人と結婚して幸せになれるのだろうか。

誠意のある喫煙者だったら、"煙草を止めるのが結婚の条件"などと言わず、 "このようにするから煙草を止めさせないでくれ"とお願いするだろう。 初めから騙すつもりの相手よりこちらのほうがずっと良い。 しかし、いちばん良いのは婚約前にきっぱり止める人であることに間違いはない。

いちばん重要なことは、家族の煙草を止めさせるということが、 自分だけでなくその他大勢の人を幸せにするということなので、 家族の喫煙を止めさせることには全力を尽くしてほしい。 川柳には、"やめてみて 初めて分かる 人のため"というのがあるという。 先ずは嫌煙のページを読ませるよりは、正しい愛煙家のページを読ませ、徐々に教育してゆくのが良いだろう。

こんなビジネスは如何でしょうか

2003/06/06記

禁煙は、付加価値に直結している。 以下に新しいビジネスを検討してみた。 自分に資金があれば全部やってしまうのだが、残念ながら元手がないのでできない。
資金がありこれからビジネスを拡張しようという方は参考にして頂ければ幸いです。

Smoke free Town - 煙草に煩わされない安全な邸宅
規模が大きければ大きいほど効果的であるが、最初は、1個の集合住宅位から始めても良い。 敷地内は全て禁煙とし、24時間守衛を 配置して、煙草や煙草用点火装置の持込を禁止する。 煙草の持込を食い止めるようにするだけで、その結果セキュリティは格段に向上する。 また、当然ながら、共用部分が汚れないので外見が朽ち果てるのを遅らせることができ高級感が増す。
このようなメリットは付加価値を上げるのに利用できないわけはない。 誰だってベランダ喫煙の被害にあったことはあるはずだし、喫煙者がいないということは、 火事の危険も少ないということである。

もっと進めて考えると、比較的規模の大きな私有地を作り、そこに集合住宅を建てる。 そこをしっかり囲うと共に守衛を数箇所に配置させることができれば、本当にSmoke free Townが誕生する。 中には、飲食店等の店舗を置いて禁煙地帯を形成することが可能だ。 店舗などは、外からも入れるようにしておけば、煙草の嫌な客を外からも集めることができる。 話題も集めるだろうし、街は高級感が増すだろう。 ニュータウン等は初めからこのようなことが可能なはずである。

喫煙者を招待できないという意見もあるかもしれないが、好んで喫煙者を招待し、 煙草を吸わせようという人は居ないだろう。 喫煙者であっても、守衛所に煙草を預けさせれば中で我慢することを学習するだろうし、 臭いのこない快適さも少しずつ理解できるようになるに違いない。

いずれにしても、煙草の持込を阻止できないと、禁煙はなし崩し的に破られてしまうので、 守衛の機能が果たされなければゴーストタウンに変わってしまう。

しかし、一大プロジェクトとしてやってみれば、新たな需要を発掘し景気に貢献できるだろう。

Smoke free Restaurants  - 本当の味や香りを楽しめるレストラン
文字通り禁煙の飲食店である。 全てを禁煙にすると、暴煙者の進入を諦めさせる効果があるし、まとまるとそれだけで、安心感が増す。 ぽつりぽつりと禁煙の飲食店があっても良いが、それだと、 禁煙であることを知らずに喫煙者が入ったり嫌がらせを受けたりする危険が増える。 飲食店街全体を禁煙にすれば、そのような可能性を排除できて、しかも、空気の良さをアピールできる。 既に百貨店などではこれに近くなっているが、喫煙所があったり、未だにレストランに喫煙席を設けていたりする。 ここでは、一歩進んで、全体を常時禁煙にすることで更なるクリーン化と需要の掘起しを狙う。

大手のビルなどで是非検討してほしい。

Smoke free Travels  - 煙を気にせずに旅に出よう
団体旅行には行きたいけれど、他のツアー客に移動中や食事中に煙草を吸われたり、 ホテルの部屋が臭かったりしてついためらってしまう人はかなりの数に上ると思う。 自分もそのうちの一人である。煙草を吸わない人専用の旅行デスクがあれば、 自分だったらそこで全てを買うと言い切れる。 商売敵ができるまでは、独占的に嫌煙客を取り込むことができる。

同様に、レンタカーやタクシー等も、禁煙車専用の組合を作れば、 自分だったら必ず加盟店のタクシーを利用する。 しっかりした組織があれば、禁煙を破ったものから損料を請求できるようにもなるだろう。


この話題での英語のページもご参照ください。 同じような内容ですが、表現を全く変えてあります。
Go to English Page on the same topc

健康増進法に関する報道について

2003/05/31記

健康増進法の内容については、
別の章に条文を示した。

ここでは、同法についてマスコミがどのように報道したかについて論じてみたい。
この主張の執筆時点で健康増進法施行から1ヶ月経過しているので、各社のウェブサイトからは、 既に消去されたものあるかもしれない。 しかし、2003/5/25時点で、朝日、読売、毎日と日経の主要各紙のウェブサイトの記事を検索し、 ヒットしたものから纏めてみた。既に失効した記事についてはコメントできないのでご容赦頂きたい。

以下に、各紙の報道内容のまとめを示す。 全文引用は著作権上の問題があるため、部分引用に留めたが、同一記事の中で禁煙反対派、 賛成派の意見が記載されている場合は、両方ともまとめて引用するように心掛けた。

下記に、各紙の報道内容を表にしてまとめて示す。

健康増進法についての大手新聞各社の報道概要
朝日
記事検索で多数ヒットした。各記事の関連記事にも"健康増進法"という字句のないものがあり、 実質は更に多い。また、同法とは直接関係はないが、5回にわたる禁煙特集は充実していた。

2003.04.21

5月1日から全730駅を禁煙化 関東私鉄10社

関東私鉄の大手など10社は21日、5月1日から全730駅を一斉に禁煙にすると発表した。 これまで構内に設けていた喫煙コーナーや灰皿を撤廃する。 他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の防止が盛り込まれた健康増進法が5月に施行されることや、 乗客からの要望が高いためと説明している。
(中略)
営団地下鉄と東京都営地下鉄は88年から禁煙にしている。 JR東日本も5月から東京都内の6駅(渋谷、池袋、日暮里、御茶ノ水、高田馬場、浜松町)で、 平日の午前7時半から2時間を全面禁煙にする。 これらの駅は、ホームの幅が狭いため、乗客がたばこの煙を避けにくいという。
健康増進法は第25条で「学校、体育館、病院、劇場など多数の者が利用する施設の管理者は、 受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう」求めている。

2003.05.01

たばこ煙防ぐ義務、駅・商店・旅館も 健康増進法施行

他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止を法的に義務づける健康増進法が1日施行される。 罰則のない努力義務とはいえ、対象は多数の人が利用する施設すべてとなる。 すでに公共施設や駅、高速道路のサービスエリアなどで全面禁煙にする動きも出ている。 厚生労働省は30日の都道府県への通知で、必要な措置の対象として、商店や旅館、タクシーなども明示した。
健康増進法は昨年7月に成立。「多数の者が利用する施設を管理する者」に受動喫煙防止に 「必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と求め、対象を学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、 展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、「その他」としていた。
今回の通知は「その他」はバス、タクシー、航空機、駅、屋外競技場、商店や旅館、金融機関、 美術館なども含まれると明示。 「全面禁煙は極めて有効」とし、 分煙する場合は、有害成分を取り除けない空気清浄機に頼らず、煙が漏れない喫煙場所を設けて外に排気するなど、 効果的な対策を提示している。
(後略)
2003.05.01

健康増進法施行日に…埼玉・草加市「たばこは市内で」と

健康増進法が施行され、関東の私鉄10社の駅が終日全面禁煙となった1日、埼玉県草加市は 「たばこは市内で買いましょうキャンペーン」を開始、 市内の私鉄駅利用者らに「ポイ捨てはやめましょう」などと呼びかけながら携帯用灰皿を配布した。 市税の落ち込みから「たばこ税」に目をつけた苦肉の策だが、嫌煙派市民は「結局は喫煙キャンペーンだ」 と反発している。
(中略)
木下博信市長は「税収増が目的で喫煙を奨励するのではない。 喫煙マナー向上もあわせて訴える」としているが、 全面禁煙となった駅前で灰皿を配られた東武伊勢崎線松原団地駅の駅員は、 「矛盾しているなあ」と渋い顔だった。
読売
2003/5/25時点で、キーワード"健康増進法"で過去6か月分の記事検索を行った結果、 64件がヒットした。
ウェブで掲載された記事だけではなく、紙面の記事が全部載っているようなので、 他より圧倒的に多いヒット件数になっており、内容も深く突っ込んだものとなっている。


2003.04.30

全面禁煙、JR及び腰 私鉄はあす灰皿一掃

東京夕刊-夕一面

◆JR東日本「長距離路線多いから…」
(中略)
公共施設での喫煙が問題視されるにつれて、たばこを吸わない人から「喫煙所の煙が気になる」 「分煙の効果がない」など苦情が年々増加。 朝夕ラッシュ時の禁煙タイムを守らない愛煙家も後を絶たず、 各社は健康増進法の施行で新たな対応を迫られていた。
あす一日から終日全面禁煙とする首都圏の私鉄大手八社に対し、 JR東日本は、渋谷、池袋など山手線六駅で午前九時半までの二時間を「時間帯禁煙」とするだけ。 JR東海、西日本も「新たな対策はない」という。

JR各社の言い分は、一部車内で喫煙できる新幹線や急行などの長距離電車を抱えており、 ホーム上だけ全面禁煙にするのは困難なため。 JR東日本は、「移動時間が長い路線が多く、現段階では喫煙者の要望も無視できない」と説明している。

一方、地下鉄は八七年のロンドン地下鉄火災で百人以上が死傷したのを機に、 営団と都営は翌年から全駅が終日全面禁煙となった。
厚生労働省生活習慣病対策室によると、たばこ対策の「基準」では、 「換気装置でたばこの煙を集め、一酸化炭素や浮遊粉じんを一定量以下に抑えなくてはならない」が、 これはあくまでも屋内での話。 ホーム上などの屋外には明確な基準がない。
同室では、「法の趣旨からすれば『全面禁煙』が望ましいが、屋外でも、 分煙の措置を取っているのであればとりあえず問題はない」としており、 各社の判断に任せるとしている。

〈健康増進法〉生活習慣病の予防、栄養調査の実施規定など、国民保健の向上が目的。 たばこの受動喫煙は、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、 百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設」の管理者に防止策を求めている。 現段階では罰則がなく、「努力義務規定」にとどまっている。

2003.05.02

健康増進法施行 南那須の園児ら、たばこの怖さ学ぶ 日光では条例施行=栃木

東京朝刊 栃木北

◆「たばこの煙って怖い」 南那須の園児ら学ぶ
他人のたばこの煙による受動喫煙を防ぐよう義務づけた「健康増進法」が一日から施行されたのを受け、 南那須町東原の町立つくし幼稚園で、園児三十二人がたばこの煙の怖さを学んだ。
(後略)
◆「歩きたばこ禁止です」 日光で条例施行PR
(記事省略)

2003.05.05

国会分煙に抵抗勢力!? 自民の愛煙家「一律規制いかがなものか」

東京朝刊  政治

国会議事堂内の分煙強化を進める動きが出ている。 公共施設の管理者に受動喫煙対策を義務づけた「健康増進法」が今月から施行されたためだ。
四月二十四日の参院議院運営委員会理事会では、民主党の簗瀬進氏が「国会議員が法律を作ったのだから、 率先して範を示すべきだ」と提案。 与野党から賛成意見が相次ぎ、空気清浄機の増設など具体策の検討に入った。
現在の国会は、衆院で本会議場と委員会室が禁煙。参院は本会議場を禁煙とし、 委員会室は「委員会ごとに対応が分かれている」(事務局)。 たばこを吸わない議員からは「この際、全面禁煙にすればいい」との意見も出ている。
しかし、これには青木参院幹事長ら愛煙家の多い自民党が、 「幹事長室など個人的に使う部屋まで一律に規制するのはいかがなものか」と反対している。
紫煙をめぐる「改革派」と「抵抗勢力」との攻防が続きそうだ。

2003.05.07

健康増進法施行 大手私鉄全面禁煙 広がる禁煙の波、非喫煙者からは好評=多摩

東京朝刊 多摩

◆喫煙者「時代の流れ仕方ない」
(記省略)事
◆駅に学校、百貨店も
健康増進法の施行で、公共的な施設は受動喫煙の防止策が求められているが、 私鉄以外にも、多摩地区の学校やホテルなどで禁煙化の動きが広がっている。
(中略)
八王子東急スクエアや高島屋立川店は、飲食店を除き店内を原則禁煙にしており、 「吸い殻を捨ててもらおう」と玄関付近に灰皿を置いている。 だが、「灰皿が置いてある所で吸う人もいる。 かといって灰皿をなくすとポイ捨てが増える」と対応の難しさを話す。
◆受動喫煙防止へ求められる対策 公共施設など
■非喫煙者からニコチン
都健康安全研究センター多摩支所(立川市)は、男女二百人余りの血液や尿を調べたところ、 九人の非喫煙者から本来ないはずのニコチンの代謝物が出たとして、一昨秋の日本公衆衛生学会で発表した。
同支所は、受動喫煙によってニコチンが体内に入ったためと見ている。 早藤知恵子主任研究員は「受動喫煙の害は明らか。分煙では完全な対策と言えないが、 健康増進法の施行によって現状よりは確実に前進するだろう」と期待している。
■“先駆者"のそば店
国立市でそば店「更科甚吾郎」を営む長瀬保夫さん(61)は禁煙化の“先駆者"。 「そばを味わう時に、たばこの強いにおいが気になる」と一九八〇年から店内を禁煙にした。
だが、禁煙を守らない人もいたため七年前、店内に「一吸一万円」の張り紙を出し、 ようやく定着させた。 「禁煙にしてから長居する人もいなく、お客さんの回転も早くなった」という効果も。 喫煙スペースが減りつつある現状に、長瀬さんは「喫煙者は肩身が狭いというが、 吸わない人はこれまでもっと肩身の狭い思いをしてきた」と話す。
〈メモ〉
ニコチンたばこに二百種類以上含まれる有害物質のうちの一つ。 猛毒で致死量は体重1キロ・グラム当たり1ミリ・グラム。 神経や小脳などを刺激・まひさせる強い薬理作用があり、たばこ依存症を引き起こすほか、 発がん性もあるとされる。
毎日
2003/5/25時点で、キーワード"健康増進法"で記事検索を行った結果、 2件がヒットした。

2003.04.21
関東の大手私鉄8社の全駅で実施 5月1日から 

-以下部分引用-
 8社とも分煙策として駅のコンコースやホームなどに喫煙コーナーを設置してきたが、  利用客から「たばこの煙が気になる」「周辺が汚い」などの苦情が絶えなかった。

2003.05.01
関東の大手私鉄全駅で終日ノースモーキング 

-以下記事の部分引用-
 
 同法は、生活習慣の見直しで病気を予防することなどを目的として、昨年7月に成立した。 多数の人が利用する施設の管理者は、他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」 を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない努力義務規定 (25条)が盛り込まれている。 受動喫煙の防止責任は喫煙者本人ではなく、その場所の管理者が負うと法律で明記したのは初めて。 ただし罰則はない。
(中略)
 “紫煙追放"が公表されて以来、各私鉄やJR東日本には問い合わせが相次いだが、 8対2の割合で賛成派が多かった。  一方、日本道路公団は高速道路のサービスエリアなど530カ所の全施設で原則禁煙か分煙とした。 レストランや売店などの業者に禁煙か分煙にするよう依頼しており、 同公団は「状況を把握するのはこれから」と話している。
 日本人男性の喫煙率は45.9%と先進国の中でトップクラス。 喫煙によって増加している医療費は約1兆3000億円と試算されている。 
 ■分煙なら完全に 
 健康増進法の対象となるのは、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、 百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、その他の施設。 厚生労働省は先月30日に出した都道府県への通知で、「その他の施設」にはバス、タクシー、 航空機、旅客船、旅館、金融機関なども含まれると明示した。 全面禁煙が「極めて有効」としているが、分煙にする場合は空気清浄機よりも、 喫煙場所の空気を屋外に排気する方法を勧めている。
日経
2003/5/25時点で、キーワード"健康増進法"で記事検索を行った結果、2件がヒットした。

日付:2003/04/21
首都圏の私鉄、5月から駅を全面禁煙に

-以下記事の部分引用-

これら各社では、ラッシュ時の禁煙タイムの設定や分煙化などを、これまでも進めてきたが、 乗客から「禁煙時間が守られていない」(小田急)、「煙が喫煙所以外にも流れ込んでいる」 (京成)などとの苦情が多く寄せられていたという。

-- 日付:2003/05/01
私鉄駅、高速道路など全面禁煙化の動き

-以下記事の部分引用-
灰皿が撤去された私鉄駅構内では1日午前、吸わない通勤客から「駅の全面禁煙ぐらいではまだまだ」、
愛煙家からは「今まで電車待ちで一本吸うのが楽しみだったのに…。 喫煙者の自由がますます奪われる」との声が漏れた。

 以上のように、健康増進法施行の報道はつつましやかだった。 筆者が問題だと思ったのは、見出しに"健康増進法"という文字が見られない記事が多かったことである。 本来だったら、"禁煙化..."のような見出しではなく、"健康増進法施行-禁煙化...."とすべきであったと思う。 なぜなら、"禁..."="拘束が多くて住みにくい社会"ということを暗示するからである。 健康増進法そのものには問題もあるが、煙草の加害性を明示したことは画期的であったし、 せめて条文や成立時期位は言及すべきではなかったかと思う。

 朝日、読売を見る限り、煙草問題に対して真剣に取組もうという姿勢が一部見られたが、 その他では、ほんの数行プラスアルファ程度の記事しか見られることはなかった。

 健康増進法の成立は、2002年8月である。これが成立した時点でも報道は殆どされていなかった。 このため、この法律自体も、広く世に知られることはなかった。 この法律をある程度有名にしたのは、関東私鉄各社が駅構内を全て禁煙にしたことと、 高速のサービスエリア内の食堂を全て禁煙にすることに決定したというニュースであった。 しかし、表にまとめて示したように、肝心の施行日には、報道もごく控えめなものが多かった。 煙草広告の謎の章で記した通り、 煙草販売にとって都合の悪い報道は控えるという説を裏付けるような姿勢の新聞社もあった。



 それにしても、巷を廻ると、禁煙にされている飲食店など殆ど見ない。 健康増進法など何処吹く風だ。 いくつかの店では、健康増進法によって間接喫煙の被害を防止する措置が義務付けられていることを伝えたら、 法律そのものを知らなかったが、その内容を知って驚いた風であった。
 今後、少しでも禁煙の飲食店を増やすために、同法を記した カードを携帯し、引き渡そうと思っている。 このページの読者の方々も是非ご協力頂きたくお願い致します。


注意

 著作権問題があるので、全文引用は行わず、また、記事への直接リンクは、 時間切れ失効になることが予め分っているのと、各社が嫌っているため、差し控えた。
但し、文意を無視した部分引用は行っていない。

飲食店の禁煙化に向けて

2003/05/31記

飲食店が禁煙というのは、元来から当然のことだ。 それなのに、実際には禁煙にするどころか、煙草を 奨励するような飲食店があったりする。 そして、
健康増進法の施行後も改善の歩みは遅い。

飲食店は禁煙が当然というのは、理屈で考えれば当然だが、その当然は全く理解されていない。 ここで、飲食店の喫煙が不適切な理由をもう一度整理する。

(0) 健康に悪い。不快である。

これは、飲食店に関係なく、どこでも共通のことなので、欄外とする。

(1) 臭いが強い。
食事をするのに、嗅覚は非常に重要だ。何故なら、 嗅覚は、食して良い物と悪いもの を区別するのに必要であり、 生物が身を守るための不可欠の感覚だからだ。 食事の際に、煙草の臭いを加えるということは、その生存本能を発揮するのに不都合なノイズを注入することだ。 例えるならば、英語の聞き取りテストの最中に、右翼の演説が始まったようなものだ。

また、これは、人間が他の動物と違う点かもしれないが、食事の楽しみの中に、香りを楽しむという部分がある。 食事には、生命体の維持という目的のほかに、 味わうとか食を楽しむという要素があることを否定する人はあまりいないだろう。 他人の食事中に傍らで煙草を吸うというのは、味わう 楽しみを強引に奪い取るものだ。 そんな権利は認められるはずがない。

また、、煙草の臭いの他の臭いと異なるところは、臭いが物理的に残存するところだ。 煙草の煙が服や髪等に付くと数時間位では取れない。 したがって、食事する空間ではいかなるときに煙草を吸っても、他人を害することになる。

排泄物の臭い等は、記憶には留まるが、服や髪に付着して残存し続けるほどのものではない。 したがって、煙草は排泄物より質が悪いと云えるだろう。

(2) 煙い。
煙は味覚と嗅覚に大きなノイズとなる。 生存本能の維持に重大な障害を与えるものだ。

(3) その他
食事中はその場から逃げられないというのは、当然認識すべきことだろう。

飲食店での喫煙はこんなに悪いことしかないのに、2003年5月現在でも、未だに対策は殆ど取られていない。 筆者の職場の近くは、千代田区の路上禁煙地域であるせいか、飲食店での喫煙をむしろ奨励しているような雰囲気が感じられて、 禁煙の飲食店が殆ど見つけられない。 なぜ、未だにこのような狂った風潮が続いているのだろうか。
飲食店での喫煙は、店にとって悪いことしかないことは、既に本文の 飲食店や鉄道事業の例で、述べたように明らかである。 だから、飲食店の側からどんどん禁煙化を進めてゆくのが、店と客の双方にとって望ましいことである。

禁煙店のPR

では、飲食店側からは、どのようにしてPRしたら良いのだろうか?筆者はキャッチフレーズを幾つか考えてみた。

禁煙店のキャッチフレーズ案

キャッチフレーズ
本音
料理の香りも楽しみましょう
料理の微妙な味と香りを楽しんでください。 インチキな素材など使っていません、それだけ気を使って調理してるのですよ、 というアピールになる。
皆で気持ちよく食事を楽しみましょう
煙草をやめてくれとは直接は云いにくいが、 煙草を不快に感じる人が数多いことは云っても良いだろう。
日本橋高島屋の地下食堂には、健康増進法成立のかなり前からこのような意味の注意書きがしてある。 大いに評価すべきだろう(因みにここの料理には結構いけるものがある)。
健康増進法を遵守しています
法令を遵守する優良店であることをアピールすると共に、 文句を云う客に対しては、"法律だから"とやんわり断る効果がある。
空気の美味しいレストラン
月並みだが、臭くしないのもサービスの内だということである。
反面、煙草呑みには嫌われるかもしれないので要注意だ

また、禁煙に力を入れたい飲食店では、良くわかるところに、禁煙の表示をすべきであると同時に、 客が煙草を咥えて入ってくることのないよう気を配らなければならない。 また、禁煙にするということは、顧客の味覚や嗅覚が研ぎ澄まされる ことを意味する、そのため、味に対する顧客の評価は、厳しくなることもあるだろう。 化学調味料に頼った味付けや、必要以上に濃い味付けは、厳しく評価されることを覚悟すべきだろう。

このように、禁煙化を進めてゆくと良心的な店だけが生き残れるようになる。 煙草で味の悪さを誤魔化していた店は、通用しなくなるだろう。 そのような真剣さのある料理店には是非繁盛して頂きたいと願っている。 しかし、味に拘らない(当然、安全性には拘らない)料理店主は退場して欲しい。

尚、飲食店の経営者の方で、これを読んで賛同する方がいらっしゃったらご連絡下さい。 是非応援させて頂きます。

Smoke Stinks

おまけ‐煙草の味覚への影響
誰が、最初の発言者かは分からないが、喫煙者は濃い味付けを好む傾向があるという。 煙草のヤニが常時口の中に残っているのだから、当然といえば当然で、検証する必要もないと思う。 嗅覚については更に悲惨で、微妙な香りの差は当然判別しにくくなる。 だから、料理人は、煙草を吸ってはいけないのだ。 ところが何故か煙草を吸う料理人は多い。恐らく、煙草の普及に伴って食文化が破壊されてきたのだろう。

筆者には大いに気になっていることがある。 それは、食品の味の平坦化傾向である。 例えば、カップ麺等は、不本意ながら、仕事の都合で結構な量を食べた。 しかし、筆者にはどれも同じように感じたのである。 表面的には別な味だがどこかで繋がっている。 どうもそれは、化学調味料の味らしい。 筆者は化学調味料が大嫌いなので、自宅には化学調味料を置いていない。 また、醤油や塩は、厳選されたものを購入している。 だから、自宅では素材の味が良く分かるのだが、外食すると殆どは同じ味に思える。 特にファミリーレストランは、どこも同じような味がする。 また、どこに行っても味付けが異様に濃い。 カップ麺等は、スープの素を半分入れれば十分な濃さになると思う。

この味の平坦化傾向の原因は煙草ではないかと思っている。つまり下記のような論理になる。

喫煙者は、味の微妙な差を判定できない

塩分を多くする

化学調味料を多くする

同じような味になる

このようにして、子供の頃から同じ味に慣らされて味覚オンチになり、塩分を多く摂取するようになり、 更に成人病が増える。しかし、これは、煙草による疾病には含まれていない。

重要な問題だと思うが、このような議論は見ることがない。"なんでだろう〜?"の気分だ。

怠け者をつくる社会‐煙草問 題から離れて

2003/05/25記

煙草に関する一連の話題から離れて小休止したい。

 日本の世の中は、第二次大戦後一旦目覚しく復興していった。 しかし、1990年頃から次第に怪しくなり、2003年の今も、深刻な不況に苦しんでいる。 不況の原因は諸説が飛び交っているが、私は、不況の根本原因が、 怠け者を育成する社会にあったのだと思っている。
 30年前は、日本の児童・生徒は世界有数の学力を誇っていた。 しかし、どんどん学力が低下し、2003年現在では、例えば英語の場合、 日本はアジア諸国の中で、北朝鮮に続いて下から2位という現状である。
 大学生の低脳化も相当進んでいるようだ。 かつて筆者が働いていた会社では、1980年代末頃から何年間かバブル景気でエンジニアを大量に採用した。 それまでは、指定校以外からは殆ど採用していなかったのだが、バブル期は、枠を広げて、 指定校以外からも広く採用するようになった。 そのなかの1名が、私の下に付いたのであるが、彼の低学力は甚だしかった。 議事録を書かせると小学生(低学年)の作文のようだったし、 連立方程式が解けなかったというのも驚きだった。 彼は、一応、"有名"私立大学の卒業生である。 彼の低学力には失望を通り越して、言葉を失ってしまった。 特別な例かもしれないが、別の会社に勤めていた友人も、バブル期には、 凄いのがたくさん入ってきた、と嘆いていたので、全体の傾向としてはそうは違わないだろう。

 完全に脱線しているが、言いたかったのは、社会そのものが、 駄目な人材を育成する構造になっているのではないかということである。

 現在は、官僚社会であり、法律さえも、本来の三権分立の精神を逸脱して、 官僚が法案を作成し、国会で承認するものが殆どである。 形式上は、三権分立に反していないが、その精神は全く無視されていると言って良い。 このような状態なので、多くの法律は、細則を政令などの命令に委ねており、 中には、通達で律しようという不届きな運用を平然と行っている。 こうした、行過ぎた行政裁量によって、官僚が自己増殖し、努力しなくてもお金が入ってくる、 いわゆる官僚による利権の温床を生み出している。 努力しなくても利益を得られるのに慣れてしまうと、生産性が著しく低下し、 大量の低脳者を輩出するようになる。 低収益の代表例は、日本国有鉄道だが、現在でも、負の生産性を誇る公団、 事業団、第三セクター等が数え切れないほど存在している。 一時期話題になった特殊法人も、独立行政法人のように組織を変え、増殖を続けている。 人体で言えば、病気の末期症状のようであり、ウィルス駆除が、 増殖に全く付いていかないというところだろう。 これが、駄目な人材を育成する社会構造なのである。 資源が有限であることが理解できれば、こうした利権の温床に甘んじることが、 反社会的な行為であることは自明なのだが、何故か、こうした自明なことを理解できない人が多い。

 行政批判をしていても、埒が空きそうにないので、 この駄文を読んでくださっている読者に一つだけ提案したい。それは、誰でもできることである。

最高裁判所裁判官の国民審査‐政治を変えるための簡単な方法‐


 最も手っ取り早く民意を反映させる方法は、行政寄りの裁判官を選ばないことである。 例えば、自衛隊の問題などは、何度も問題になりながらも、最後は政治問題(高度に政治的な問題であるため、 違憲審査に適さないと言って逃げる)としてお茶を濁したり、1票の格差については、 "違憲状態"としてうやむやに終わらせることが多い。 通説では、2倍の格差があれば違憲と言われるが、筆者の個人的な感覚では、精々1.1倍の格差が上限である。
 勿論煙草訴訟についても、上記と同様に逃げられるであろうので、現在進行中の裁判結果を見守るのは重要である。 そのうえで、行政寄りの判決を行った裁判官を落とすようにするれば、 時間はかかるが確実に民意を反映させることができる。
 要は、最高裁判所の違憲審査の機能を十分に活用しようというだけである。

2015/08/16注: 最高裁判所裁判官の国民審査について、それが有効な手法であることは間違いありません。
筆者は、この元の文章を書いた時点から、考え方が少しずつ変わってきており、今は、 上記の主張が正しいことであるとは考えていません。
例えば、一票の格差については、格差を作る政策が問題なのであって、結果として格差が付くこと 自体は、違憲かどうかの対象になっていないのではないかという疑いがあります。
政治問題(違憲審査の対象外)というのは、逃げ方のひとつであるが、こうした逃げを使わずに、 合憲である、と云うほうが良いのではないかと思います。


怠け者を育成するシステムの一つに、ギャンブルがある。 公営ギャンブルは、官僚の裁量で資金を収集できる利権の温 床になっている。自己管理のできない人 間は、仕事を捨て、ギャンブルに全てを使い、身を崩す。ギャンブルがなければ、 こういう人々をどれだけ救えるだろうか?こうした負の成果がなければ、 国としての生産性は上がり、国際競争力は確実に増してゆく。

 ここまでの議論を読まれた方は、これが本文で指摘した煙草問題と類似性があることに おそらく気づいておられるだろう。 最後に、社会構造から見た煙草の問題について指摘する。


煙草販売も利権の温床


 下の図に、煙草資金の流れを示す。 数字は、たばこ会社の資料からの数字から、日本全体の数字を推定したものである。 正確なものではないが、詳細を議論し直さなければならないほどかけ離れた数字ではないと思う。 大きな間違いまたは正確な数字の調査先をご存知の方がいらっしゃったらご連絡ください。

 全体で4兆7,650億円に上る資金の流れの中で、 最も大きなものが2兆9,230億円に及ぶ税金である。 まず、この税金は、安易に徴収した税金であるか否かに関わらず、他の税金と同様に、 官僚の利権の温床に多くが消えてゆく。

 次に大きなのが、たばこ製造/販売会社に流れた1兆3,650億円になる資金である。 この中には、販売促進費用や原材料仕入れ費用、製造費用等を含む通常の営業活動で得た資金である。 本文で書いたように、この資金は、従業員らが別の目的で消費するまでは、煙草関連以外の産業には流れてゆかない (これが、資金の正常な流動を阻害する、いわゆる非経済効果)。 営業活動で得た資金であっても、商品には特殊性があり、事実上国家公認で独占権を得ているので、 これも利権の温床と呼ぶべきだろう。

 最後に一番小さく見えるのが、たばこ小売店に流れた4,700億円である。 このなかでは小さく見えるが、数字だけを見れば莫大な金額である。 これは、たばこを販売したことによる収益である。 たばこ広告等は全て上記の製造/販売会社が行っているので、小売店はこうした支出が必要ない。 それなのに煙草会社の1/3超の取り分がある。 煙草会社の取り分には製造・販売促進費用を含んでいるが、小売店はただ仲介するだけである。 営業努力抜きで転がってきた泡銭と言えるだろう。まさに、煙草利権の温床となっている。

煙草広告の謎

2003/05/18記

筆者の場合、煙草にはいつも悩まされているので、煙草の広告など見ることはなかった。 しかし、このような随筆を書くようになって、煙草広告もじっくり見るようになった。 よくよく眺めてみると、不思議なことがある。下記は、筆者の感じた疑問である。

(1)販売会社名がない?

 地下鉄の社内広告の2割位は常時、煙草の広告で占められている。 煙草の広告は特に見やすい、即ち、広告料が高額であるであろう場所を占めていいる。
 最近気付いたのだが、輸入品と思われる銘柄の広告には、販売会社名が表示されていない。 JTは、左上に小さくロゴだけを表示しているが、JTにしても、 社名、問合せ先等は表示していない。
 普通だったら、広告には誰が販売しているかというのは、重要な情報である。 それに広告を見て興味があれば、問合せたいこともある。 しかし、何故か、煙草の広告にはその情報がない。消費者は疑問に思わないのだろうか?

(2)煙草のイメージカラーは青?

 煙草の広告ポスターは、大抵青色である。次に多いのが緑色だ。 JTは、青色が多く、その他は緑色が多いようだ。 どちらも煙草には、さわやか、爽快なイメージを持ってもらいたいらしい。
 実際は、爽やかな空間であっても、誰かが煙草を吸ったとたんに、 悪臭が立ちこめる劣悪で憂鬱な空間に早変わりしてしまうのだが、 このギャップは如何なものだろうか? 筆者から見れば、煙草のイメージカラーは、黒に近い灰色である。

(3)テレビ番組の喫煙シーンは広告なの?

 テレビドラマでは、主人公や重要な役柄の俳優が、煙草を吸っているのを良く見る。 しかも、俳優本人は、喫煙習慣がなかったりすることもあるそうだ。 幾つかのドラマを見た限りでは、煙草を吸うことが、ドラマの本質と関係があるとは思えなかった。 子供向けアニメでも、主人公らしき人物が常に煙草を咥えているものがあり、考え物だと思う。 米国等では、喫煙場面が規制されており、テレビで喫煙場面を見ることは滅多に無かった (子供は煙草に手を出すなという内容の広告は1週間の出張でも何度か見た。 しかも、その他の麻薬と同等に扱われていた)。
 一説によると煙草会社が、番組制作会社に裏金を渡しているというが、 実際のところどうなのだろう?この説に信憑性があると思っているのは筆者だけだろうか?
 筆者はドラマの主人公の喫煙場面を見ると、その後見る意欲が失せてしまう。 NHKだけは、喫煙場面が少なめなのは何故だろう?

(4)なぜ煙草会社は夜のニュース番組のスポンサーをするの?

 夜のニュースを見ると、必ず煙草の広告を見せられる。広告自体は、 どうでもいいようなマナー広告である。 しかも、悪いマナーを映して喫煙者のマナー向上を喚起するのではなく、 どうでもいいイメージこだけである。 例えば、公園で、携帯灰皿を持って、"いい人に見えるかな?"なんて、愚の骨頂である。 いい人は、子供の遊ぶところで煙草など吸うわけがない。
 そして、夜のニュースは、煙草関係のニュースを流さない。 最近では、世界禁煙デーや、煙草消費量の低減に関する国際条約の批准など重要なニュースがあったのに、 殆ど報道しなかったのである。 報道する場合には、必ずといっていいほど、レポーターが、煙草否定に批判的なコメントをする (しかし、良く見ると煙草を吸わないと思われるスタッフが陰で困った顔をしているのが 見て取れるのは興味深い)。
 こうした、不作為(煙草に都合の悪い報道をしないこと)は、 テレビCMを流し続けるよりはるかに大きな効果があるのだろう。 これでは、煙草の害に関する情報を隠蔽していると非難されても止むを得まい。

 健康増進法の施行を前に、NHKの夕方の番組では、煙草の害に関する特集をやっていたが、 民法では、その類の特集は滅多に見ない。 陰で大きな力が働いていると思うのは筆者だけではないだろう。

(5)煙草会社はどうして雑誌の広告を多く出すのだろう?

 これもニュース番組と同様、広告を見て欲しいのではなく、 煙草に否定的な記事を書かせないのが主な目的だろうか? 専門的な雑誌には煙草の広告は見ないが、偶に大衆誌を見ると必ず煙草の広告がでかでかと出ている。 特に、未成年が読みたそうな雑誌は、煙草の広告だらけだったりする。

喫煙の依存性に対する疑問 ‐殆どは単なる癖ではないだろうか?

2003/05/13記

 煙草は依存性の薬物であるという。 これは、ずっと以前から定説になっているようなので正しいものであると思う。 ここでは、煙草の依存性に対する珍説を唱えてみたい。

 本文のところに、"薬物依存"と書いておきながら、珍説を唱えたくなった理由は、 読売新聞サイトにある大手小町の大麻の合法化の是非を議論しているスレッドを読んだためである。 このスレッドの発端は、ある芸能人が大麻を合法化したほうがよいとの見解を示したと報道されたこと の是非を問うものだったのだが、スレッドの議論は、大麻の有害性や依存性についてコメントするものが多かった。 更に煙草との比較も散見されたので、単純に薬物依存性で一刀両断する見解に疑問を持ち始めたのである。

 実際に文献等を調べた訳ではないので恐縮であるが、上記の大手小町への返信投稿によると、 大麻には依存性のある薬物はないということであった。 煙草より害が少ないという投稿もあった。 煙草より害が少ないという説は、30年近く前に読んだ雑誌にも書いてあったのを記憶している。
 大手小町の議論ではいつも結論が出ることは少なく、今回も例外ではないが、 大麻には依存性の薬物が含有されていないので危険ではない、 というように解釈できる記述があったのが大いに気になった。 物事の是非を論じるのに依存性に過剰に焦点を当てるべきでないと考えるからだ。

 当初の議論に戻って喫煙の依存性について考察してみたい。
 喫煙の依存性は薬物依存であるというのが、定説である。 しかし、筆者は、多くの場合、喫煙の依存性は"行為依存"であると思える。 行為依存の例として、ギャンブル依存、万引依存、虐待行為依存のようなものがある。 もっと云えば、野球観戦依存やゴルフ依存のようなものもあるだろう。 野球観戦など相当な依存性があるように思える。 野球愛好者は、お気に入りのチームが勝つと、スポーツニュースを全部見て、 翌日のスポーツ新聞を全部買う、というような人もざらに居る。 そしてこれは、野球の試合が無くなり、つまり、供給が絶たれる(すなわち、シーズンが終わる) まで延々と続くのだ。別にこれらに限ったものではなく、生活習慣の多くは何らかの依存性があるのではないかと思う。 だからと云ってこれらを全部無くしてしまうという議論など成り立つはずはない。

 喫煙行為というのはこれに似ていないだろうか? つまり、習慣としての喫煙は薬物を摂取するのが目的なのではなく、喫煙行為の依存症だという仮説である。 勿論、薬物依存説を否定するのではない。薬物依存症になる前の、行為依存症で止まっている人が大勢居るのではないか、 また、禁煙外来を訪れる患者が簡単に治癒しない理由は、行為依存症も同時に患っているためではないか、 というのが、この説の論点である。

 筆者は医師でも科学者でもないので、臨床試験をすることはできないが、 喫煙習慣が行為依存であると感じる例はたくさんある。

例1:
 喫茶店でタバコに火を点ける若い女性の動作がなんとなくぎこちない。 火をつけたあとは、ずっとそのままであり、吸い込むのは1本あたり数回しかない。 議論とは関係ないが、これは、副流煙を最大限に発生する吸い方で最悪のマナーである。

例2:
 チェーンスモカー。煙草に火を点けていないと気がすまない。会議中でも煙草の火を絶やすことがない。 これも副流煙の最大化に貢献している、最悪の喫煙方法である。

例3:
 煙を吸い込まず、吹かすだけである。吸い込んでも決して肺の奥まで入れることはしない。 煙を吐き出すのが楽しい子供のようなものかもしれない。

 筆者が行為依存であると考える理由は、上記の何れの吸い方も、薬物摂取としては、効率が悪すぎるからである。 煙草の煙中で依存性のある薬物の代表格がニコチンとされているが、ニコチンを取るなら他に幾らでも方法はある。 それなのに"喫煙行為"をしなければ気が収まらないのが煙草呑みの特徴だと思う。 本当の薬物中毒であれば、禁煙外来等の治療で治るはずだが、実際は治療が難しいのは、 薬物依存だけでなく行為依存の要因が大きいと考えれば納得できる。

 1980年代に流行った、"禁煙パイポ"という商品は、"口唇欲"を根拠として開発されたということだ。 すなわち、赤ん坊がおしゃぶりをすると納得するのと同じ理屈ということであった。これも行為依存の例だと思う。

 煙草呑みを薬物依存だと一刀両断するのは簡単であるが、そのように、軽蔑したり、特別視したりするのではなく、 生活習慣上の癖であると考えてみたらどうだろうか?そうすると、癖を修正するだけで、随分とマナーは改善されるはずだ。

荒し行為について

2003/05/13記

 煙草の話題になると、敏感に反応する人々が相当数いる。それだけ煙草の問題については関心が集まるのだろう。

電子掲示板を見ていると、煙草問題については、煙害被害者の立場から論じる人が圧倒的に多い。 これだけでは絶対数は把握できないが、筆者は、こうした煙害被害者の活発な書き込みは、インターネットの世界では、 生身の人間と対面することなく、自由に討論できるためだと考えている。

BOTTOMLINE
実際の生活で、喫煙者に対して直接苦情を言うのは、耐えがたい苦痛である。 我侭だとののしられたり陰口をたたかれるのはまだ良い方で、場合によっては暴力を振るわれたり殺されたりするだろう。
本文で書いたように、他人に対して迷惑を掛けても何とも思わないからこそ、迷惑喫煙行為ができるのだ。 面と向かって抗議するには、警護隊を同伴しなければ難しい。

インターネットの議論に活発に参加する煙害被害者は、通常の生活では相当な苦痛を強いられているはずだ。 そして、苦痛に耐えながらも何も出来ない被害者は、これ以外に相当数に上ると推定できる。 こうした新勢力を抑えることを仕事にしているかのような人々が居るようだ。 「ようだ」と書いたのは、個人で調査できるようなことではないので、ネット上の議論を読んで自分なりに考察したからである。

かつて有名だった「歩きたばこに一言言いたい」の掲示板を、暫くの間観察してきて、分ったことがある。 それは、煙草利権者の工作員らしきものが存在するということだ。 このような不審な人物をここでは、「煙草工作員」と呼んで議論を進める。

既に繰り返したように、煙草の煙や臭いを苦痛に感じる、或いは、それによって生命の危機に瀕する人々に対して、 「煙草の煙は苦痛ではないよ」と説得することは無意味だ。 このことは、工作員も承知しているので、彼らは、議論が盛り上がってくると徹底した荒し行為に出る。 荒しの方法も、だんだん巧妙化してきて、見分け方が難しくなってきた部分がある。 このような手口のまとめと、対処法の提案を以下に述べる。


‐掲示板荒らしの手口‐

(1)DEL攻撃
最近、よく使われるのが、削除人によりる意見またはスレッド全体の削除だ。 一見中立の立場を見せておいて、正当な煙草批判のスレッドが立ち上がると即座に削除する。 削除までの時間が数時間と短いので、荒らされたことにも気付かせない、最も効果的な方法である。 筆者はこれを「DEL攻撃」と名付けた。

しかしながら、工作員を削除人として送り込むことの難しい掲示板では、DEL攻撃は適用できない。 したがって下記に示す方法を用いる。

(2)DW攻撃

この言葉は、筆者が勝手に命名した用語で、ゴミを投げ込んでサービスを停止する方法(Damping Waste)を指す。意味の無い絵や文書をスレッドの中に大量に書き込む。 これによって、読者がスレッドを追うことを困難にする。

(3)MP攻撃
いろいろな人に成りすますこととにより、論点を逸らせ、読者の参加を諦めさせる方法で、 筆者はこれをMP(Multiple Pretender)攻撃と命名した。 過剰なMP攻撃は結局DW攻撃となる。 一見まともな議論のように見せられるのがミソで、騙される人もいるかも知れない。
MP攻撃の特長は、非喫煙者と自称することだ。 「自分は煙草を吸わないが、一連の意見は喫煙者の人格までも否定し、喫煙権を損なうもので....」 といった感じのものが多い。 筆者には信じられないが、本当にこのようなことを考える非喫煙者も居るらしいので、 それらに便乗した攻撃方法である。上記の例文であれば、一見すると正当な主張のように感じられるが、 議論としては、完全な横槍である。 何故なら、本来の主張である、被害者の救済という観点を無視しているからだ。 煙草を苦痛に感じる人が、苦痛を訴えるのに対して、我慢しないほうが悪いと言っているのに等しい。 このような前置きで、その後に、「だから、迷惑喫煙を止めさせて、 喫煙者にも自由に吸わせるにはこうしたらいいのではないか...」と続けば正当な意見である。

(4)EGO攻撃 

「そんなことを言うなら喫煙者はどこで吸ったらいいんだ!!!」と文句を言う。 単にわがままで無知なだけなので、エゴ攻撃と名付けた。 煙草に苦しめられている人に対してこのような主張をすること自体が不当である。 例えるならば、公害訴訟を起こされた企業が、「そういうなら一体排ガスをどこに捨てればいいんだ〜!!!」 と主張するのに等しい。「処理してから捨てなさい」という自明の回答がでる。 だから企業は大金を投じて排水、排ガス処理を行っている。 個人の排煙だけ別な理論で押し切ろうとすることに疑問はないのだろうか? しかも、現在は、大気汚染よりも煙草汚染のほうが深刻になっているのが実情である。

個人の場合は、排ガス処理装置を携帯することはできないので、 設備の整った喫煙場で排煙するというのが2つしかない答のうちのひとつである。
もうひとつの答は?‐ 煙草を吸わないことである (或いは、噛みタバコや嗅ぎタバコを使用することも可能な選択肢かもしれない)。
以上はどこでも煙草を吸いたい人にとっては苦痛だろうが、それに付き合わされるほうの苦痛はその何倍だろうか? 少なくとも2倍という控えめな数字は出せない。敢えて云えば100万倍以上だろう。

EGO攻撃は、工作員の仕業ではない場合もあるだろうが、わがまま喫煙者を煽動する効果はあるだろう。

工作員にとっては、煙草が売れればそれでいいので、ユーザーがまともであるか、 わがままであるかの区別は必要ない。 だからこのような情けない攻撃を仕掛けたりするのだろう。 本来だったら、健全な煙草文化の発展のために、迷惑喫煙者を指導する立場にあってしかるべきなのだが...

(5)MESS攻撃

DW攻撃の一態様とも考えられるが、猥褻画像を貼付たり、読者の端末を不正操作するスクリプト (最も簡単な例が、ページを無限に開かせてブラウザや或いはOS自体ををダウンさせるスクリプト=所謂"ブラクラ") を埋め込んだりする。 英語のmess(台無しにする)をとってMESS攻撃と名付けた。性質が悪いが、 タグやスクリプトを埋め込まないようにするだけである程度対策できる。

‐荒らしの手口まとめ‐
攻撃名称
内容
DEL攻撃(元から削除)
都合の悪いものは全部消してしまえ!
一般人にはできないだろうな...
DW攻撃(ゴミの大量投棄)
臭いものにはフタ。
無意味な内容の大量投稿でサービスを実質停止させる。
MP攻撃(なりすまし)
うちのお父さんの楽しみを奪わないでください...
EGO攻撃(エゴ丸出し)
そんなことを言うなら喫煙者はどこで吸ったらいいんだ!!!
(被害者の人権とどっちが重要なんだか...)
喫煙者の煽動効果を狙う。
MESS攻撃(積極的詐害)
ブラクラや猥褻画像の貼付等
サービスの実質停止が目的。


掲示板を荒らされないために

 インターネットの掲示板を充実した議論の場にしたい‐これが多くのサイト管理者の希望だろう。

だから、荒し行為は徹底して排除するのが、サイトを公開してしまった者の義務になる。 筆者も、掲示板は公開したいのだが、残念ながら、未だ、対策ができていないので、専用の掲示板は儲けていない。 いずれ対策ができるようになったら、自分だけでなく、 他の方にも無償貸与して充実した掲示板を作っていきたいが、今はまだ、セキュリティ対策も万全ではないので、 敢えて、国外で運営している無償のウェブサーバを使用している状態である。 国外で運営するサーバを使用することによって、攻撃者から見た敷居を多少なりとも高くみせたいという気持ちもある。

以下に、掲示板を荒らされないための方法について思いつくものを列挙する。

1
特定の個人である喫煙者攻撃をしない。 また、煙草会社の中傷を書かない。
どうしても必要があるときは、ウェブページそのものに正々堂々と批判記事書くようにする。
しかし、掲示板が不満のはけ口になっているのは、事実なので、不満を公示する効果はなくさないよう、 読者を上手にガイドするよう心掛けよう。
2
投稿者のサーバ名を自動表示する (心理的な抑止効果を狙う)。
3
荒し記事を発見したら、警告の上削除する。
少なくとも一度は実績があれば、牽制する効果はある。
4
荒し記事が続いたら、特定のサーバからの書込みを禁止にする。
5
公開されているプロキシサーバからの書込みを禁止する。
荒らしは、プロキシサーバを使うに決まっている。身元を明かしたくないからだ。 善良なユーザから見ると怪しげなプロキシサーバを使うメリットは全く無いので、使用禁止にしても問題はないだろう。
6
タグやスクリプトを使用できないようにする。 スクリプトは特に危険である。
7
荒しと看做すガイドラインを明示する。


上記の2、4、5は、無償サーバでは難しいかもしれない。有償のサービスだったら自分で管理できると思う。 しかし、1、3、6、7は、最低でも実行しなければならない。

煙草の諸問題(補足)

2003/05/08記

本文で、
煙草の矛盾点について概要を指摘した。 また、"お互い様という言葉"のところでは、非喫煙者は、 喫煙者よりも煙草の分だけは少なく迷惑を掛けているという内容を書いた。 しかし、これでは説明が不十分だと感じた方もいるかもしれない。 自分は、"喫煙者は煙草以外についても、非喫煙者より多くの迷惑を掛けている"と感じる。 ここでは、その点も含めて、煙草に関する諸問題について論じる。



全てのポイ捨ては煙草から始まる

煙草のポイ捨ては論外だが、それ以外にも多くのポイ捨てがある。 空き缶、通常のゴミから、不法投棄まで様々だ。自分はポイ捨てをしないので、 このような行為には憤りを感じる。誰だって、きれいな街に暮らしたいはずだ。
ところが、現実には件数として一番多いのは、煙草のポイ捨てだろう。この行為の一番困ることは、" ポイ捨て行為に対しての倫理的抵抗感を弱める"ということだ。 物体として小さな煙草から始まり、煙草の箱、空き缶その他、ポイ捨てが連鎖的に広がって行く。 煙草をポイ捨てする親を持つ子は真似をする。 更には、それを見ていた別の子、別な大人も真似をするようになる。 ポイ捨て行為が社会倫理に反する行為であろうとも、多くの人がそれを行うと、 あたかも倫理に反しない行為であるかのように感じられてきてしまう。 ここが一番の問題だ。

迷惑営業行為

一時期、自動販売機が、私有地からはみ出して設置されていたことが問題視され、現在は、 かなりが引っ込んで設置されるようになった。 しかし、煙草を販売する商店では、今もエゴ丸出しのところを目にする。

写真1は、 千代田区の裏通りにある煙草販売店である。 公道に、煙草の看板、灰皿、雑誌を大きくはみだして置いている。 付近でもこれだけ凄いのは見ない。

写真1. ある煙草販売店(公共地の私的利用の例)

写真2、3は、同じく千代田区の路上禁煙地区にある煙草販売店である。 幅30cm位の部分に、灰皿を設置した。 見にくいが、左側に、ここは私有地だから、ここで吸ってくれという内容の表示をしている。 つまり、迷惑喫煙行為を支援しているのだ。 そもそも、たとえ、灰皿が私有地にあろうとも喫煙者自体がその公共地で吸えば違反である。 違反しないように吸おうとすると、灰皿の隣に行儀良く立って吸う以外に方法はない。 社会に対する挑戦状のつもりだろうか?

写真2. 路上禁煙地区内の私有地喫煙所を設置した煙草販売店


写真3. 写真2を右から見たところ

Smoker's Style

写真4は、千代田区の通称秋葉原地区にある喫煙所である。こんな一等地に設置すればさぞかしお金がかかるだろう。 非喫煙者が利用できるような環境ではないので、喫煙者に限定した特別サービスである。 迷惑行為の防止になるのはいいことだが、一体誰が負担しているのだろうか?

注:その後これは、タバコ会社が設置したものだと分かりました。これがタバコ会社の正しいやりかたなのでしょう。 しかし、コストが掛かりそうですね。

写真4. 秋葉原の一等地に出現した喫煙所


JR東日本の構内喫煙所

喫煙所の設置当初は、ホームのいちばん端にあっただけの喫煙所が、どんどん増殖し、中央付近にも設置されるようになった。 周囲との区画もなく、煙は流れ放題、また、直前まで吸っていた客が車両に入り込むので、車両内にも臭気が持ち込まれる。 それに、駅によって喫煙所の設置場所が違うので、どの車両に乗っても避けることができない。 このような状況は、健康増進法 に明確に違反していると考えられるが、当面何もするつもりはないらしい。 関東地方の他の私鉄が駅構内を全面禁煙にしたのとは対照的だ。 煙草販売による収益がよほど大きいのだろう。 どの喫煙所にも煙草会社の広告が大きく表示されている。設置費用は煙草会社が負担しているのだろうか?




記載にあたっての注意事項

普段から頻繁に目撃する迷惑行為について記事を書こうと思い、撮影を試みた。 しかし、撮影してみてその難しさを痛感した。迷惑喫煙行為を発見しても、それを撮影することは簡単にはできないからだ。 撮影自体がプライバシーの侵害になるし、下手をすれば暴力を振るわれたり、殺されたりしかねない。 このため、人物を撮影することは諦め、無生物だけを撮影するよう努力した。 人物が視野に入ってしまったところは全て、人物を特定できないようにしてある。 また、公共の事業を除き、商店なども、簡単には特定できないように、 固有名詞を隠すとともに周囲の情報も分かりにくいように配慮した。

健康増進法について

2003/05/06記

2003年5月1日から健康増進法が施行された。 この法律自体は、煙草を規制する目的で制定されたものではないように見える。 しかし、条文中では、間接喫煙の被害について初めて言及された。以下にその部分の条文を示す。


健康増進法(抜粋)
(平成十四年八月二日)
(法律第百三号)
第百五十四回通常国会
小泉内閣
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 基本方針等(第七条―第九条)
第三章 国民健康・栄養調査等(第十条―第十六条)
第四章 保健指導等(第十七条―第十九条)
第五章 特定給食施設等
第一節 特定給食施設における栄養管理(第二十条―第二十四条)
第二節 受動喫煙の防止(第二十五条)
第六章 特別用途表示及び栄養表示基準(第二十六条―第三十三条)
第七章 雑則(第三十四条・第三十五条)
第八章 罰則(第三十六条―第三十九条)
附則

第二節 受動喫煙の防止
第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、 飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、 受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。) を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。


この法律には、罰則や、救済の手続きが定められていないため、煙害被害の救済に対しては、十分とは云えない。 しかし、受動喫煙について定義し、それが健康を害するものであることを、 国家として公式に認めたという点が画期的である。 (筆者註:この法律では、能動喫煙の有害性については示していないところが残念である。)

この法律の施行に先立ち、関東地方の私鉄各社では、駅構内を終日禁煙とすることを決めた。 喫煙所の煙や臭いに対しての苦情が多かったのが原因ということだ。 また、厚生労働省でも、職場の分煙に関するガイドラインの変更を行った。 このように、日本においても先進諸国に遅れをとりながらも、ようやく煙草の害について、 公衆に認知されるようになってきた。

我々は、この法律の精神を重視し、今後、公共の場所での禁煙化の要望を出してゆきたい。

下記に、健康増進法の条文を記述したカードを置くので、この主張に賛同される方は、是非印刷して携帯してください。

↓ここをクリックするとPDFファイルがダウンロードできます。


印刷されたものは、カード大ですので、携帯し、必要な場合、提示して配布することによって、 少しでも、この法律の精神の普及につながるものと思います。 是非ご協力ください。

煙草と酒や自動車との比較について

煙草はよく他の物と比較される。 殆どの場合は、煙草の是を主張する場合に比較するものであるが、ごく一面だけを強調して比較している場合が殆どだ。 これら の違いは、物の本質を考えれば子供でも理解できることなのだが、それが分からないか、或いは、 敢えて分かり たくないという強い意志を持った人が多い。 そのような人は、煙草にとって都合の良い部分だけを比較して正当化しようとする。 "他にも悪いや つが居るのに何故自分だけが捕まるのか?"と駄々を捏ねているのと同じである。


先ず、煙草対酒、煙草対自動車の順に論じてゆく。纏めは表にしておくので参照して頂きたい。

煙草と酒との比較
項目
煙草

毒性
少量でも毒 であり、適量という概念は存在しない。
適量であれば、かえって健康に良いこともある。
多量に摂取すれば病気になったり、死に至ったりするがこれは、どのような食物、 栄養素でも同様のことなので議論の対象にはなりえない。
加害性
公共の場所では他人に対しても毒を撒き散らしている。 毒性と発散性は煙草本来の特徴であり製品そのものの責任である。
他人に迷惑をかけないようにしようと思えば、設備の整った喫煙所で吸うか、吸わないようにするしかない。
公共の場所での飲酒は極めて例が少ない(別に飲酒自体は他人に迷惑をかけている訳ではないが、 格好悪いという抑制作用が働いているようだ)。
使用者が気をつければ、酔っても他人に迷惑をかけないようにすることが可能。 酔っ払いが他人に迷惑をかけるのは、使用者のせいであって、酒の責任ではない。
臭気
臭気は数十メートル、時には100メートル以上離れていても到達する。
短時間でも煙に暴露すれば、服や髪等に臭気が付着する。 いったん付着した臭気は、念入りに洗浄するまでは消えることはない。
臭気を撒き散らすが、他人に毒として作用する程の量ではない。
屋外では数メートルも離れればわからない。
臭いはその場から離れれば消える
経済効果
製造・販売利益は一部業界にしか配当されない。
煙草を提供するサービスは販売店だけの特権なので、他には資金が流れない。
経済効果は、本文で 否定済みなのでそちらを参照してください。
製造原料、装置等のコストが、他産業への資金となる。
酒を提供するサービスとその下請にも資金が流れる。
煙草と酒の大きな違いは、他人への迷惑性と経済効果だろう。 酒はそれ自身が消費されることによって他人に迷惑をかけることはないが、 煙草は、消費と同時に迷惑を発生させている。 また、その迷惑は他人に毒を吸わせる行為であって正当性はない。
また、酒はそれを提供することでサービスとして事業が成立するが、 煙草は、販売店だけが儲けを独占する構造になっている。 煙草販売店以外の事業者は、煙草の消費に必要なコストを任意で負担しているだけだ。 提供することで利益を得ることができる酒とは経済構造が全く異なることがポイントだ。

煙草と自動車との比較
項目
煙草
自動車
使用目的
煙を吸込むこと。または放出すること(注:放出すると書くと奇妙に思えるかもしれないが、 現にふかすだけの人が多い)。
人や物を運搬すること。 または、運転すること(何か変だが現にそういう人も居る)。
社会への貢献度
常に社会に害を与えている。煙草税ではまかないきれないほどの重大な損害を与えている。

無くても困らない(無くなって一番喜ぶのは喫煙者かもしれない)。
経済効果については、本文で否定済なので そちらを参照してください。
自動車がなければ、 生活が成り立たないほどの貢献をしており、不可欠な存在である

経済効果は大きい。
排ガス対策
排ガス成分を規制する対策は何もない。 あるのは、排ガスそのものを発生させないという対策(禁煙条例など)だけである。

室内を含めどこでも一方的に発生する
排ガスの主成分は、水蒸気と二酸化炭素であり、毒物ではない。
また、法規により毒性の排ガス成分は規制されている

道路等の屋外や駐車場などの特定の室内でしか排ガスは発生しない。室内で発生する状況は考えにくい。
個人での使用
個人でしか使用しない
公共交通機関が使用できる場合は、使用しないか、 または自動車そのものを所有しないことが望ましい(但し、経済効果が大きいので単純に否定するのは難しい)。
加害性
他人に煙を強制的に吸わせる。
他人に臭気を強制的になすりつける。
他人に火傷を負わせる。
排ガスによる環境汚染。

交通事故。
被害を受けた場合
殆どの場合泣き寝入りである。
民事訴訟だけが対抗策である。加害者を直接訴えるのは難しく(誰が加害者かの特定が難しい)、 また、政府や煙草会社を訴えるにも被害との因果関係の証明が難しい。
加害者が刑事告訴される可能性が少ない。
訴訟に至らなくても、保険で金銭補償が受けられる場合が多い。
民事訴訟も可能。交通事故の場合訴える相手は当事者であるが、 環境汚染については道路施設管理者や行政府に対して訴訟を起こすことも可能。
加害者は社会的に非難され、また、刑事罰を受けることにより、精神的な補償効果が僅かにある。

煙草と自動車との一番大きな違いは、存在目的、すなわち、無いと困るかどうかだろう。 都心での自家用車など不要な自動車は、無くても困らないが、自動車が全く無いと極めて困る。 これに対して、煙草が無くなって困るのは利権者だけだ。 一般ユーザーは煙草が無くなっても困らない。如何にも困るかのようにマインドコントロールされているだけだ。 煙草が無くなっても喫煙者が困らないことは煙草を止めた多くの人の存在が証明している。 そもそも、人体の維持に不可欠な成分が含まれているというわけではないので、生物学的にも全く困らないと云える。 煙草が無くなって一番喜ぶのは、喫煙者かもしれない。何故なら、煙草を吸う行為は、常に負に作用する (金銭を支出する、健康を害す、汚れる、いらいらする等)のに対し、煙草が無くなると、 そのような負の効果から開放されてゼロに戻るからだ。即ち、煙草が無くなるということは、 喫煙者にとっては、借金を棒引きされたようなものだ。利権者が困るのも政策次第であって、
本文で提案したような政策を行えば困ることはない。
無くなっても困らないという点は、酒も同様だろう。しかし、既に繰り返し論じているように、煙草はあると困るのに対し、酒はあっても困らない。 そこはしっかり抑えておかないと議論が発散してしまう。
また、制御されているか野放しかということも大きな違いだ。煙草の煙が基本的に毒であるが、 毒の発生を抑えるような法規があるわけでもない。 毒が全く発生しない煙草があれば面白いかもしれない。 例えば、水蒸気煙草なんていうのはどうだろう?水素を燃やして水蒸気を発生させる。 煙をくゆらせたいだけの人にはそれで十分だろう。そもそも毒を売らなければならない理由も考えられない。 煙草はかくして矛盾の元で成立する不思議な商品なのだ。


このような比較を書いているうちに、煙草とよく似たものを思いついてしまった。 しかし、刺激的なので例として相応しいかどうか考えると躊躇してしまう。

しかし、この際書いてしまう。
類似性は条件付なので、その旨をご理解頂きたい。比較するのは強姦や痴漢である。
性行為は、種の保存のための不可欠な行為なので、当事者同士の合意があれば迷惑行為でも何でもなく、 害しかない煙草とは本質的に異なっている。この点は抑えておきたい。 焦点を当てるのは、喫煙行為一般ではなく、暴煙行為(迷惑喫煙行為) だけである。これらの類似点は下記の通りである。
  • 自己の欲求にのみにより行い、相手の都合を無視すること(利己的である)
  • 強制的に行うこと(暴力的である)
類似していない点は、下記のとおりである。
  • 迷惑喫煙は所構わず行われるのに対し、強姦や痴漢は見つからないように行う。
 細かい違いは多くあるが、自己中心的で暴力的だという点が見事に一致している。

 更に云えば、筆者は、喫煙行為は、公序良俗に反していると思う。  他人が存在する場所での喫煙は"公衆の秩序"を乱し、また、  自分だけでなく他者の健康をも害する趣向を"善良な風俗"と呼ぶことには無理がある。

強姦は、当事者同士の合意があれば正当な行為になる(痴漢は同意があっても公然猥褻になるので認められない)が、 喫煙行為は、迷惑をかけないように努力したとしても、実際に何も迷惑をかけないということは難しい。 例えば、飲食店の喫煙などは、禁止されていなくても迷惑行為であるし、喫煙にかかる費用(喫煙所の設置費用や、 健康保険の超過支出等)を、非喫煙者も分担しなければならず、結果として迷惑をかけている(詳細は 本文をご参照ください)。

煙草の問題は、過去に、為政者の無知によって集金のために実施された政策が、未だに手付かずで残っているために このような矛盾として現存するのである。 このような忌まわしい習慣を断ち切れない理由は、利権者の保護でだけである。 一部の利権者のためにその何倍もの損失を社会与えているのが現状だ。 煙草事業に、利権社会の縮図を見ることができる。 まるで社会主義体制が続いているかのようだ。

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