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たばこ広告の問題点を暴く

このページは、タバコ広告の問題点をまとめたものです。 2003年以降に書き溜めたものから重要なものを抜粋し、2013年現在の状況に合わせて多少の修正を加えました、

都合の悪いことを隠すタバコ会社

この記事は、2003年の9月に書いたものです。
この会社のページは、資料として使ってきました。
しかし、現在では、すでになくなっているページのことですが、重要なものなので、内容を一部抜粋し、表現を変えて紹介します。
日本たばこ産業のウェブサイトに、以下のような説明がありました。

"喫煙の社会コスト"(JTのページ(リンク切れ)から抜粋)

喫煙の社会コストを推計した研究報告は日本・海外を含め多数あります。 それらはそれぞれ異なった計算前提や仮定に基づいており、したがって推計結果もまちまちです。 明らかに非合理的だと思われる仮定にもとづいた推計も見られます。

喫煙者について非喫煙者よりも多くの一人当たり医療費がかかっているかどうかについては、 客観的な裏付けがあり広く合意された結論は未だ無いものと考えています。 喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告も複数あります。

すでにリンク切れになっているので、ここでは書きませんが、アーカイブには元のリンクが示されています。 重要なことなので、ここに、内容だけを再掲しました。
上記の枠内を読むと違和感を覚えます。この主張のどこがおかしいのでしょうか?
まず第1に、社会的なコストについての試算のうち、同社が非合理的だと主張するものの参照先が示されていません。
第2に、他の推計や研究報告がおかしいとしながら、同社の推計結果や報告が示されていません。
また、上記のように他の推計を否定しながら、『喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告も複数あります』 と書いてあり、こちらについては、内容を説明せずに、これが正しいかのような理解を誘導しています。

そして、枠内には引用していませんが、そのページでは、 『たばこにのみ責を帰したり、あるいはたばこの寄与度を過大に評価したりすることがあれば、不適当であるものと考えています。』 と締めくくっています。

このなかの、『ことがあれ』という部分に、同社の本音が隠されています。
すなわち、枠内に書いたように、不適当な推計や研究結果が多数あると書きながら、それらが、本質的に間違っている とは言い切っていないのです。
タバコ会社が、製品の社会的責任を認識していながら、そのことを指摘する報告が、いかにも間違っているかのように 読者の理解を誘導しているだけです。
この部分は、『たばこに否定的な各種の報告が誤りとはいえない』ということを、言い換えているのに過ぎません。

また、『喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告も複数あります。』ということを、この会社の主張としたいのであれば、 その内容についても書くべきですが、内容には一切触れていません。
『医療費に差は無いという報告』は、煙草病によって早死した人を含めると、死人にかからない医療費の分が少なくなる という内容であると推定できます。
外国のタバコ会社のことですが、たばこ煙草は高齢化を食い止め、社会保障コストを削減しているという主張を読んだことがあります。
JTのページに医療費に差がないという報告の詳細が出ていないということは、このような理由によるものと解釈するのが自然です。
『たばこによって、早死にする人が増えると、医療費の支出が減る』という本当のことは書きにくいでしょう。
このような理由以外での『喫煙者と非喫煙者では医療費に差は無いという報告』があるのなら、是非読んでみたいと思います。


次に、動物実験の記述について、注意点を書きます。 以下も同じ会社のページからの引用です。

"JTのページ(リンク切れ)から抜粋

動物実験において、たばこのタール(数千本〜数万本相当)をマウスの皮膚に直接塗布すると、がんが発生することが確認されていますが、 たばこ煙のみを吸入させる方法により、がんを発生させることは困難です。

この引用の中の最後の部分に注目してみましょう。
『たばこ煙のみを吸入させる方法により、がんを発生させることは困難です。』と書いてあります。
この記述で注意するところは、『たばこ煙のみを吸入させてもがんは発生しません』とは書いていないことです。
そんな実験したところで、癌が発生する前にマウスは死んでしまうでしょう。
煙の濃度を上げて加速試験を行えば、窒息や一酸化炭素中毒など別な要因で死んでしいます。
こうして別な要因で殺しておけば、癌を発生させないことができるので、『たばこ煙のみを吸入させる方法により、がんを発生させることは困難です』 というのは、正しい表現になります。
同社のページには何も書いていませんが、実験では何匹も殺したことでしょう。

また、前半の『数千本〜数万本相当』という部分は、いかにも、通常ではあり得ないような多量のタールによってしか、癌は発生しない と解釈させる書き方をしています。
これも、都合の悪い部分を隠して書いているものです。
どのような点が隠されているかというと、先ず、第1に、通常の量のタールでは、発癌しないとは書いていないことです。
上記のように普通の分量では問題が無いかのような理解を誘導する書き方をしているだけです。

また、『数千本〜数万本相当』という書き方にも、真相を闇に隠す意図がひそんでいます。
これを読んだ人は、数千本の煙草のタールを抽出して、それを全てマウスの皮膚 から吸収させたと解釈するでしょう。
このように解釈させるのが書き手の狙いです。
しかし、筆者はこの『数千本〜数万本相当』という表記を次のように解釈しました。

たばこ1本あたりのタール量は、この煙草会社が採用している測定方式で表示している量であり、現実の値よりずっと少ないだろう。
しかも、主流煙の中に含まれるタールだけを使用するので、実際に煙草に含まれるタールの数十分の一から数百分の一程度だろう。
マウスの体重を人間の体重と比較した場合の等価本数を定義して使用しているだろう。
マウスの体重が50グラムだとすると、人間の体重の 1000分の 1以下だから、数千本というのは、数本ということになるだろう。
数千というのは1千を含むと解釈できるから多分1本だろう。
上記の解釈と併せると、実際には、 100分の1本位だろう。

このように、JTの記述は、通常有り得ないような多量のタールではなく、 普通に消費している程度のたばこの量でマウスには発ガンが見られたというように読むことができます。
また上述したように、JTのページには、通常の量のタールでは、発癌しないとは書いていないので、この理解には妥当性があると言ってよいでしょう。
このような解釈は十分可能なのですが、実際のことは同社のページ中に書いていないので分かりません。
そもそも、マウスの寿命の中で発癌したというのは、相当な速度で発癌したことになります。
このスピードが人体と比較するとどのくらいなのかは情報として与えるべきであると思います。
必用な情報を与えずに、あたかも害が無いかのような理解を誘導しているということです。

興味のある方は、同社の主張を詳しく読むと、すべてがこの調子です。
興味深いのは、肺癌のリスクについての主張が、統計情報の評価-1 データに基いた数式モデルの最後のところに書いたコラムで指摘した 幼稚な騙しのテクニックがそのまま書いてあったことです。

こういったことが、もっと広く伝えられるようになり、だまされた人がタバコ会社を訴えるようになると、タバコ会社はこう言うでしょう。
『たばこに害が無いとはどこにも書いていない。勘違いするほうが悪い。』と。

このページを読んでいる方には、こういったダマシは通用しないでしょう。
しかし、騙される人なら殺して構わないなどということは、絶対にあってはなりません。



タバコ販売各社の考え方

この文章の元記事を書いたのは、2004年7月のことです。
2013年現在は、2004年とは状況は変わっていますが、本質的に重要なことを書いているので、ここに、修正して再掲しました。

2004年に電車の中から、日本たばこ産業株式会社の広告が消えました。
この会社の広告が消える少し前には、少し目を引くマナー 広告がありました。
しかし、そのマナー広告も僅かの間に掲示されただけで、跡形もなく消えてしまいました。
そして、今度は本当に広告自体が消えてしまいました。
おそらく、たばこの広告規制を先取りして自主規制したものだと思います。

といっても、その当時でも、外国たばこの広告は残っていました。
たばこ販売については、国内の会社と海外の会社が協調して売っているのか、競争しているのか全く良く見えてきません。
販売店では銘柄を分け隔てなく売っているようだし、自動販売機も共通です。
しかし、今回の広告規制については全く足並みが揃いませんでした。
そのような興味もあって、タバコ会社それぞれの販売姿勢について調べてみました。
こういうことは、ユーザーが率先してすべきことでしょうが、何故かユーザーは、自分自身の関連する大きなビジネスには無頓着です。
だからこそ、たばこがビジネスとして成り立っているということでしょう。

さて、"煙草会社は国内に何社あるか?"、また、"夫々はどのような事業を行っているか?"と問われて答えられる人は殆どいないのではないでしょうか。
自分も、以前からよく分からなかったし、調べてみても相変わらずよくわかりませんでした。
ということで、国内の煙草販売各社の姿勢を見てみることにしました。
煙草ユーザーに是非読んでいただきたいと思っています。

以前に『煙草広告の謎』という話題で書いた通り、JT以外の販売会社は、広告に社名を入れていませんでした。
ひょっとしたら見落としただけで、入っていたものもあるかもしれません。
今回は、JTの広告が姿を消したので、比較的目立つようになった外国煙草の吊広告を見たところ、
"エムシー・タバコ・インターナショナ ル株式会社"という社名が入っているものがあったので、この会社のウェブサイトを検索してみました。
しかし、この会社のウェブサイトを見つけることは出来ませんでした。
こういったことも含めて、2004年に調査した内容を記します。

まず、どのような会社があるのか、そこが分からなければなにもできません。
そこで検索をかけたところ、たばこ増税反対署名に感謝するページを発見しました。そして その中に以下の団体名がありました。

社団法人 日本たばこ協会
  • 日本たばこ産業株式会社
  • フィリップモリス株式会社
  • ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン株式会社
  • エムシー・タバコ・インターナショナル株式会社

  • 全国たばこ販売協同組合連合会
    全国たばこ耕作組合中央会

    これが、たばこ販売会社と関連団体のリストではないかと思います。 他にも販売会社はあるかもしれませんが、とりあえずは、このリストにある販売会社について調べてみました。

    フィリップモリス株式会社(PMI社)

    日本語のウェブサイトは、以下にあります。 http://www.pmi.com/marketpages/Pages/market_ja_jp.aspx このなかで、『喫煙と健康』という文章が最初に目を引きます。 2013年時点では、内容が減ってしまいましたが、2004年では、もっと詳しい内容が記載されていたのでそれについて記します。

    http://www.philipmorrisinternational.com/pages/jpn/Default.asp(2004年のものですでにリンク切れ)以下のページから
    注:途中の傍線は、Smoke Stinksがつけたものです。


    明確で一貫したメッセージ

    (中略)

    紙巻きたばこの喫煙は、喫煙者に肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病をもたらします。 喫煙者は、非喫煙者に比べて、肺がんのような病気にかかる割合 がはるかに高くなります。 "安全な"紙巻きたばこというものはありません。喫煙は危険であり、依存性があります「addictive」。
    喫煙者は喫煙の危険性を引き続き知って おくべきです。

    (中略)

    私たちは、製品を販売しているすべての地域で、喫煙、病気および依存「addiction」について明確で一貫した公衆衛生メッセージを支持しています。 また、紙巻きたばこのパッケージや広告に健康警告を表示するようたばこメーカーに義務付ける法律も支持しています。 このような法律のない国々では、私たち は自主的にパッケージやカートンに警告を表示しています。 当社はさまざまな事実を引き続き広く知っていただきたいと考えています。


    健康への影響

    紙巻きたばこの喫煙:喫煙者の健康に関する問題

    紙巻きたばこの喫煙と喫煙者の疾病について:
    当社は、紙巻きた ばこの喫煙が喫煙者に肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病をもたらすとの 圧倒的な医学的・科学的なコンセンサスに同意します。 喫煙者は、非喫煙者に比べて、肺がんのような重大な疾病に罹患する割合がはるかに高くなります。 "安全な"紙巻きたばこは存在しません。

    (中略)

    一貫した公衆衛生上のメッセージの支持:
    当社は、喫煙が喫煙者の疾病の発症に果たす役割、および喫煙と依存(addiction)の問題について、 一つ の一貫した公衆衛生上のメッセージを支持します。 これには、パッケージや広告に健康警告を表示するよう、たばこメーカーに義務づける法令を支持することも 含まれます。 また、その警告メッセージの文言は政府および公衆衛生担当官が決定すべきであると、当社は考えています。


    環境中たばこ煙「Secondhand Smoke」

    公衆衛生担当官は、環境中たばこ煙が、成人の非喫煙者における肺がんや心臓病などを含む疾病、また子供における喘息、 呼吸器感染、咳、喘嗚、中耳炎、乳幼 児突然死症候群等の原因となると結論づけています。さらに、公衆衛生担当官は、 環境中たばこ煙は成人の喘息を悪化させ得るし、目、のど、および鼻の炎症の 原因となり得ると結論しています。

    (中略)

    環境中たばこ煙に関する公衆衛生担当官 による結論は、公共の場での喫煙規制措置を設けるために充分な根拠であると、 フィリップ モリスインターナショナルは信じています。 また私 たちは、喫煙が許されている場所では、環境中たばこ煙「secondhand smoke」は非喫煙者に疾病をもたらすという 公衆衛生担当官の結論を伝える警告を表示するよう、政府が義務づけるべきであると考えます。

    (以下省略)


    以下は、2013年現在の、同社のページの記載内容です。
    内容は短くなっていますが、『効果的な規制』という項目を除き、基本的には同じポリシーを踏襲しています。

    喫煙と健康

    紙巻たばこを含め、たばこ製品は健康に害があり、依存性があります。 喫煙が肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病を引き起こすことについては、医学・科学上の圧倒的多数の根拠があります。

    依存性

    すべてのたばこ製品には依存性があります。 禁煙はたいへん難しい場合があります。 しかし、そのことが禁煙したいと思っている喫煙者に禁煙をあきらめさせる要因となってはならないと当社は考えています。

    環境中たばこ煙

    環境中たばこ煙は、非喫煙者に肺がんや心臓病などの重大な疾病を引き起こすと、公衆衛生当局は結論づけています。 環境中たばこ煙に関する公衆衛生当局のこの結論は、公共の場所での喫煙規制を行うのに十分な根拠になると当社は考えます。

    効果的な規制

    PMIは、害の低減 という原則に基づいた包括的なたばこ規制を支持しています。

    たばこ規制政策が効果的であるためには、根拠に基づいたものでなくてはなりません。 また規制は、すべてのたばこ製品に適用されるべきであり、公衆衛生当局や政府財務当局、 たばこ製造業者およびその他サプライ・チェーン上の関係業者など、すべての正規ステークホルダーの見解を考慮に入れるべきです。 違法たばこの需要の増大など、公衆衛生目的を損なう悪影響をもたらす可能性についても、規制政策は考慮する必要があります。

    当社は効果的で包括的なたばこ規制を支持しますが、成人喫煙者によるたばこ製品の購入および消費を阻む規制や、 正規のたばこ市場の活動を不必要に妨げるような規制は支持しません。 こうした考えのもと、当社は、 ノーブランド・パッケージ、店頭での製品の陳列禁止、成人喫煙者へのコミュニケーションの全面的な禁止、 たばこ製品における一切の添加物の使用禁止などの措置には反対します。

    以上のように、同社の公式な見解では、たばこに害があるという公的な見解を強く支持しています。
    この点は、都合の悪いことを隠す煙草会社という話題で紹介したように、害があることを認めながら、 害がない というように意図的に誤解させている国内の会社とは、公式見解が違っています。
    PMI社は、このページで、真っ当な主張をしています。
    この内容は、すべてのたばこユーザーに知ってほしいものです。


    エムシー・タバコ・インターナショナル株式会社

    この会社はすでに、JTに買収されたそうです。

    ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン株式会社(BAT社)

    2004年の調査においても、この会社は、フィリップモリス社とは対照的に、たばこの害について言い逃れをしていました。 詳細はアーカイブにその内容が記載されています。 2013年のウェブサイトの調査においても、この会社は、たばこの害について、以下のように書いています。

    引用元:
    http://www.batj.com/group/sites/BAT_7YBMF2.nsf/vwPagesWebLive/DO7YEHQ9?opendocument&SKN=1
    文中の印は、Somke Stinksが付けたものです。


    調査・研究

    喫煙が及ぼす健康への影響に関する大部分が、疫学的研究によってもたらされたものです。 疫学は統計に基づく科学であり、個人に対する影響ではなく、むしろ大規模グループを集合として捉えた時の影響を測定するものです。 疫学では、調査票(データ)と観察によって一定のグループ(例えば、喫煙者のグループ)における疾病の発症を特定し、 その発症率と他のグループ(例えば、非喫煙者のグループ)の発症率とを比較します。

    疫学調査では、長年にわたって特定の病気の発症率が非喫煙者より喫煙者グループの方が高いと、報告されています。 また、禁煙すると健康へのリスクは軽減し、禁煙は早ければ早いほど、よりよい効果があることも報告されています。

    疫学調査は、古くから疾病の原因を示唆する様々な関連性を特定する手段として使われ、研究室内での詳細な調査の指針となってきました。 喫煙に関して言えば、多くの研究所は長年にわたり調査を行っているにもかかわらず、 喫煙と特定の病気の因果関係を証明するような統計上の成果を確実に説明できるような生物学的メカニズムを特定できておらず、 病気の発症過程における煙の特定成分が果たす役割についても解明されていません注1

    どのような喫煙者が喫煙に伴う病気にかかり、他はそうでないのか、 また実際に病気にかかった個人が喫煙だけの原因でそうなったのかについて、科学では解明されていません。 これは、ひとつには、喫煙に関連する病気が、生涯一度もたばこを吸ったことのない人にも発症している注2ことによるものです。

    病気の発症過程と煙の特定成分が果たす役割について、生物学的レベルで完全に解明されていないため、 健康への影響の少ない紙巻たばこを設計する取り組みは、まだ不確実なものにとどまっています注3

    ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・グループ(以下、グループ)は、科学的に解明されていない点があるのだから 「喫煙は重病の一因になる」という説には疑問が残る、と言っているわけではありません。 重要なのは、疾患のメカニズムと煙の特定成分の果たす役割が、生物学的レベルで完全に解明できていないため、 害の少ないたばこを開発するうえで不確定要素が生じている注4ということなのです。 グループは、長年にわたって、害の少ないたばこの研究開発を進めてきました。 科学的な不確定要素があるため、大変な挑戦ではありますが、この取り組みに今後とも力を入れていきます。

    上記枠内は、BAT社のウェブサイトから引用したものですので、この内容が、同社の見解を示すものです。
    前記のPMI社とはちがい、BAT社は、相当に無責任な態度を明確にしています。

    問題のある部分について、見てみましょう。
    最初の下線部"注1"では、疫学についての説明をしています。
    下線部の前から疫学の説明が始まっていますので長い説明は、読む人の気力を失わせます。
    知識階層の人でなければ理解できないような難しい表現を多用していることに注意してください。
    難しい表現を使うのは、その内容がある程度学術的に検証しなければならない場合にはやむを得ませんが この場合には、この部分を読んでほしくないという気持ちが伺えます。

    そして、『疫学は不完全であり、不完全な研究に従って報告された結果は、信用できない』と読者が解釈するように誘導しています。
    下線の注3の部分も、疫学の不完全性についてしつこく説明しています。
    最後の注4の部分では、たばこの害についての生物学的な研究は不十分だとして、たばこの害が実際に生じているにもかかわらず 自分たちには責任がないかのような書き方をしています。

    途中飛ばしましたが、注2の下線については、たばこの害を隠す手法の代表的なものであることに気づきます。
    この記述中に"生涯一度もたばこを吸ったことのない人"という表現がありますが、自主的でなく吸わされたこともない人が世の中に 存在するでしょうか?
    禁煙の取り組みが進んできたのはここ僅か10年くらいのものです。
    それまでは、どこの室内にも煙が充満した状態だったので、"生涯一度もたばこを吸ったことのない人"というのはほぼゼロであるといえます。
    タバコ病が発生するまでには、20年から40年位かかることが多いので、あと2020年位にならなければ、たばこの影響を受けていないという 人は出てこないものと思います。

    結果が発生するまでに20年から40年程度の長期間があるということは、タバコ会社が真実を隠す手法として使うことについては、 別なところに詳しく書きますので、そちらを参照してください。


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